犬の庭の柵は何cm?高さの決め方と、下からの脱走対策

犬の庭の柵は何cm?高さの決め方と、下からの脱走対策
  • URLをコピーしました!

「犬 庭 柵」を調べている人が、実際に打ち込んでいる質問は1つでした。

犬が飛び越えられる庭柵の高さは?

編集部が2026年9月10日に実測したところ、この主軸キーワードで返ってきた質問はこれだけです(相対需要100)[7]。つまり、庭に柵を立てようとしている人が知りたいのは、ほぼ「何cmにすればいいか」に集約されます。

そこで、答えが書いてありそうな場所から順に当たりました。都道府県の条例、国のガイドライン、エクステリアメーカー2社の公表資料。

結果を先に言うと、cmで答えていた資料は1つもありませんでした。そのかわり、別のところに数値が出ていました。

くらすけ

くらすけ

高さを聞いてるのに、高さだけ書いてないんでつか?

そうなんです。そして、その「書いていない理由」が分かると、自分の家の柵を何cmにすればいいかも決められるようになります。

目次

先に結論

#判断根拠
1柵の高さを数値で定めた決まりは、確認した範囲では無かった条例が求めているのは「逃げるおそれがない」構造で、cmではない[1][2]
2柵で囲うことは、条例上「鎖でつなぐこと」と同じ扱い茨城県条例は「けい留」を「さく,おりその他の囲いの中で飼養し,又は鎖等でつないでおくこと」と定義[1]
3県によっては、柵では足りない犬がいる茨城県の特定犬(体高60cm以上かつ体長70cm以上ほか)は「おりの中で飼養すること」[1][3]
4メーカーが数値を出しているのは高さではなく「すき間」下桟すき間15mm/ルーバー引戸の障子すき間26mm[5][6]
5門扉は「下」と「開き方」の両方を見る2社で着目点が違った。片方だけだともう片方が残る[4][5]

この記事では「○cm以上にしてください」とは書きません。書ける根拠が見つからなかったからです。そのかわり、根拠のある決め方を書きます。

条例は「柵」をどう扱っているのか

まず、法律・条例の側から見ました。

柵は「つなぐ」ことと同じ位置づけだった

茨城県動物の愛護及び管理に関する条例(昭和54年茨城県条例第8号)の第2条第6号(用語の定義)は、「けい留」をこう定義しています[1]。

けい留 飼い犬を逃げるおそれがなく,かつ,人に危害を加えることのないように,さく,おりその他の囲いの中で飼養し,又は鎖等でつないでおくことをいう。

そして第5条第1号(飼い犬の所有者の遵守事項)が「飼い犬をけい留しておくこと」を義務としています[1]。

同じことを東京都も書いていました。東京都動物の愛護及び管理に関する条例の第九条第一号(犬の飼い主の遵守事項)です[2]。

犬を逸走させないため、犬をさく、おりその他囲いの中で、又は人の生命若しくは身体に危害を加えるおそれのない場所において固定した物に綱若しくは鎖で確実につないで、飼養又は保管をすること。

2県とも、「さく」と「鎖でつなぐ」を、選べる並列の手段として書いています。

これは実務的に大きい話です。庭をきちんと囲えば、条例が求める「けい留」を満たせるという書き方になっているからです。逆に言えば、囲いが「逃げるおそれがある」状態なら、庭にいてもけい留していないことになります。

なお茨城県条例には、けい留していない飼い犬を職員が捕獲・抑留できるという条文(第12条)まで置かれています[1]。

そして2県とも、寸法を1つも書いていない

編集部が両方の条文を通しで確認した範囲では、柵の高さも、格子の間隔も、数値は出てきませんでした。

確認した文書「高さ」「体高」
茨城県動物の愛護及び管理に関する条例施行規則0回1回(特定犬の判定基準としてのみ
東京都動物の愛護及び管理に関する条例0回

(編集部が2026年9月10日に条文全文を取得して数えたものです)

条例が使っているのは「逃げるおそれがなく」「逸走させないため」という書き方です。寸法ではなく、結果で書かれています。

これは、柵の高さを決めるときの考え方をそのまま示しています。「何cmなら合格」という線は無く、うちの犬が越えられなければ足りている、というのが条文の立て方です。

くらすけ

くらすけ

つまり「うちの子が越えられるかどうか」でつね。

よその家の正解を持ってきても意味がないってことでつか。

そのとおりです。そして、越え方は上からだけではありません。

茨城県には、柵では足りない犬がいる

ここは、住んでいる場所で答えが変わる部分です。

先ほどの茨城県条例第2条第6号には、ただし書きが付いています[1]。

ただし,特定犬(規則で定めるものを除く。)については,おりの中で飼養することをいう。

特定犬には、さくでは足りません。「おり」でなければ、条例上のけい留を満たさないという書き方です。

その「特定犬」が誰かは、茨城県動物の愛護及び管理に関する条例施行規則の第3条が定めています[3]。

区分内容
犬種で決まるもの秋田犬、土佐犬、ジャーマン・シェパード、紀州犬、ドーベルマン、グレート・デーン、セント・バーナード、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
大きさで決まるもの体高60センチメートル以上,体長70センチメートル以上(第3条第2項)
知事が指定するもの上記以外で、人に危害を加えるおそれがあると認められた犬

さらに、特定犬の所有者には標識の掲示義務もあります(条例第9条)[1]。

一方、東京都動物の愛護及び管理に関する条例には「特定犬」という語が1回も出てきません。「体高」も0回です(編集部が条文全文で確認)[2]。この制度そのものが無いということになります。

⚠️ 今回確認したのは2県だけです。他の道府県で同じかどうかは確かめていません。大型犬を飼っていて庭を柵で囲おうとしている方は、お住まいの自治体の条例を先に確認してください。「柵で囲えば大丈夫」と考えていたのに、条例上は「おり」を求められる、という食い違いが起こりうる部分です。

数値が出ていたのは、高さではなく「すき間」だった

次に、実際に柵を売っているメーカー側を見ました。三協アルミとLIXILの公表資料です。

三協アルミ:下桟すき間15mm

形材フェンス「レジリア」には、「下桟すき間小タイプ」という区分があります。三協アルミの商品特長ページは、こう書いています[6]。

下桟すき間を15mmとすることで、外部からの足掛かりを乗り越えにくくし、外部からの視線、ペットの潜り抜け、ペットボトルなどのゴミの投棄を軽減します。

「ペットの潜り抜け」が、製品仕様の目的として名指しされています。

そして、ここが編集部が引っかかったところです。同じページには、こうも書かれています[6]。

下桟すき間カバー(オプション)をつける必要がない「下桟すき間小タイプ」

つまり、標準タイプにはすき間があり、小さくするには「小タイプ」を選ぶか「カバー」を追加する必要があるということです。

フェンスは、何もしなければ下が空いています。ブロックの上に載せるとき、そのブロックとフェンス本体の間にすき間が残る——そこを埋めるための仕様が、別に用意されているということになります。

三協アルミ:障子のすき間26mmなら小型犬も通れない

もう1つ、同社が数値を出している箇所があります。ガーデンルーム「ハピーナリラ」のルーバー引戸です[5]。

施錠したまま風を取り込むことができるルーバー引戸なら、障子のすき間が26mmと小さいため、小型犬でも通り抜けることができません。

26mmなら小型犬は通れない、というメーカー自身の記述です。すき間の話には、こうして数値が付いています。

LIXIL:「頭が通り抜けない格子幅」

LIXILのエクステリアサイトも、同じところを見ています。ただし数値ではなく、測り方で書いています[4]。

体の小さい小型犬の場合、縦格子のすき間から抜け出してしまうこともあります。すり抜けを回避するためには、ペットの頭の大きさを見て、頭が通り抜けない格子幅のフェンスを選ぶようにしましょう。

「うちの子の頭の幅を測ってから選べ」という指示です。先ほどの条例の立て方と、同じ考え方になっています。

形についても、2社は同じことを言っていた

メーカー形についての記述
LIXIL[4]横格子のフェンスは、犬が格子を足場にしてよじ登る恐れがあります。…フェンスは縦格子がおすすめです」
三協アルミ[5]足をかけてよじ登るのを防ぐたて格子タイプもおすすめです」

2社が独立に同じ結論を書いています。横格子は足場になる、という点です。

⚠️ ただし、両者が同じ業界の中にいることは差し引いて読む必要があります。「2社が言っているから正しい」ではなく、「よじ登られる経路がある」と2社とも認識している、と受け取るのが正確なところです。

そしてここが実務的に効きます。目隠しを兼ねたい家では横板・横ルーバーを選びがちですが、その形は足場になりうる、と両社が書いているわけです。目隠しと脱走防止を同時に取りたい場合は、たてルーバーのように両立する型を探すことになります(先ほどの三協アルミ「下桟すき間小タイプ」にも、TL2型=たてルーバーが含まれています)[6]。

同じ「門扉」で、2社が見ているところが違った

ここが、今回いちばん意外だった部分です。

LIXILと三協アルミは、どちらも門扉を脱走対策として挙げています。ところが、想定している脱走の仕方が違いました。

メーカー門扉について書いていること想定している脱走
LIXIL[4]門扉と地面のすき間が小さく設計されている「ペットガードタイプ」の車庫前門扉なら、門扉下からすり抜けにくいため、さらに脱走防止の効果が高まります」下からくぐる
三協アルミ[5]犬は扉を押して開けることがあるため、門扉は内開きや引戸タイプが安全です」押して開ける

矛盾ではありません。着目点が違うだけです。

そして、片方だけ対策すると、もう片方が残ります。

  • 門扉の下を塞いでも、外開きの扉なら犬が押して開ける
  • 内開きの扉にしても、下にすき間があればくぐられる

編集部の判断としては、門扉は「下のすき間」と「開く向き」を2つセットで確認する項目です。カタログで「ペット対応」と書かれていても、どちらの意味で対応なのかは商品によって違います。

⚠️ LIXILは「ペットガードタイプ」について、「※小型犬や犬種によっては対応できない場合もあります」と注記を付けています[4]。製品名に「ペット」が付いていても、全部の犬に効くとは書かれていません。

高さについて、資料が出した唯一の数値

「では高さの手がかりは何も無いのか」というと、1つだけありました。ただし、それは基準ではありません。

LIXILが引用しているのは、ギネス世界記録です[4]。

ギネス世界記録では、なんと191.7cmの高さをジャンプした犬もいる*そうです。

※ギネスワールドレコーズ公式サイト ギネス世界記録「Highest jump by a dog」より

191.7cm。一般的な住宅のフェンスで、この高さを想定しているものはまずありません。

もちろん、これは世界記録であって目安ではありません。LIXIL自身も「ここまで高くジャンプできる犬は少ないと思いますが」と続けています。

同社が実際に読者へ示している決め方は、数値ではありません。

犬種によってジャンプが得意な犬もいれば、そうでないタイプもいます。普段の犬の行動を見て、「これくらいなら大丈夫そう」という高さを確認しておきましょう。[4]

メーカーも「あなたの犬を見て決めてください」と書いているということです。三協アルミも同じで、「フェンスは犬種に合わせて十分な高さを確保し」という書き方でした[5]。

足りないときの手は用意されている

「あとから足りないと分かったらどうするのか」については、両社とも具体策を書いています。

  • LIXIL: 「フェンスを2段・3段と組み合わせられる「多段柱」を使うことで、脱走しにくい高さを設定することもできます」[4]
  • 三協アルミの施工例では、ドッグカフェ&ドッグランの事例として「高さ120cmのフェンス」が紹介されています[5]

⚠️ この120cmは、店舗の施工例に書かれた実績値であって、家庭用の推奨値ではありません。そのまま自宅の基準として使わないでください。

編集部としては、「多段柱で後から足せる型かどうか」を、最初の見積もりの段階で確認しておくことをおすすめします。高さは、実際に犬を庭に出してみるまで分からない部分があるためです。

下から出る犬に、2社は逆向きの答えを出していた

穴を掘って柵の下から出てしまう犬について、2社の答えが正反対でした。ここも面白かったところです。

メーカー穴掘りへの答え発想
LIXIL[4]「ダックスフンドやボーダーコリーなど穴掘りが好きな犬種は、フェンスの下に穴を掘って脱走する可能性もあります。そのような場合は、フェンス下の地中の基礎部分にブロックで壁をつくる方法もあるので、施工会社の方に相談してみましょう」物理で止める
三協アルミ[5]庭に穴掘り専用の場所を作り、ストレス発散と遊び場を提供しましょう。フェンスや門扉下部のすき間、基礎部分からの脱走にも要注意です」掘る場所をそらす

どちらが正しい、という話ではないと編集部は考えます。

  • 止める側は工事が要ります。地中に手を入れるので、あとから追加するより最初に入れたほうが安い部類の工事です
  • そらす側は工事が要りません。ただし、掘る場所を用意したからといって、柵の下を掘らなくなる保証はどこにも書かれていません

三協アルミが「専用の場所を作りましょう」と書いた直後に「基礎部分からの脱走にも要注意です」と続けているのは、そこを踏まえた書き方に読めます。

今回確認した資料だけでは、どちらがどれだけ効くのかまでは判断できませんでした。編集部としては、掘る習性がすでに出ている犬なら地中側の工事を先に検討し、まだ出ていないなら掘る場所の用意から試す、という順番が現実的だと考えます。

国が「脱走」で名指ししているのは、柵ではなかった

最後に、環境省の資料も確認しました。「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(平成22年2月)です[8]。

まず、規模感が書かれていました。

1年間に全国で6万頭以上の犬が路上を徘徊していたり、迷い込んできたりして保護(抑留)されています。[8]

そして、その原因についての記述です。

犬が迷子になる原因のほとんどは、飼い主の不注意やアクシデントです。[8]

では、何に注意しろと書いてあるのか。該当箇所はここでした。

屋内や庭で飼っている犬や猫がドアや門の隙間などから脱走しないように、戸締りにも注意しましょう。[8]

「柵の高さ」ではありません。「ドアや門の隙間」と「戸締り」です。

編集部が同ガイドラインの全文(24ページ)を取得して数えたところ、「柵」0回、「囲い」0回、「逸走」0回でした。国が住宅地の飼い主向けに書いた文書で、柵は主題になっていないということになります。

これは、先ほどのメーカー2社の門扉の話と重なります。

高さを上げることに意識が向きがちですが、資料をまたいで共通して名指しされているのは「開口部」のほうでした。門扉、その下のすき間、そして開いたままにしないこと。柵をいくら高くしても、門が開いていれば意味がありません。

なお、庭で犬を遊ばせること自体については、同ガイドラインが「犬の放し飼いは原則禁止されています」と書いています(動物愛護管理法や都道府県などの条例に基づく)[8]。囲われた自分の敷地の中と、外とは扱いが違います。このあたりは、庭をドッグランとして使う場合の記事で詳しく扱っています。

→ [庭のドッグランで後悔しないために|広さ・地面・柵の高さ](https://pet-kurashi.net/2026/09/07/garden-dog-run/)

猫の場合は、柵では解決しない

「犬用に柵を立てるついでに猫も」と考える方がいるかもしれません。そこはメーカーがはっきり書いています。

小さな体でも2mほどジャンプできる猫の場合、フェンスを設置しても軽く飛び越えてしまうため、気軽に外に出すことはできません。[4]

LIXILの提案は、フェンスを高くすることではなく、ガーデンルーム(囲われた部屋)でした[4][5]。囲う方向を、横ではなく上まで変えるという考え方です。

猫の脱走防止については、玄関・窓・網戸のそれぞれで対策が変わります。詳しくはこちらで扱っています。

→ [猫の玄関脱走を防ぐリフォーム|二重扉・ゲートの選び方と費用](https://pet-kurashi.net/2026/08/19/cat-escape-prevention-entrance/)

→ [猫の窓・ベランダからの脱走と転落を防ぐ|「うちは低層階だから」が危ない理由](https://pet-kurashi.net/2026/08/21/cat-window-escape-prevention/)

費用はいくら?

⚠️ この記事では金額を書きません。

編集部が今回確認したメーカー2社の公表ページには、フェンス本体・門扉の価格が掲載されていませんでした。カタログ価格が分かっても、庭の柵の費用は本体価格だけでは決まりません。

費用を左右するのは、主に次の要素です(今回確認した資料の記述から編集部が整理したものです)。

要素なぜ効くか
囲う長さ敷地の形で変わる。同じ面積でも細長い庭は長くなる
下地に何があるかブロックの上に載せるのか、地面に独立基礎を打つのかで工事が変わる[6]
下桟すき間の処理「小タイプ」を選ぶか、カバー(オプション)を足すかで金額が変わる[6]
多段柱にするか2段・3段にすると本体も柱も増える[4]
門扉・ゲート本体と別。開き方(内開き・引戸・スライド)で商品が変わる[4][5]
地中の処理穴掘り対策のブロック壁を入れるなら掘削が加わる[4]

このうち「下地に何があるか」と「地中の処理」は、写真だけでは分かりません。既存のブロック塀の状態、地面の硬さ、境界の位置によって工事の中身が変わります。

記事だけでは判断できないこと

この記事で決められるのは「何を確認すればいいか」までです。

実際に何cmの柵を選ぶかは、次の3つが分からないと決まりません。

  1. 犬が助走できる距離(庭の形。壁際まで2mしかない庭と、10m走れる庭では違います)
  2. 足場になるものが柵のそばにあるか(エアコンの室外機、物置、植栽、ブロック塀の段)
  3. 既存の境界がどうなっているか(ブロック塀の上に載せられるか、隣地との取り合いはどうか)

ペットのくらしの無料相談では、庭の写真を見ながら、この3つの確認からご一緒できます。「工事が必要なのか、置くタイプの柵で足りるのか」の切り分けからで大丈夫です。見積もりは、施工会社が現地を見たうえで作ります。

→ [無料相談はこちら](https://pet-kurashi.net/soudan/)

よくある質問

⚠️ 編集部が2026年9月10日に実測した質問は1件だけでした(「犬が飛び越えられる庭柵の高さは?」相対需要100)[7]。以下のうち1つ目がその実測分で、残りは記事を書く過程で編集部が答えを持てたものです。実測していないものを実測のように見せないため、区別して書きます。

犬が飛び越えられる庭柵の高さは?(実測1位・相対需要100)

今回確認した範囲では、この質問に数値で答えている公的資料もメーカー資料もありませんでした。

条例は「逃げるおそれがなく」という結果で書いており[1][2]、メーカー2社も「普段の犬の行動を見て」[4]「犬種に合わせて十分な高さを」[5]という書き方です。資料に出てきた唯一の数値はギネス世界記録の191.7cmで、これは基準ではありません[4]。

編集部としては、①いま家にある柵やゲートを実際に越えられるか、②庭のどこまで助走できるか、の2つを見てから決めることをおすすめします。

置くだけの柵でも大丈夫ですか?

「大丈夫」と書ける根拠を、今回は見つけられませんでした。条例が求めているのは「逃げるおそれがない」ことです[1]。動かせる柵は、押されたときにどうなるかが製品によって違います。メーカーの記載を確認してください。

なお三協アルミは、門扉について「犬は扉を押して開けることがある」と明記しています[5]。押す力が想定されているということです。

ブロック塀の上にフェンスを載せれば高さは足りますか?

高さは足りても、ブロックとフェンス本体のすき間が残ります。三協アルミが「下桟すき間カバー(オプション)」や「下桟すき間小タイプ(15mm)」を用意しているのは、まさにこの部分です[6]。上に足すときは、継ぎ目の下を必ず見てください。

小型犬なら格子のすき間は気にしなくていい?

逆です。LIXILは「体の小さい小型犬の場合、縦格子のすき間から抜け出してしまうこともあります」と書いています[4]。三協アルミが「小型犬でも通り抜けることができません」と書いているのは26mmのすき間です[5]。小型犬ほど、すき間の確認が要ります。

DIYでもできますか?

サジェストでも「犬 庭 柵 diy」(月50)「犬 庭 柵 手作り」(月10)が出ています[7]。ただし、今回確認した資料はいずれも製品と施工を前提に書かれており、DIYの可否について書いた記述はありませんでした。

編集部として言えるのは、判断が分かれるのは「柵そのもの」より「基礎」だということです。風で倒れない支柱の固定と、地中の処理は、あとから直すと手間も費用もかさみやすい部分です。置くタイプで様子を見て、固定が要ると分かってから工事する、という順番も選べます。

編集部の結論

「犬の庭の柵は何cmか」という問いに、確認した資料は誰も数値で答えていませんでした。そして、それには理由がありました。

条例が求めているのは「逃げるおそれがないこと」で、寸法ではない[1][2]。だから、うちの犬が越えられなければ足りているし、越えるなら足りていない。それが答えの形でした。

そのかわり、数値が出ていたのは全部「下」と「すき間」のほうでした。

  • 下桟すき間 15mm(ペットの潜り抜けを軽減)[6]
  • ルーバー引戸の障子すき間 26mm(小型犬でも通り抜けられない)[5]

そして、資料をまたいで共通して名指しされていたのは、柵ではなく開口部でした。環境省は「ドアや門の隙間」と「戸締り」[8]、メーカー2社は門扉の下と開き方[4][5]。

編集部としての順番は、こうなります。

  1. 門扉から見る(下のすき間と、開く向きの両方)
  2. 柵の下を見る(ブロックとの継ぎ目、地中、掘る犬かどうか)
  3. 格子のすき間を見る(うちの子の頭の幅で測る)
  4. 最後に高さを決める(多段柱で後から足せる型を選んでおく)

高さは、いちばん目につきますが、いちばん後回しでいい項目でした。

くらすけ

くらすけ

上ばっかり気にしてたでつ。

でも出ていくときって、たいてい下か、開いてる門でつもんね。

⚠️ 今回確認したのは、2県の条例と、メーカー2社の公表資料と、環境省のガイドライン1本です。他の自治体、他のメーカーで違う記述がある可能性は残ります。とくに大型犬をお飼いの方は、お住まいの自治体の条例を必ずご確認ください。

参考文献・出典

[1]茨城県「茨城県動物の愛護及び管理に関する条例」(昭和54年茨城県条例第8号)第2条第6号(用語の定義・「けい留」)、第5条第1号(飼い犬の所有者の遵守事項)、第9条(標識)、第12条(飼い犬の抑留等)

https://www.pref.ibaraki.jp/somu/somu/hosei/cont/reiki_int/reiki_honbun/o400RG00000623.html (確認日: 2026年9月10日)

[2]東京都「東京都動物の愛護及び管理に関する条例」第九条第一号(犬の飼い主の遵守事項・「犬を逸走させないため、犬をさく、おりその他囲いの中で…」)

https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00003637.html (確認日: 2026年9月10日)

[3]茨城県「茨城県動物の愛護及び管理に関する条例施行規則」(昭和54年5月31日規則第27号)第3条(特定犬・犬種8種および「体高は60センチメートル以上,体長は70センチメートル以上」)

https://www.pref.ibaraki.jp/somu/somu/hosei/cont/reiki_int/reiki_honbun/o400RG00000624.html (確認日: 2026年9月10日)

[4]株式会社LIXIL「愛犬・愛猫の屋外への脱走防止対策には フェンスや門扉を有効活用しよう」(エクシオール「100のいいコト+PLUS」第64回・「飛び越えられない高さを確認」「すり抜けにくい形を選ぼう」「すり抜け防止には『ペットガードタイプ』」の各節)

https://exterior100.lixil.co.jp/articles/64/ (確認日: 2026年9月10日)

[5]三協アルミ(三協立山株式会社)「ペットによりそう暮らし」(「飛び出しや逃走を防いで、お庭を安全な遊び場に」「ガーデンルーム ハピーナリラ」の各節)

https://alumi.st-grp.co.jp/products/pet/ (確認日: 2026年9月10日)

[6]三協アルミ(三協立山株式会社)「形材フェンス レジリア 商品特長(タイプ)」(「―下桟すき間小タイプ―」の節・下桟すき間15mm)

https://alumi.st-grp.co.jp/products/gate/fence_alumi/reziria/detail1.html (確認日: 2026年9月10日)

[7]ラッコキーワード「犬 庭 柵」サジェストキーワード(17件)/よくある質問検索(1件)。編集部が2026年9月10日に実測。ログは `docs/research-notes/2026-09-10-rakko-keyword-F-13.md`

[8]環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(平成22年2月・全24ページ)「4. 適正飼養、終生飼養の徹底」の「① 放し飼いをしない」「② 迷子にしないために」

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2202.pdf (確認日: 2026年9月10日)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

メーカーの仕様書やFAQを複数社ぶん並べて、書いてあることの違いを確かめてから記事にしています。「ペット用」と書いてあっても、中身は各社でけっこう違います。工事が要らないなら要らないと書きますし、間違えたら訂正を出して残します。

目次