「ペット用」クッションフロアは普通の床と何が違う?3社のカタログを並べて確かめました

「ペット用」クッションフロアは普通の床と何が違う?3社のカタログを並べて確かめました
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ホームセンターやネット通販で「ペット用クッションフロア」を見かけます。普通のクッションフロアより少し高い。商品ページには「ペットに優しい」「滑りにくい」と書いてあります。

編集部でも気になったのは、その「ペット用」が、どこまで普通の製品と違うのかでした。商品ページの説明文だけでは、正直なところ差がよく分かりません。

そこで、サンゲツ・リリカラ・東リの3社について、販売店の紹介ページではなくメーカー自身が出している製品情報を並べて比べてみました。その結果、数字ではっきり違う部分と、思っていたのとは意味が違った部分が出てきました。

くらすけ

くらすけ

「ペット用」って書いてあるけど、普通の床と何が違うんだろう?

目次

結局、普通のクッションフロアと何が違う?

まず3社の仕様を並べます。すべてメーカーの公表情報です。

サンゲツ わんにゃん消臭フロア[1]リリカラ ペット住まいるフロア[2]東リ CFシート-P NW[3]
総厚2.3mm2.3mm2.3mm
182cm182cm1820mm
消臭あり(5つのニオイ成分に効果)あり(表面に消臭成分を配合。植物由来)あり
表面エンボス加工・繊維系素材表面強度が強い高耐久UV樹脂コーティング
その他ハードタイプ(2.8mm)を別途展開クッション性・衝撃吸収性抗菌/防カビ/抗ウイルス(SIAA認定)/ワックス不要
規格の記載JIS A 5705 ビニル系床材 床シート
材料単価非公表非公表4,150円/㎡(税抜)

一般的な住宅用クッションフロアは1.8mm厚が標準的とされており[2]、ペット向けはいずれも2.3mmでした。

3社が揃って2.3mmだったのは、並べてみるまで分かりませんでした。メーカーごとにばらつくと思っていたのですが、ペット向けクッションフロアの事実上の標準になっているようです。

なお厚みは、クッション性や衝撃吸収に関係する数値です。へこみにくさが厚みだけで決まるわけではありません。表面層の硬さ、発泡層の構造、材料、かかる荷重によっても変わります。

ペット用なら本当に滑りにくい?

今回いちばん意外だったのが、ここです。

編集部は当初、「ペット用=普通のクッションフロアより滑りにくい製品」だと考えていました。ところが各社の説明を読み比べると、比較の対象がメーカーごとに違っていました。

リリカラは公式FAQで、こう書いています[2]。

一般的なフローリングと比較して表面が滑りにくくなっています

比較の相手はフローリングであって、一般的なクッションフロアではありません。

サンゲツは防滑について、「凹凸感のあるエンボス(浮き彫り加工)を施したり、繊維系の素材を使用することで滑りにくく」と説明していますが[1]、何と比べてどれだけ滑りにくいのか、試験方法や数値は今回確認した範囲では見当たりませんでした。東リも「ペットが滑りにくいように配慮」という記述にとどまります[3]。

つまり、今回確認した資料の範囲では、「ペット用クッションフロアは一般のクッションフロアより滑りにくい」とは書かれていませんでした。書かれていたのは、フローリングとの比較か、加工の説明です。

これは編集部としても認識を改めた点でした。すでにクッションフロアを敷いている家が、滑りだけを理由にペット用へ張り替えても、期待した差が出ない可能性があります。

背景として、床材の滑りを測る公的な規格(JIS A 1454のC.S.R値)は人間の靴底を用いて測るもので、犬の肉球を前提にした試験ではありません。この点は[ペット向けフロアコーティングの選び方](https://pet-kurashi.net/2026/08/20/pet-floor-coating/)で詳しく扱っています

くらすけ

くらすけ

つまり「ペット用」って名前だけじゃなくて、何と比べて滑りにくいのかまで見ないといけないんだね。

爪の傷には強い?

ここも各社で説明の仕方が分かれました。

  • リリカラ: 「フローリングや住宅用クッションフロアに比べて表面強度が強いので、ペットが爪で引っかいても床に傷がつきにくくなっています」[2] — 一般のクッションフロアとの比較を明記
  • 東リ: 「高耐久UV樹脂コーティング」と表記[3]
  • サンゲツ: 標準の「わんにゃん消臭フロア」には耐傷性の記載がなく、表面層を厚く硬くした【ハード】(2.8mm)を別ラインで用意[1]

サンゲツが耐傷性を別ラインで分けているという事実は、「ペット用」と書かれた製品なら一律に傷に強いわけではないことを示しています。同じ「ペット用」でも、消臭に重きを置いた製品と、耐傷性まで担保した製品があります。

選ぶときは、その製品が何に対応した「ペット用」なのかを確認してください。

ペットと暮らす家で使うメリット

1. 粗相や水こぼしを拭き取りで処理できる

塩ビ系のシート床材なので、表面は水に強くできています。ただし床全体が防水になるわけではありません。シートの継ぎ目や壁際の端部から水分が入り込む可能性はあります。トイレ周りなど水がかかりやすい場所では、施工時に継ぎ目の処理をどうするか確認しておくと安心です。

2. 床材の中では費用を抑えやすい

後述しますが、材料単価で見ても他の床材より安い部類です。

3. 衝撃と音をやわらげる

クッション性があるぶん、硬い床材より足音の響きが抑えられます。リリカラは「クッション性があり衝撃吸収性が高いので、万が一転んでも衝撃を和らげます」としています[2]。

4. 部分的な施工がしやすい

トイレ周りや廊下だけ、といった範囲を区切った施工がしやすい床材です。

買う前に知っておきたい4つのデメリット

1. 爪の傷は製品によって差がある

前述のとおり、「ペット用」でも耐傷性の担保はまちまちです。大型犬など爪の力が強い場合は、耐傷性を明記した製品か、別の床材を検討したほうがよさそうです。

2. 家具の脚跡がへこみとして残る

クッション性があるということは、へこむということでもあります。重い家具の下にはフェルトや当て板を敷いてください。一度付いたへこみは基本的に戻りません。

3. 熱への対応は製品ごとに異なる

ホットカーペットや電気カーペットとの併用可否は、製品によって違います。床暖房対応をうたう製品もありますが標準品とは別仕様です。必ずメーカーの取扱説明を確認してください。

4. 見え方は現物で確認したほうがいい

木目はプリントなので、光の当たり方や見る角度で質感の差が出ます。広い面積に施工する場合は、施工会社にサンプルを取り寄せてもらい、実際の部屋の光で確認することをおすすめします。

結局どんな家庭に向いている?

今回の比較を踏まえた、編集部の考えです。

向いていると考える家庭

  • 子犬・子猫期で粗相が多い — 拭き取りやすさが最も効く場面です
  • 猫のトイレ周りを重点的に守りたい — 部分施工がしやすい
  • 予算を抑えて、まず対策を始めたい
  • 床の傷より汚れが悩みの中心

別の床材も比べたほうがよいと考える家庭

  • 大型犬で爪の力が強い — 耐傷性を明記した製品か、フロアタイル等も検討を
  • すでにクッションフロアを敷いていて、滑りだけが悩み — 前述のとおり、ペット用へ張り替えても期待した差が出ない可能性があります
  • 重い家具を頻繁に動かす
  • 10年以上張り替えずに使いたい

判断の軸はシンプルで、悩みの中心が「汚れ」ならクッションフロア、「傷」なら他の床材も比較対象に入れる、と考えるとよさそうです。床材ごとの横断比較は[ペット対応床材7種を比較](https://pet-kurashi.net/2026/08/19/pet-flooring-comparison/)にまとめています

費用はいくら?

今回調べた中で、材料単価を公表していたのは東リだけでした。CFシート-P NWは 4,150円/㎡(税抜)[3]。仮に25㎡なら、材料だけで約10万円(税抜)という計算になります。

一方、工事としての目安はこうです。

項目目安条件・出典
ペット対応クッションフロアへの張り替え30万円〜施工範囲25㎡〜。工期1〜2日[4]
(参考)ペット対応フローリングへの張り替え90万円〜施工範囲25㎡〜[4]
(参考)同上約60万〜80万円15畳・約25㎡[5]

「30万円〜」の中身を分解すると、材料が約10万円(東リの単価×25㎡で試算)、残りが施工費・既存床の撤去処分費・下地処理ということになります。つまり材料より工事のほうが金額の比重が大きいということです。

なおこの金額は、床材のグレード・既存床の状態・下地の傷み具合・施工面積によって変わります。一例であって、どの家にも当てはまる相場ではありません。

よくある質問

Q. ペット可のクッションフロアはありますか?

あります。サンゲツ「わんにゃん消臭フロア」、リリカラ「ペット住まいるフロア」、東リ「CFシート-P NW」など、各社がペット向けのラインを持っています。いずれも今回確認した製品は2.3mm厚でした[1][2][3]。

Q. ペット用の滑らないクッションフロアはありますか?

「滑りにくくする加工をした」製品はあります。ただし今回確認した資料では、一般のクッションフロアとの比較で滑りにくいと明記しているものは見当たりませんでした。リリカラは比較対象を「一般的なフローリング」と明記しています[2]。数値での製品間比較もできないため、サンプルを取り寄せて確認するのが確実です。

Q. クッションフロアとペット用クッションフロアの違いは何ですか?

今回確認した3製品では、厚み(一般1.8mm→ペット用2.3mm)・消臭機能・表面のつくりが主な違いでした[1][2][3]。ただし耐傷性の担保は製品によって差があります。

Q. ペット用クッションフロアは何ミリですか?

今回確認した3社はいずれも2.3mmでした。サンゲツは耐傷性を高めた【ハード】として2.8mmも展開しています[1]。

Q. カーペットの上にクッションフロアを貼ることはできますか?

推奨されません。カーペットは表面が柔らかく凹凸があるため、上から貼るとクッションフロアが波打ち、接着も安定しません。既存のカーペットを剥がして下地を整えるのが基本で、その撤去費が別途かかります。

Q. クッションフロアにホットカーペットは使えますか?

製品ごとに可否が異なります。熱による変色・変形の可能性があるため、必ずメーカーの取扱説明書か販売店で適否を確認してください。

Q. クッションフロアとペット用マットの違いは何ですか?

クッションフロアは床に接着して施工する床材、マットは置くだけの敷物です。マットは原状回復できるため賃貸向き、クッションフロアは継ぎ目が少なく掃除がしやすいのが利点です。賃貸での対策は[賃貸でできる犬の床滑り対策](https://pet-kurashi.net/2026/08/20/rental-dog-floor/)をご覧ください

編集部の結論

3社の一次資料を並べて分かったことを整理します。

  • 厚みは3社とも2.3mmで揃っていた(一般的なクッションフロアは1.8mm厚が標準[2])
  • 「滑りにくい」の比較対象はフローリングであって、一般のクッションフロアではなかった[2]。すでにクッションフロアの家が、滑り対策だけを理由に張り替えるのは慎重に
  • 耐傷性の担保は製品ごとに差がある。サンゲツは別ライン(2.8mm)で分けている[1]
  • 第三者規格への言及があったのは東リのみ(JIS A 5705/SIAA抗ウイルス認定)[3]
  • 材料単価を公表していたのも東リのみ(4,150円/㎡・税抜)[3]。25㎡で材料約10万円、工事全体で30万円〜[4]なので、費用の大半は工事側

編集部としては、汚れの対策としては費用対効果の高い床材だと考えます。一方で、滑り対策を主目的にする場合は、期待する効果が得られるかをサンプルで確認してから決めることをおすすめします。

記事だけでは判断できないこと

床材そのものの違いは、こうして仕様を並べれば比較できます。ただし自宅に施工できるかどうかは別の話です。

既存の床の上に重ね貼りできるか、剥がして下地を調整する必要があるか。段差が生じてドアの開閉に干渉しないか。これらは現在の床の状態・下地・建具の納まりによって変わり、資料からは判断できません。

自宅の場合どうなるか分からないときは、床の写真を見ながら確認できます。

自宅の床に重ね貼りできるか相談する

工事が必要かどうかの切り分けから相談できます。相談は無料です。お見積りは施工会社が現地を見たうえで作成します。

くらすけ

くらすけ

汚れが気になるならクッションフロア。爪の傷が気になるなら、ほかの床材も比べてみよう。滑りが気になるなら、まずサンプルで確かめてからだね。

あわせて読みたい

参考文献・出典

(すべて2026-08-20確認。編集部がメーカー公表情報を直接確認したもの)

  1. サンゲツ「ペット向けフロア」(わんにゃん消臭フロア/同【ハード】) https://www.sangetsu.co.jp/pickup/pet/
  2. リリカラ よくあるご質問「ペット向けの床材はありますか?」(ペット住まいるフロア) https://faq-lilycolor.dga.jp/faq_detail.html?id=50
  3. 東リ フロア総合カタログ「CFシート-P NW(CF3720)」製品仕様 https://www.toli.co.jp/product/search/floor_number/CF3720
  4. ダイヤモンド不動産研究所「ペットのためのリフォーム、工事内容や費用相場・工期はどのぐらい?」 https://diamond-fudosan.jp/articles/-/1111431
  5. SUUMOリフォーム「ペットを目的としたリフォーム費用・価格相場情報」 https://suumo.jp/remodel/soba/rm_pets/
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この記事を書いた人

ペットと暮らす家の困りごとを、住まいの側から解決する情報をお届けしています。工事をしなくて済むケースはそのまま書き、費用は幅・条件・出典をセットで示します。健康や行動に関わる内容は、獣医師等の監修体制を整えたうえで公開します。

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