「キャットウォークを付けたい」と施工会社に相談すると、返ってくる見積の金額に幅があって驚きます。5万円のところもあれば、30万円になることもある。同じ「キャットウォーク」なのに、なぜここまで違うのか。
答えは棚板の枚数ではありません。壁の中に何をするかです。この記事では、造作キャットウォークの費用を内訳から分解し、間取りごとのプラン例と、設計を誤ると使ってもらえなくなる寸法の基準を整理します。
くらすけ
ぼく、くらすけです。犬なので壁は登りません。でも見積の読み方は犬でも知っておいて損はないな、と思いました。
費用の目安|まず相場の幅を押さえる
公開されている相場情報では、次のようになっています。
| 内容 | 費用の目安 | 条件・出典 |
|---|---|---|
| キャットウォークの設置 | 約5万〜10万円 | 複数の部屋にまたがる大規模な設置では20万円以上になる場合もある[1] |
| キャットステップの造作 | 約10万〜30万円 | 棚板6〜7枚の場合[2] |
5万円と30万円の差は、棚板の枚数だけでは説明できません。内訳を見ると理由が分かります。
費用の内訳|金額を決めているのは「壁の中」です
造作キャットウォークの見積は、大きく3つに分かれます。
① 棚板と金具(材料費)
棚板そのものと、壁に留めるための金具です。ここは全体の中で最も安い部分であることが多く、金額の差を生む主因ではありません。
② 下地補強(ここが金額を決める)
日本の住宅の壁の多くは石膏ボードで、そのままではネジが効きません。壁の中の柱(間柱)の位置に留められれば追加費用は抑えられますが、理想の配置にするには壁を開けて木下地を入れる工事が必要になります。
建材メーカーのDAIKENは、木壁への取り付けについて 厚さ12mm以上の合板、または厚さ15mm以上の木材 を使用するとしています[3]。この下地を新設するかどうかが、5万円と30万円を分けます。
③ クロスの補修(見落とされやすい)
壁を開ければ、閉じたあとにクロスを貼り直す必要があります。部分的に貼り替えると色や柄の差が出るため、壁一面まとめて貼り替えになることがあります。見積書にこの項目があるか、必ず確認してください。
くらすけ
「棚を付けるだけ」だと思っていたら、壁紙まで話が広がる。リフォームあるあるだそうです。
つまり見積を比べるときは、棚板の枚数ではなく「下地補強の範囲」と「クロス補修の範囲」を揃えて比べてください。
わが家の壁で何が必要になるか相談する
工事が必要かどうかの切り分けから相談できます。相談は無料です。お見積りは施工会社が現地を見たうえで作成します。
間取り別のプラン例
プランA|リビングの壁面(最も一般的)
テレビ横やソファ上の壁面に、階段状にステップを配置する形です。家族の目が届く場所なので、猫が使っている様子を見られます。
- 向いている家: 壁が一面まとまって空いている/猫が家族と同じ空間で過ごすことが多い
- 注意点: 家具の上を通る配置にすると、着地点に物が置かれた状態になりがちです。降りる先に何を置くかまで設計に含めてください
プランB|吹き抜け・高天井を使う
高低差を大きく取れるため、上下運動の量を確保しやすい形です。
- 向いている家: 吹き抜けがある/天井が高い
- 注意点: 高くなるほど、降りるための中継地点が重要になります。DAIKENは、猫は高い場所を好む一方で「高いところから下へ降りてくることは苦手」としています[3]。登れる=降りられる、ではありません
- 掃除やメンテナンスに手が届くかも、設置前に確認してください
プランC|廊下・回遊動線型
廊下や部屋をまたいでつなぎ、猫が家の中を一周できるようにする形です。多頭飼いで 猫どうしの距離を取りたい場合に選ばれます。
- 向いている家: 多頭飼い/来客時に猫の逃げ場を作りたい
- 注意点: 行き止まりを作らないこと。DAIKENは、猫は「後ろ向きに歩くことが苦手」で「方向転換も得意ではない」ため、複数の出入口が必要としています[3]。すれ違いが起きる場合は棚板の幅を広げる必要があります
- この形は範囲が広くなるため、費用も20万円以上になりやすい区分です[1]
使ってもらえる寸法の基準
せっかく造作しても猫が使わなければ意味がありません。DAIKENが示している数値は次のとおりです[3]。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| ステップ同士の間隔 | 12〜28cm。「高すぎず低すぎず、猫にとって登りやすい段差」とされています[3] |
| 棚板の幅 | 最低15cm以上。猫どうしがすれ違うなら 25cm以上[3] |
| 下地(木壁の場合) | 厚さ12mm以上の合板、または厚さ15mm以上の木材[3] |
また同社は、猫は「1.5m程度の高さなら平気で飛び降りてしまう」とも記しています[3]。高い位置に設置するほど、着地する床に何があるかが問題になります。硬いものや不安定なものを置かないでください。
この記事は住まい・リフォームの情報をまとめたものであり、獣医療上の助言ではありません。記事中の猫の習性に関する記述は出典元の記載を引用したものです。ペットの体調や行動で気になることがある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
造作・既製品・DIY|どれを選ぶか
| 造作(業者) | 既製ユニット | DIY | |
|---|---|---|---|
| 費用 | 約5万〜30万円[1][2] | 製品による | 材料費が中心 |
| 配置の自由度 | 高い(下地から作れる) | 製品の寸法に依存 | 間柱の位置に制約される |
| 強度 | 下地補強を含めて施工できる | 取り付け方法による | 下地を探せるかに依存 |
| 賃貸 | 不可 | 突っ張り式なら可能な場合あり | 突っ張り式なら可能な場合あり |
造作を選ぶ理由は「配置の自由度」と「下地から作れること」の2点です。逆に言えば、既存の間柱の位置で希望の配置が実現できるなら、造作にする必要はありません。
DIYとの比較や、賃貸での突っ張り式の注意点は[キャットウォークDIYと業者依頼を比較|費用・強度・安全性で決める](https://pet-kurashi.net/2026/08/20/catwalk-diy-vs-pro/)で詳しく扱っています。
施工の流れと工期
- 現地調査 — 壁の構造、下地の位置、天井高、コンセントや照明の位置を確認
- プラン作成・見積 — 配置図で段の間隔と高さを確認する。紙の上で12〜28cmになっているかを見てください[3]
- 下地工事 — 壁を開けて木下地を入れる(必要な場合)
- 棚板の取り付け
- クロス補修
範囲にもよりますが、下地工事を伴う場合は数日かかります。工事中は職人の出入りで玄関が開くため、脱走への注意が必要です。預け先や部屋の分け方を、日程が決まった時点で施工会社と相談してください。
よくある質問
Q. キャットウォークを壁につける方法はありますか?
壁の中の間柱に直接留めるか、壁を開けて木下地を入れて留めるかのどちらかです。石膏ボードにそのままネジを打つことはできません。木壁の場合、DAIKENは厚さ12mm以上の合板または15mm以上の木材を使うとしています[3]。
Q. キャットウォークの施工費用はいくらですか?
設置で約5万〜10万円、複数の部屋にまたがる大規模な設置では20万円以上になる場合もあります[1]。キャットステップの造作(6〜7枚)では約10万〜30万円という目安もあります[2]。金額の差は主に下地補強とクロス補修の範囲によります。
Q. キャットウォークの失敗例にはどんなものがありますか?
設計面では、①段の間隔を広く取りすぎる、②棚板が細すぎる、③降りる導線がない、④出入口が1か所しかなく行き止まりになる、の4つが代表的です。いずれも上記の寸法基準と猫の習性[3]を踏まえれば避けられます。
Q. キャットウォークのデメリットは?
一度造作すると簡単には動かせないこと、掃除に手が届きにくい高さになりがちなこと、クロス補修まで含めると費用がふくらむことです。設置前に「掃除できるか」を必ず確認してください。
Q. キャットウォークに適した木材は?
樹種そのものより、厚みと下地への留め方が強度を決めます。DAIKENは木壁への取り付けについて厚さ12mm以上の合板または15mm以上の木材としています[3]。製品の棚板を使う場合は、その製品の指定耐荷重に従ってください。
Q. 高齢の猫でも使えますか?
段の間隔と高さの設計次第です。猫は降りるのが苦手とされているため[3]、加齢で跳躍が難しくなることを想定するなら、間隔を詰める・低い位置から始める・中継地点を増やすといった配慮が要ります。体の状態については、かかりつけの獣医師にご相談ください。
まとめ|見積は「棚板の枚数」ではなく「壁の中」で比べる
- 相場は設置で約5万〜10万円、大規模なら20万円以上[1]、キャットステップ造作(6〜7枚)で約10万〜30万円[2]
- 金額を決めているのは下地補強とクロス補修の範囲。見積を比べるときはここを揃える
- 使ってもらえる寸法は 段の間隔12〜28cm/棚板の幅15cm以上(すれ違うなら25cm以上)[3]
- 登れることより、降りられること・行き止まりを作らないこと[3]
- 造作を選ぶ理由は「配置の自由度」と「下地から作れること」。既存の間柱で足りるなら造作は不要
壁の中がどうなっているかは、外からは分かりません。どこまでの工事が必要になるかは、現地を見れば判断できます。
キャットウォークの造作を相談する
工事が必要かどうかの切り分けから相談できます。相談は無料です。お見積りは施工会社が現地を見たうえで作成します。
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参考文献・出典
(すべて2026-08-20確認)
- ハピすむ「猫と暮らす家のリフォーム」 https://hapisumu.jp/category/room-reform/14337/
- SUUMOリフォーム「ペットを目的としたリフォーム費用・価格相場情報」 https://suumo.jp/remodel/soba/rm_pets/
- DAIKEN「猫のためのキャットウォーク・キャットステップの設計」 https://www.daiken.jp/buildingmaterials/pet/columnbaw/002/

