賃貸でキャットウォークは作れる?耐荷重の数字とメーカーの見解を確かめました

賃貸でキャットウォークは作れる?耐荷重の数字とメーカーの見解を確かめました
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「壁に穴を開けなければ賃貸でもいける」。突っ張り式の柱を使ったキャットウォークのDIYは、検索すると事例がたくさん出てきます。

ただ、編集部が気になったのはメーカー自身は猫が乗ることをどう考えているのかでした。事例は個人の投稿ばかりで、作った人の自己判断です。製品をつくっている側の見解を確認しないと、安全の話はできません。

そこで、突っ張り式の代表的な2社の公式情報を確認しました。すると、猫用途への姿勢が2社で明確に違い、さらに耐荷重の数字を見ると想像以上に余裕がないことが分かりました。

くらすけ

くらすけ

壁に穴を開けなければ、賃貸でもキャットウォークって作っていいの?

目次

賃貸で作れるのか|壁は2つあります

物理的には可能です。ただし、越えるべき壁が2つあります。

  1. メーカーが猫用途を想定しているか(安全の問題)
  2. 原状回復でどこまで借主負担になるか(お金の問題)

「壁に穴を開けない=問題なし」ではありません。順に見ていきます。

メーカーは猫が乗ることを想定している?

ここが2社で分かれました。

平安伸銅工業(LABRICO)— 猫用途のFAQがある

同社はキャットタワーをつくる場合の注意点をFAQとして公開しています[1]。つまり、猫用途を「あり得る使い方」として扱ったうえで、条件を示しています。

  • 猫が飛び乗ったり、降りたりする振動で倒れる恐れがあります」として定期的な確認を求めている[1]
  • 「柱が横方向に引っ張られるような荷重(水平荷重)をかけるのはお控えください」[1]
  • 「製品ごとに設定されている使用荷重を超えての使用はしないでください」[1]
  • 複数の猫がいる場合は「使用荷重に注意してください」[1]
  • 一部の品番(増し締めや点検が行えないタイプ)は「危険ですので設置はできません」[1]
  • 猫によっては予期せぬ行動をとる場合があるため、監視下での使用を求めている[1]

若井産業(ディアウォール)— 公式にペット用途の記載を確認できなかった

同社の製品ページには、棚受けの耐荷重が明記されています[2]。

棚受け耐荷重[2]
1×4・2×4材用5kg(2個使用時)
1×6・2×6材用7kg(2個使用時)

一方で、ペットや猫の使用に関する記載は、編集部が確認した範囲では製品ページに見当たりませんでした。個人の作例はネット上に多数ありますが、それらはメーカーの見解ではありません。

編集部の判断: 猫用途で突っ張り式を使うなら、メーカーが猫用途を想定して条件を公開している製品を選ぶほうが安全です。記載がない製品は「使ってよい」とも「いけない」とも言われていない状態で、判断が自分に返ってきます。

くらすけ

くらすけ

「事例がたくさんある」と「メーカーが想定している」は別なんだね。

耐荷重の数字を、猫の体重と並べてみる

ここが今回いちばん驚いた部分です。

棚受けの耐荷重は、2個使用時で5kg(1×4・2×4材用)[2]。この数字には取り付ける棚板そのものの重さも含まれます。

一般的な成猫の体重は3〜5kg程度です。棚板の重さを引くと、猫1匹分の余裕もぎりぎりという計算になります。

そして重要なのは、猫は静かに乗るのではなく、飛び乗るということです。飛び乗る瞬間には、体重をそのまま載せる以上の力が一瞬かかります。カタログの耐荷重は静止した状態での数値であり、衝撃を想定したものではありません。

平安伸銅工業が「猫が飛び乗ったり、降りたりする振動で倒れる恐れ」と書いているのは、まさにこの点です[1]。

結論として、耐荷重ぎりぎりの設計は避けてください。多頭飼いなら、なおさらです。

この記事は住まいの情報をまとめたものであり、獣医療上の助言ではありません。記事中の安全に関する記述は、メーカーが公表している内容を引用したものです。設置後に落下や転倒が起きた場合、外傷が見えなくても内部の損傷があることがあります。すぐにかかりつけの獣医師にご相談ください。

原状回復はどうなるのか

穴を開けなければ大丈夫、とは限りません。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」では、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用方法を超えるような使用による損耗は借主負担とされています[3]。一方、経年変化と通常損耗は貸主負担です[3]。

突っ張り式で起こりうるのは次のようなことです。

  • 天井や床のへこみ・跡。強く突っ張るほど圧力がかかります
  • 柱が倒れたときの壁・床・建具の傷。これは明確に借主負担になり得ます
  • 猫が柱や棚板で爪とぎをした場合の周辺の傷

とくに床については、同ガイドラインがフローリングの部分補修は「経過年数を考慮することにはなじまない」としており、長く住んでも減価されず全額負担になり得ます[3]。この考え方は[賃貸でできる犬の床滑り対策](https://pet-kurashi.net/2026/08/20/rental-dog-floor/)で詳しく整理しています

許可はどう取るか

結論として、取ったほうがよいです。「穴を開けないから報告不要」と自己判断せず、管理会社に一報を入れてください。

伝えるとよいこと

  • 壁・天井・床に穴を開けない工法であること(突っ張り式であること)
  • 設置場所と、おおよその高さ
  • 退去時に撤去し、原状に戻すこと

記録に残す。口頭だけでなく、メールなど文字が残る形でやりとりしてください。退去時に「聞いていない」となるのを防げます。

入居時と設置前の写真を撮る。天井・床・壁の状態を日付つきで残しておくと、既存の傷との切り分けができます。

持ち家での造作を検討する場合は相談する

工事が必要かどうかの切り分けから相談できます。相談は無料です。お見積りは施工会社が現地を見たうえで作成します。

現実的な選択肢

1. 低く作る

高さを抑えれば、落下時のリスクも、突っ張りにかかる負担も下がります。「壁一面に高く」を目指さないだけで、安全性は大きく変わります。

2. 段数を減らし、1段あたりを広くする

DAIKENは、棚板の幅について最低15cm以上、猫どうしがすれ違うなら25cm以上が必要としています[4]。段を増やすより、確実に足を置ける幅を確保するほうが実用的です。段の間隔は12〜28cmが目安とされています[4]。

3. 床置きのキャットタワーで代替する

突っ張り式にこだわらない選択です。床に置くタイプなら、転倒のリスクは構造的に低く、原状回復の問題もほぼ生じません。「壁面でなければならない理由」がなければ、こちらのほうが賃貸には向いています。

4. 持ち家に移ってから造作する

将来の選択肢として。造作の費用と内訳は[キャットウォークを造作する費用](https://pet-kurashi.net/2026/08/20/catwalk-construction-cost/)に、DIYと業者の比較は[キャットウォークDIYと業者依頼を比較](https://pet-kurashi.net/2026/08/20/catwalk-diy-vs-pro/)にまとめています

よくある質問

Q. 賃貸でもキャットウォークは設置できますか?

壁に穴を開けない突っ張り式なら物理的には可能です。ただしメーカーが猫用途を想定しているかを確認し、管理会社の許可を取ることをおすすめします。倒れて壁や床を傷つけた場合は借主負担になり得ます[3]。

Q. ディアウォールで作っても大丈夫ですか?

若井産業の製品ページには棚受けの耐荷重が2個使用時で5kg(1×4・2×4材用)/7kg(1×6・2×6材用)と明記されています[2]。ペット用途についての記載は、編集部が確認した範囲では見当たりませんでした。猫用途の条件を公開しているメーカーの製品を選ぶほうが、判断材料は多くなります。

Q. 猫の体重なら耐荷重に収まりますか?

数字上はぎりぎりです。棚受けの耐荷重5kgには棚板自体の重さも含まれ、成猫は3〜5kg程度。さらに飛び乗る瞬間には体重以上の力がかかります。耐荷重ぎりぎりの設計は避けてください。

Q. 賃貸でもDIYでキャットウォークはできますか?

できますが、低く作る・段を減らして幅を広く取る・耐荷重に余裕を持たせるの3点を守ってください。平安伸銅工業は定期的な増し締めと点検も求めています[1]。

Q. 退去時に何を請求されますか?

天井・床のへこみ、倒れたときの傷、爪とぎによる損傷などが対象になり得ます。通常の使用を超える損耗は借主負担とされており[3]、フローリングの部分補修は経過年数が考慮されません[3]。

Q. 許可は必要ですか?

取ることをおすすめします。穴を開けない工法であっても、退去時のトラブルを避けるために、設置前に管理会社へ文字が残る形で相談してください。

編集部の結論

  • 物理的には可能。ただし「メーカーの想定」と「原状回復」の2つの壁がある
  • 猫用途への姿勢はメーカーで違う。平安伸銅工業はキャットタワー用途のFAQを公開して条件を示している[1]。若井産業の製品ページにペット用途の記載は確認できなかった[2]
  • 耐荷重は棚受け2個で5kg(棚板込み)[2]。成猫3〜5kgで、しかも飛び乗る瞬間は体重以上の力がかかる。ぎりぎりの設計はしない
  • 平安伸銅工業は「飛び乗り・飛び降りの振動で倒れる恐れ」「水平荷重を避ける」「定期点検」を明記[1]
  • 穴を開けなくても原状回復の対象になり得る。倒れたときの傷、天井・床のへこみ。フローリングの部分補修は経過年数が考慮されない[3]
  • 現実解は低く作る/段を減らして幅を広く/床置きで代替

記事だけでは判断できないこと

天井の下地がどうなっているか(軽量鉄骨か木造か、天井ボード一枚のみか)で、突っ張りが効くかどうかが変わります。天井が弱いと、突っ張った力で天井側が傷みます。これは建物の構造次第で、外から見ても分かりません。

将来的に持ち家で造作する場合も、壁の下地の位置で配置の自由度が決まります。

持ち家での造作について相談する

工事が必要かどうかの切り分けから相談できます。相談は無料です。お見積りは施工会社が現地を見たうえで作成します。

くらすけ

くらすけ

「穴を開けない」だけじゃ足りない。メーカーが猫を想定してるか、耐荷重に余裕があるか、管理会社に伝えたか。この3つだね。

あわせて読みたい

参考文献・出典

(すべて2026-08-23確認。編集部がメーカー・公的機関の公表情報を直接確認したもの。個人の作例ブログは根拠にしていない)

  1. 平安伸銅工業「キャットタワー作成の注意点」(LABRICO公式FAQ) https://ec.heianshindo.co.jp/blogs/faq/faq-cs-257
  2. 若井産業「ディアウォール 商品紹介」(棚受け耐荷重 1×4・2×4材用5kg/1×6・2×6材用7kg・いずれも2個使用時) https://www.wakaisangyo.co.jp/diawall/products/
  3. 国土交通省住宅局「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」平成23年8月 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf
  4. DAIKEN「猫のためのキャットウォーク・キャットステップの設計」(段の間隔12〜28cm・棚板幅15cm以上/すれ違いは25cm以上) https://www.daiken.jp/buildingmaterials/door/pet/
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この記事を書いた人

メーカーの仕様書やFAQを複数社ぶん並べて、書いてあることの違いを確かめてから記事にしています。「ペット用」と書いてあっても、中身は各社でけっこう違います。工事が要らないなら要らないと書きますし、間違えたら訂正を出して残します。

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