猫が壁を駆け上がる家に憧れて「キャットウォーク、自分で作れないかな」と検索する。ここまでは誰もが通る道です。ところが調べ始めると、突っ張り式・壁付け・造作と選択肢が増え、木材の厚みや耐荷重の話が出てきて、だんだん腰が引けてくる。
この記事は、DIYと業者依頼のどちらを選ぶべきかを、費用・強度・安全性の3点で切り分けます。「頑張ればできる」でも「素人には無理」でもなく、わが家の壁の状態で決まるというのが結論です。
くらすけ
ぼく、くらすけです。犬なので登りませんが、猫の友だちが落ちるのは見たくないので、真面目に調べてきました。
結論|キャットウォークは「3つの数字」でほぼ決まる
細かい話の前に、設計の勘どころだけ押さえてください。建材メーカーのDAIKENは、キャットウォークの設計について次の数値を示しています[1]。
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| 12〜28cm | ステップ同士の間隔の推奨。「高すぎず低すぎず、猫にとって登りやすい段差」とされています[1] |
| 15cm以上 | 棚板の幅の最低ライン。猫どうしがすれ違うなら25cm以上必要[1] |
| 12mm以上 | 木壁に取り付ける場合に必要な合板の厚さ。木材なら15mm以上[1] |
この3つ目が、DIYか業者かの分かれ道です。日本の住宅の壁の多くは石膏ボードで、そのままではネジが効きません。壁の中の柱(間柱)を探して留めるか、下地を新たに入れるかの判断が必要になります。
くらすけ
つまり「猫のことより先に壁のことを調べよう」ってことですね。ロマンがない。でも大事。
DIYと業者依頼を5項目で比較
| 項目 | DIY | 業者依頼 |
|---|---|---|
| 費用 | 木材・金具代が中心。数千円〜数万円 | 約5万〜10万円[4]/キャットステップ造作は約10万〜30万円(6〜7枚)[3] |
| 強度 | 下地を自分で探し当てられるかに依存 | 下地補強を含めて施工できる |
| 設置の自由度 | 既存の柱の位置に制約される | 好きな位置に組める |
| 賃貸での可否 | 突っ張り式なら可能な場合がある | 原則不可(原状回復の問題) |
| 失敗したときの手戻り | 壁に穴・ズレた棚の付け直し | 施工会社の責任範囲で対応 |
費用差は数万円です。「DIYなら数千円、業者なら数十万円」と極端に開くわけではありません。ここが判断を難しくしています。
DIYで作る3つの方法
① 突っ張り式(2×4アジャスター)を使う
床と天井の間に2×4材を突っ張り、そこに棚板を付ける方法です。壁に穴を開けないため、賃貸でも選択肢になります。
ただしメーカー側が明確に注意を出しています。平安伸銅工業(LABRICO)は、キャットタワー用途について「猫が飛び乗ったり、降りたりする振動で倒れる恐れがあります」として定期的な確認を求め、さらに「柱が横方向に引っ張られるような荷重(水平荷重)をかけるのはお控えください」としています[2]。
猫が飛び乗る動きは、まさに横方向の力がかかる動きです。突っ張り式は「壁に穴を開けない」代わりに、この弱点を抱えていると理解したうえで選んでください。同社は製品ごとの使用荷重を超えないこと、多頭飼いでは特に荷重に注意すること、一部の品番(増し締めや点検ができないタイプ)はそもそも設置不可であることも明記しています[2]。
② 壁の下地(間柱)を探して直接留める
最も強度が出る方法です。下地センサーで間柱の位置を探し、そこにネジを効かせます。
制約は「間柱の位置にしか付けられない」こと。一般的な木造住宅の間柱は等間隔に入っているため、理想の配置にならないことがあります。前述のとおり、猫は12〜28cmの間隔だと登りやすいとされていますが[1]、間柱の位置に合わせると間隔が空きすぎることがある。ここが妥協点になります。
③ 既製のキャットステップ・ユニットを買って付ける
自分で木材を切らずに済む方法です。取り付け自体は①か②のどちらかになるため、「買えば安全」ではありません。製品に指定された取り付け方法と耐荷重を必ず確認してください。
くらすけ
「棚は買った、あとは付けるだけ」……の「だけ」がいちばん難しいやつです。
3つの方法を並べて比べる
| ①突っ張り式 | ②下地に直接留める | ③既製ユニット | |
|---|---|---|---|
| 壁の穴 | 開けない | 開ける | 取り付け方法による |
| 賃貸 | 可能な場合がある | 原則不可 | ①か②に準じる |
| 強度 | メーカーが振動・水平荷重に注意を明記[2] | 最も高い | 製品の指定耐荷重による |
| 配置の自由度 | 柱を立てられる場所に限られる | 間柱の位置に制約される | 同左 |
| 難易度 | 低〜中 | 中〜高(下地探しが必要) | 低(板を切らずに済む) |
DIYで必要になるもの
道具の有無で難易度がかなり変わります。着手前に手元を確認してください。
- 下地センサー(壁の中の間柱を探す)— ②を選ぶなら必須
- 電動ドライバー(手回しでは棚受けのネジが入りきらない)
- 水平器(棚が傾くと猫は乗りません)
- メジャーと養生テープ(貼って段の間隔を実寸で仮置きしてから決める)
- 棚板・棚受け金具(耐荷重の表示を必ず確認する)
くらすけ
養生テープで壁に「ここが12cm、ここが28cm」って貼ってみるの、地味だけどいちばん効きます。図面より自分の目。
業者に頼むとどうなるか
造作の場合、下地補強からクロスの補修までがセットで入ります。壁を一度開けて木下地を入れ、棚板を固定し、開口部を塞いでクロスを貼り直す。DIYで最も難しい部分を工事として処理できるのが最大の違いです。
費用の目安は、キャットウォークの設置で約5万〜10万円、複数の部屋にまたがる大規模な設置では20万円以上になる場合もあるとされています[4]。キャットステップの造作(6〜7枚)では約10万〜30万円という目安もあります[3]。
金額に幅があるのは、下地の状態と施工範囲で変わるからです。既存の間柱を使えるのか、新しく下地を入れるのか、クロスの補修範囲がどこまで及ぶのか。これは現地を見ないと決まりません。
やりがちな設計ミス4つ
猫の習性を踏まえると、次の4つは設置後に後悔しやすいポイントです。
- 段の間隔を広くしすぎる。 見た目のバランスで決めると間隔が空きます。推奨は12〜28cm[1]
- 棚板が細すぎる。 15cm未満だと足を置ける面積が足りません。多頭飼いなら25cm以上を[1]
- 降りる導線を考えていない。 DAIKENは、猫は高い場所を好む一方で「高いところから下へ降りてくることは苦手」としています[1]。登れる=降りられる、ではありません
- 出入口が1か所しかない。 同社は猫が「後ろ向きに歩くことが苦手」で「方向転換も得意ではない」ため、複数の出入口が必要としています[1]。行き止まりを作らない
なお同社は、猫は「1.5m程度の高さなら平気で飛び降りてしまう」とも記しています[1]。高い位置に付けるほど、着地点に何を置くかが問題になります。着地する床に硬いものや不安定なものを置かないでください。
DIYか業者か|3つの質問で判断する
質問1: 壁は石膏ボードで、下地の位置が分からない状態ですか?
→ はい なら、業者に見てもらう価値があります。下地を探す道具と経験が要ります
質問2: 賃貸で、原状回復が必要ですか?
→ はい なら、突っ張り式一択です。ただし前述の水平荷重の弱点を理解したうえで[2]
質問3: 猫は何頭いますか?
→ 2頭以上なら、棚板の幅も耐荷重も余裕を持たせる必要があります。DIYの難易度は上がります
3つとも「DIYで問題なし」に振れるなら、自分で作れます。1つでも引っかかるなら、まず現状を見てもらってから決めても遅くありません。
わが家の壁でどこまでできるか相談する
工事が必要かどうかの切り分けから相談できます。相談は無料です。お見積りは施工会社が現地を見たうえで作成します。
よくある質問
Q. 壁に穴を開けずにキャットウォークを付けられますか?
突っ張り式(2×4アジャスター)を使えば可能です。ただしメーカーは、猫の飛び乗り・飛び降りの振動で倒れる恐れがあるとして定期点検を求めており、横方向の荷重を避けるようにも注意しています[2]。設置して終わりではなく、定期的にゆるみを確認する前提で選んでください。
Q. DIYするといくらくらいかかりますか?
材料は木材と金具が中心で、数千円〜数万円の範囲です。ただし下地センサーなどの道具代が別途かかります。業者依頼(約5万〜10万円[4])との差は、思っているより小さいことが多いです。
Q. 棚板の厚みはどのくらい必要ですか?
木壁に取り付ける場合、DAIKENは厚さ12mm以上の合板、または厚さ15mm以上の木材としています[1]。板そのものの厚みだけでなく、留める側の壁に何があるかで必要な仕様は変わります。
Q. キャットウォークとキャットタワーは何が違いますか?
キャットタワーは床置きの独立した構造物、キャットウォークは壁や天井付近に設置する通路です。床面積を取らないのがキャットウォークの利点ですが、その分だけ固定の強度が問われます。
Q. 高齢の猫でも使えますか?
段の間隔と高さの設計次第です。猫は降りるのが苦手とされているため[1]、加齢で跳躍が難しくなった場合を想定するなら、間隔を詰める・低い位置から始めるといった配慮が要ります。体の状態については、かかりつけの獣医師にご相談ください。
まとめ|「作れるか」ではなく「留められるか」
- 設計の勘どころは 段の間隔12〜28cm / 棚板の幅15cm以上(多頭は25cm以上)/ 木壁は合板12mm以上[1]
- DIYと業者の費用差は数万円。判断軸は金額よりも「壁に確実に留められるか」
- 突っ張り式は賃貸でも使えるが、メーカー自身が振動での転倒と水平荷重に注意を促している[2]
- 登れることより、降りられること・行き止まりを作らないことが設計の質を分ける[1]
壁の中がどうなっているかは、外から見ても分かりません。DIYで進めるにしても、最初に一度プロに見てもらうと、下地の位置と可否がはっきりします。
キャットウォークの設置を相談する
工事が必要かどうかの切り分けから相談できます。相談は無料です。お見積りは施工会社が現地を見たうえで作成します。
この記事は住まい・リフォームの情報をまとめたものであり、獣医療上の助言ではありません。記事中の猫の習性に関する記述は出典元の記載を引用したものです。ペットの体調や行動で気になることがある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
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参考文献・出典
(すべて2026-08-20確認)
- DAIKEN「猫のためのキャットウォーク・キャットステップの設計」 https://www.daiken.jp/buildingmaterials/pet/columnbaw/002/
- 平安伸銅工業「キャットタワー作成の注意点」(LABRICO公式FAQ) https://ec.heianshindo.co.jp/blogs/faq/faq-cs-257
- SUUMOリフォーム「ペットを目的としたリフォーム費用・価格相場情報」 https://suumo.jp/remodel/soba/rm_pets/
- ハピすむ「猫と暮らす家のリフォーム」 https://hapisumu.jp/category/room-reform/14337/

