賃貸でできる犬の床滑り対策|退去時に請求されないための床の守り方

賃貸でできる犬の床滑り対策|退去時に請求されないための床の守り方
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賃貸で犬と暮らしていると、悩みが2つ同時にやってきます。フローリングで愛犬が滑ることと、その床に爪の傷が増えていくことです。

前者は今日の話。後者は退去の日の話。そして後者には、多くの人が知らないお金の落とし穴があります。

この記事では、工事をせずにできる滑り対策を費用つきで整理したうえで、国土交通省のガイドラインが定める原状回復のルールを確認します。結論を先に言うと、フローリングの傷は「年数が経っていれば安くなる」とは限りません。

くらすけ

くらすけ

ぼく、くらすけです。賃貸って気をつかいますよね。今日は「滑らない」と「怒られない」を両立させる話をします。

目次

先に知っておきたい|フローリングの傷は減価償却されません

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」は、賃貸住宅の原状回復について一般的なルールを示しています[1]。基本の考え方はこうです。

  • 貸主の負担: 建物・設備の自然的な劣化や損耗(経年変化)、および賃借人の通常の使用により生ずる損耗(通常損耗)[1]
  • 借主の負担: 賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用方法を超えるような使用による損耗[1]

ここまでは知られています。問題は次です。

同ガイドラインは、フローリングの部分補修については「経過年数を考慮することにはなじまない」とし、部分補修の費用全額を賃借人が負担しても、貸主が当該時点におけるフローリングの価値を超える利益を得ることにはならないため、経過年数を考慮する必要はないとしています[1]。

言い換えると。クロスなら「6年住んだから価値は1円」という減価の考え方が働きますが、フローリングの部分補修にはその理屈が効きません。入居10年目についた爪の傷でも、補修費を全額請求されうるということです。

また同省の参考資料(令和5年3月)では、令和4年のアンケートで原状回復のトラブルになりやすい部位としてクロスとフローリングが挙げられています[2]。

くらすけ

くらすけ

「長く住んだから大丈夫」が通じないところがあるんですね。……床、守りましょう。

なお、無断でペットを飼育した場合には、脱臭のためのクロス張替費用や臭気を抜く期間の家賃等が借主負担とされる事例があるとされています[1]。ペット可物件であることの確認は大前提です。

つまり、床を守る対策=滑り対策になります

ここが賃貸の面白いところで、愛犬の滑り対策と、退去時の出費を抑える対策は、ほぼ同じものです。床に何かを敷けば、滑りは減り、爪の傷も減ります。

以下、原状回復できる方法だけを挙げます。

工事なしでできる対策5つ

① タイルカーペット(最も汎用性が高い)

40〜50cm角のカーペットを並べて敷きます。裏面が吸着タイプなら、ずれにくく剥がせます。

費用の目安: 1㎡あたり約2,000〜3,000円[3]。6畳(約10㎡)なら2万〜3万円程度。

利点: グリップが効きやすく、汚れた1枚だけ交換できます。粗相や嘔吐のたびに全面を捨てずに済むのは、他の方法にない強みです。

注意点: 敷き詰めると床が見えなくなるため、下で湿気がこもらないよう定期的にめくって確認してください。

② 撥水加工のラグ・カーペット

洗える製品を選べば、粗相への対応がしやすくなります。

注意点: 端が浮くと犬が引っかけます。滑り止めシートを併用するか、四隅を固定してください。

③ 滑り止めマット(部分敷き)

食事の場所、ソファやベッドの着地点、廊下の曲がり角など、滑る場所が特定できている場合に有効です。数千円から始められます。

まず1週間、どこで滑っているかを観察してください。家じゅうに敷く必要はないことが多いです。

④ コルクマット

弾力があり、防音性も期待できます。集合住宅で階下への足音が気になる場合の選択肢になります。

注意点: 爪で表面が削れやすく、犬が噛んでしまうケースもあります。破片の誤飲に注意してください。

⑤ 足裏の毛のカットと爪の管理(費用0円)

敷物より先に、これを試してください。肉球の間の毛が伸びていると、肉球が床に接地しません。爪が長い場合も同様です。

道具代以外はかかりません。それで解決するなら、床に何も敷かずに済みます。

くらすけ

くらすけ

いちばん安くて、いちばん効くやつが最後に来るの、ずるいですよね。でも本当です。

やってはいけないこと

やりがちなことなぜダメか
床にワックスやコーティングを塗る原状回復の対象になり得ます。貸主の許可なく床の仕上げを変えないでください
両面テープで固定する剥がすときに床材の表面を持っていきます
家具の下に敷かず直置きする家具の脚跡はへこみとして残ります。フェルトを貼ってください
傷を自分で補修材で埋める補修の跡が問題になる場合があります。まず管理会社に相談を

費用の比較|賃貸の対策はいくらかかるか

方法6畳(約10㎡)あたりの目安
足裏カット・爪切り0円(道具代のみ)
滑り止めマット(部分)数千円〜
タイルカーペット(敷き詰め)約2万〜3万円[3]
ラグ(洗える製品)1万円前後〜

比較として、持ち家で床を張り替える場合は15畳規模で約60万〜80万円かかります[4]。賃貸の対策は、桁が2つ違います。やらない理由はほとんどありません。

退去のときに困らないための3つの習慣

  1. 入居時に床の状態を写真で残す。日付入りで撮っておくと、既存の傷との切り分けができます
  2. 敷物を定期的にめくる。湿気による変色は、傷より厄介です
  3. 傷ができたら管理会社に早めに相談する。放置して広がるより、その時点で相談したほうが結果的に安く済むことがあります

よくある質問

Q. 犬の滑り止めマットはどれを選べばいいですか?

「洗えるか」「1枚単位で交換できるか」「端が浮かないか」の3点で選んでください。グリップの強さは製品説明では比較しにくいのが実情です。

Q. 賃貸でフロアコーティングはできますか?

貸主の許可なく行わないでください。床の仕上げを変える行為は原状回復の対象になり得ます。コーティングそのものの内容は[ペット向けフロアコーティングの選び方](https://pet-kurashi.net/2026/08/20/pet-floor-coating/)で扱っています

Q. 爪の傷はどのくらい請求されますか?

金額はケースによりますが、フローリングの部分補修は経過年数を考慮しないとされているため[1]、「長く住んだから安くなる」とは限りません。具体的な負担割合は契約書の特約と実際の損耗の程度によります。

Q. そもそも滑る床は犬の身体に悪いのですか?

新生子期の子犬については床材と股関節形成不全の関連を示した研究がありますが、成犬が家庭のフローリングで滑ることの影響については、編集部が確認した範囲で定量的な一次情報は見つかっていません。詳しくは[犬が滑らない床にするリフォーム](https://pet-kurashi.net/2026/08/20/dog-non-slip-floor/)で整理しています

Q. ペット可物件なら何をしても大丈夫ですか?

いいえ。ペット可であっても、通常の使用を超える損耗は借主負担になり得ます[1]。契約書の特約を必ず確認してください。

まとめ|滑り対策は、床を守る対策でもある

  • 国交省のガイドラインでは、フローリングの部分補修は経過年数を考慮しないとされている[1]。長く住んでも安くならない
  • クロスとフローリングは原状回復のトラブルになりやすい部位[2]
  • 対策は 足裏の毛と爪 → 部分マット → タイルカーペット の順に試す
  • タイルカーペットは6畳で約2万〜3万円[3]。1枚単位で交換できるのが賃貸向き
  • ワックス・コーティングは貸主の許可なく行わない

将来的に持ち家で本格的に対策する場合は、床材そのものの選び直しが選択肢になります。そのときは[ペット対応床材7種の比較](https://pet-kurashi.net/2026/08/19/pet-flooring-comparison/)を参考にしてください

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参考文献・出典

(すべて2026-08-20確認)

  1. 国土交通省住宅局「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」平成23年8月 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf
  2. 国土交通省住宅局参事官「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』に関する参考資料」令和5年3月 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001611293.pdf
  3. リショップナビ「タイルカーペットリフォームのポイント・費用相場」 https://rehome-navi.com/articles/332
  4. SUUMOリフォーム「ペットを目的としたリフォーム費用・価格相場情報」 https://suumo.jp/remodel/soba/rm_pets/
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この記事を書いた人

ペットと暮らす家の困りごとを、住まいの側から解決する情報をお届けしています。工事をしなくて済むケースはそのまま書き、費用は幅・条件・出典をセットで示します。健康や行動に関わる内容は、獣医師等の監修体制を整えたうえで公開します。

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