「犬 多頭飼い」で調べている人の質問を実測すると、1位は「犬を多頭飼いするときのケージのレイアウトは?」でした(相対需要100・2026年9月7日実測)[4]。3位「ケージのおすすめは?」、4位「ケージ、どうしてる?」、6位「ケージはどうしたらいいですか?」。
上位の質問が、ケージに集まっていました。
編集部も、まずここを調べました。そして国の基準に、数値で答えが書いてある部分がありました。
そのうち2つは、正直なところ予想と逆でした。
- 1頭から2頭に増えても、必要な床面積は増えません。増えるのは3頭目からです[2]
- ケージを1つにまとめても、必要な面積は減りません。基準が求めているのは合計です[2]
くらすけ
まとめたら小さくていい、じゃないんでつね。
先に結論
| # | 決めること | 手がかり |
|---|---|---|
| 1 | 何頭まで飼えるか | 国の基準は数で決めていない。条件で決めている[1]。分譲マンションは規約で数が限定されている可能性[3] |
| 2 | ケージの大きさ | 犬はタテ(体長の2倍以上)×ヨコ(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の2倍以上)[2] |
| 3 | 一緒か、分けるか | 面積の要求は変わりません。まとめても合計が要ります[2] |
| 4 | 必要な床面積 | 体長30cmの犬で180cm×90cm=1.62㎡(1〜2頭)。3頭目から0.81㎡ずつ加算[2] |
| 5 | ケージの床 | 金網は床材として使えない(肉球が傷まないように管理されている場合を除く)[2] |
| 6 | 置く場所 | 基準が名指ししているのは周辺の生活環境の保全と衛生[1] |
🔴 編集部の結論を先に書きます。
多頭飼いのレイアウトで最初に決めるのは、ケージの数でも場所でもなく「合計で何㎡の床を、部屋のどこから出すか」です。面積はまとめても減りません。そしてその面積は、家具を置いたあとの残りから出すことになります。
⚠️ この記事では、犬種の相性や先住犬との関係については扱いません。実測では「多頭飼いに向かない犬種は?」(相対需要93)という質問も上位にありましたが[4]、行動と相性は当メディアの守備範囲ではありません。扱うのは住まいの側だけです。
「何頭まで飼えますか?」に、国の基準はどう答えているか
実測でも「犬を何匹まで多頭飼いできますか?」(相対需要20)、「犬を多頭飼いするのはなぜダメなのでしょうか?」(59)という質問が出ています[4]。
数では決めていない。条件で決めている
環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号/最終改正 令和4年環境省告示第54号)は、第2-3「適正な飼養数」でこう書いています[1]。
所有者等は、その飼養及び保管する家庭動物等の数を、適切な飼養環境の確保、終生飼養の確保及び周辺の生活環境の保全に支障を生じさせないよう適切な管理が可能となる範囲内とするよう努めること。また、適切な管理を行うことができない場合、虐待となるおそれがあることを十分認識すること。
「◯頭まで」という数字はありません。代わりに条件が3つ挙がっています。
| # | 条件 | 住まいの側で効いてくること |
|---|---|---|
| 1 | 適切な飼養環境の確保 | 面積・置き場所・温度・清掃のしやすさ |
| 2 | 終生飼養の確保 | 年をとったときの段差や滑り |
| 3 | 周辺の生活環境の保全 | 音とにおい。集合住宅ではここが最初に効きます |
🔴 一般原則が「住宅環境」を名指ししている
同じ告示の第1-3は、飼おうとする人に対してこう求めています[1]。
将来にわたる飼養の可能性について、住宅環境及び家族構成の変化や飼養する動物の寿命等も考慮に入れ、慎重に判断するなど、終生飼養の責務を果たす上で支障が生じないよう努めること。
「住宅環境を考慮に入れて慎重に判断する」が、国の基準の言葉として書かれています。頭数を増やすかどうかは、住まいの話でもあるということです。
分譲マンション・賃貸では、数が決められていることがある
実測でも「犬 多頭飼い 賃貸」(月90・CPC$0.65)というキーワードがあります[4]。
分譲マンションのひな型であるマンション標準管理規約(令和7年10月17日改正)のコメント第18条関係②は、飼育を認める場合に定める必要がある事項として、まず「動物等の種類及び数等の限定」を挙げています[3]。
つまり「ペット可」でも頭数が決まっているのが標準です。
しかも同じひな型の別添4「管理情報提供様式に記載のある項目例」には、「ペットの飼育制限の有無(規定している使用細則条項)」という欄があります[3]。条項番号まで確認できます。
→ 詳しくは[中古マンションのペット可と相談可の違い|規約と床の工事](https://pet-kurashi.net/2026/09/07/used-mansion-pet-allowed/)
→ 賃貸での床の扱いは[賃貸でできる犬の床滑り対策](https://pet-kurashi.net/2026/08/20/rental-dog-floor/)
ケージの大きさには、国の数値がある
ここからが実測1位の質問です。
基準の数値
動物の愛護及び管理に関する法律にもとづく飼養管理基準の省令(令和3年6月1日施行)は、第一種動物取扱業者が満たすべきケージ等の基準を数値で定めています[2]。
| 区分 | 犬の基準 |
|---|---|
| 運動スペース分離型(ケージ飼育等)の寝床・休息場所 | タテ(体長の2倍以上)×ヨコ(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の2倍以上) |
| 同・複数飼養する場合 | 各個体に対する上記の広さの合計面積と、最も体高が高い個体に対する上記の高さを確保 |
| 同・運動スペース | 下記の一体型と同一以上の広さを確保し、常時運動に利用可能な状態で維持管理する |
| 運動スペース一体型(平飼い等) | 床面積が分離型ケージの6倍以上×高さ(体高の2倍以上) |
| 同・複数飼養する場合 | 床面積は分離型ケージの3倍以上×頭数分。ただし最も体長が長い犬の6倍以上を確保 |
🔴 これは第一種動物取扱業者(ペットショップ・ブリーダー等)の飼養施設の基準であって、一般家庭の基準ではありません。「家庭でもこれでよい」と国が言っているわけではありません。
それでも参考にする価値があるのは、これが「犬に必要な床面積」を日本の制度が数値で書いている場所だからです。
体長30cmの犬で、実際に計算するとこうなる
省令の資料は体長30cmの犬を例に図示しています[2]。
- 分離型ケージ:60cm × 45cm = 0.27㎡
- 運動スペース一体型:その6倍で 180cm × 90cm = 1.62㎡
ここから頭数を増やしていくと、こうなります(編集部の計算)。
| 頭数 | 3倍×頭数 | 下限(6倍) | 必要な床面積 |
|---|---|---|---|
| 1頭 | 0.81㎡ | 1.62㎡ | 1.62㎡ |
| 2頭 | 1.62㎡ | 1.62㎡ | 1.62㎡ |
| 3頭 | 2.43㎡ | 1.62㎡ | 2.43㎡ |
| 4頭 | 3.24㎡ | 1.62㎡ | 3.24㎡ |
🔴 1頭と2頭で、必要な床面積が同じです。下限のほうが大きいためです。増え始めるのは3頭目からで、そこからは1頭あたり0.81㎡ずつです。
省令の資料の図も、「1〜2頭」で180cm×90cm、「3頭目」から1頭あたり3倍以上を加算という描き方になっています[2]。
くらすけ
2頭目まではおまけ、みたいでつね。
……でも、おまけは3頭目で終わるんでつ。
🔴 ケージを1つにまとめても、面積は減らない
実測でも「犬を多頭飼いする場合、ケージは一緒に入れるべきですか?」(23)、「ケージを一緒にしたほうがいいですか?」(18)という質問が並びます[4]。
面積の観点からは、答えははっきりしています。
分離型の複数飼養について、基準は「各個体に対する上記の広さの合計面積」を求めています[2]。
合計です。割引はありません。
大きいケージを1つ置いても、小さいケージを2つ置いても、必要な面積は変わらないということです。変わるのは部屋の中での置き方の自由度のほうです。
| 大きいケージ1つ | 小さいケージ2つ | |
|---|---|---|
| 必要な面積 | 同じ[2] | 同じ[2] |
| 置き場所 | まとまった1か所が要る | 分けて置ける(部屋の形に合わせやすい) |
| 高さの要求 | 最も体高が高い個体に合わせる[2] | 各犬に合わせられる |
| 分けたいとき | 中で仕切る必要がある | もともと分かれている |
🔴 基準は「高さは最も体高が高い個体に合わせる」と書いています[2]。大きい犬と小さい犬を1つのケージに入れると、高さは大きいほうに引っ張られます。部屋の中で背の高い家具が1つ増える、ということです。
床は金網が使えない
同じ省令の「ケージ等及び訓練場の構造等の基準」に、こうあります[2]。
金網の床材としての使用を禁止(犬又は猫の四肢の肉球が傷まないように管理されている場合を除く)、錆、割れ、破れ等の破損がないこと。
床面と、破損の状態が名指しされています。
多頭飼いでは、ケージの数だけ床材があります。すのこの割れ、トレーの破損、金網の錆は、頭数が増えるほど見落としやすくなります。「置き方」を決めるとき、掃除と点検のためにどれだけ手が入るかも一緒に決めることになります。
2段に積むときに変わること
実測では「犬 多頭飼い ケージ 2段」(月110・難易度19)というキーワードがあります[4]。難易度19は、当サイトのキュー全体で見ても低いほうです。
基準の側から言えることを、正確に書きます。
- 犬のケージの高さは体高の2倍以上と決められています[2]
- これはケージ1つあたりの寸法です。したがって2段に積んでも、1段あたりに必要な高さは変わらない、と読めます(編集部の読み方です。省令の資料に段積みそのものへの言及はありません)
- 猫については「1つ以上の棚を設け2段以上の構造とする」という要求がありますが、犬にはありません[2]
⚠️ 「2段にしてよいか」を国の基準が明示している箇所は、今回は見つけられませんでした。そのため、この記事では可否を断定しません。書けるのは、上下2段にしても各段の高さの要求は下がらないところまでです。
住まいの側から言えることはもう1つあります。2段にすると床面積は半分になりますが、上段の高さぶんだけ壁の面が埋まります。窓・コンセント・エアコンの吹き出しに当たらないかは、置く前に確認してください。
トイレと、においの分け方
実測では「犬 多頭飼い トイレ」(月170)、「犬 多頭飼い トイレ どうしてる」(70)、「犬 多頭飼い トイレ 分ける」(10)というキーワードがあります[4]。
国の基準は、トイレの数や配置を数値で決めていません。書かれているのは衛生の側です[1]。
家庭動物等のふん尿その他の汚物、毛、羽毛等の適正な処理を行うとともに、飼養施設を常に清潔にして悪臭、衛生動物の発生の防止を図り、周辺の生活環境の保全に努めること。
「常に清潔にして」が、頭数が増えたときにいちばん効いてきます。
においそのものの対策(掃除で落ちる範囲と、工事が要る範囲)は別の記事で扱っています。多頭飼いで換気の経路を考えるときは、こちらを先に読んでください。
→ [犬の部屋の臭い対策|掃除で落ちる範囲と、工事が要る範囲](https://pet-kurashi.net/2026/09/05/dog-room-odor/)
よくある質問
⚠️ この節は、ラッコキーワードの「よくある質問検索」の実測にもとづいています[4]。主軸KW「犬 多頭飼い 部屋 レイアウト」では1件しか返らなかったため、1語短い「犬 多頭飼い」で測り直した138件を使っています。相対需要の高い順です。
Q. 犬を多頭飼いするときのケージのレイアウトは?(相対需要100・実測1位)
A. 面積は、まとめても減りません[2]。基準は各個体に対する広さの合計面積を求めています。大きいケージ1つでも、小さいケージ2つでも必要な面積は同じなので、部屋の形に合わせて選べます。
Q. 多頭飼いに向かない犬種は?(93・2位)
A. 当メディアでは扱いません。犬種の相性と行動は住まいの話ではないためです。
Q. 犬を多頭飼いするのはなぜダメなのでしょうか?(59)
A. 国の基準は「ダメ」とは書いていません。書かれているのは条件で、「適切な飼養環境の確保、終生飼養の確保及び周辺の生活環境の保全に支障を生じさせないよう適切な管理が可能となる範囲内」です[1]。
Q. 犬を何匹まで多頭飼いできますか?(20)
A. 数で定めた国の基準は、今回は見つけられませんでした[1]。分譲マンションでは、規約や使用細則で数が限定されている可能性があります[3]。まず自分の物件の条項を確認してください。
Q. 犬を多頭飼いする場合、ケージは一緒に入れるべきですか?(23)
A. 面積の観点では、どちらでも必要な面積は同じです[2]。ただし1つにまとめると、高さは最も体高が高い犬に合わせることになります[2]。大型と小型を一緒にすると、ケージが大きくなります。
Q. 2段のケージにしてもいいですか?(サジェスト「犬 多頭飼い ケージ 2段」月110)
A. 可否を明示した国の基準は、今回は見つけられませんでした。確認できたのは、犬のケージの高さは体高の2倍以上という寸法で[2]、これは1つあたりの寸法です。上下に積んでも、1段あたりの高さの要求は下がらないと読めます(編集部の読み方)。
Q. 何㎡あればいいですか?
A. 家庭向けの数値は今回見つけられませんでした。業者向けの省令基準では、体長30cmの犬で1〜2頭 1.62㎡、3頭 2.43㎡、4頭 3.24㎡です[2]。ただし家庭の基準ではありません。
Q. 賃貸でも多頭飼いできますか?
A. 契約と規約の話になります。分譲マンションのひな型でも、飼育を認める場合は「動物等の種類及び数等の限定」を定めるとされています[3]。賃貸の場合は貸主との契約が優先します。床の傷や原状回復の考え方は[賃貸でできる犬の床滑り対策](https://pet-kurashi.net/2026/08/20/rental-dog-floor/)にまとめています。
編集部の結論
- 🔴 1頭から2頭に増えても、必要な床面積は増えません。下限(分離型ケージの6倍)のほうが大きいためです。増え始めるのは3頭目から[2]
- 🔴 ケージを1つにまとめても、面積は減りません。基準が求めているのは各個体の広さの合計面積です[2]
- まとめると高さが上がります。高さは最も体高が高い個体に合わせるためです[2]。部屋の中で背の高い家具が1つ増えることになります
- 金網は床材として使えません(肉球が傷まないように管理されている場合を除く)。錆・割れ・破れがないことも条件[2]。頭数が増えるほど点検の手間が増えます
- 「何頭まで」を数で決めた国の基準はありません。決めているのは条件で、その1つが周辺の生活環境の保全[1]
- 🔴 国の基準の一般原則が「住宅環境」を名指ししています[1]。頭数を増やすかは、住まいの話でもある
- 分譲マンションでは頭数が規約で決まっている可能性が高い。ひな型が「種類及び数等の限定」を定めるべきとしています[3]。条項番号まで確認できます[3]
くらすけ
面積はごまかせないけど、置き方は選べる。
……ぼくのぶんの1.62㎡、どこから出すんでつか?
多頭飼いのレイアウトで難しいのは、必要な面積そのものより、それを部屋のどこから出すかです。家具を置いたあとの残りから、まとまった床を確保できるかどうか。
ケージをどこに置けるか、収納を減らさずに床を出せるか、間取りを触る必要があるのか。
ご自宅の場合どうなるかは、写真や間取り図を見ながら確認できます。
→ [住まいの相談をする](https://pet-kurashi.net/soudan/)(相談は無料です。工事が必要かどうかの切り分けから相談できます)
参考文献・出典
(すべて2026-09-07確認)
- 環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号/最終改正 令和4年環境省告示第54号)
– 第1-3 一般原則(将来にわたる飼養の可能性について「住宅環境」及び家族構成の変化等も考慮)
– 第2-2 (2) ふん尿その他の汚物の適正な処理/飼養施設を常に清潔にして悪臭、衛生動物の発生の防止/周辺の生活環境の保全
– 第2-3 適正な飼養数(数ではなく「適切な管理が可能となる範囲内」/適切な管理ができない場合は虐待となるおそれ)
– https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_r02_21_1.pdf
- 環境省「動物愛護管理法の飼養管理基準に関する省令の概要(第3次答申)」(令和3年6月1日施行)
– 運動スペース分離型のケージ等の基準(犬:タテ体長の2倍以上×ヨコ体長の1.5倍以上×高さ体高の2倍以上/複数飼養は各個体の広さの合計面積と最も体高が高い個体の高さ)
– 運動スペース一体型(床面積は分離型ケージの6倍以上/複数飼養は3倍以上×頭数分、ただし最も体長が長い犬の6倍以上)
– 体長30cmの犬の図示(60×45cm/180×90cm/1〜2頭と3頭目の描き分け)
– ケージ等及び訓練場の構造等の基準(金網の床材としての使用を禁止/錆、割れ、破れ等の破損がないこと)
– https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_r030601_1.pdf
- 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」(令和7年10月17日改正)
– コメント第18条関係②(飼育を認める場合は「動物等の種類及び数等の限定」を定める必要がある)
– 別添4「管理情報提供様式に記載のある項目例」7(ペットの飼育制限の有無(規定している使用細則条項))
– https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001999013.pdf
- ラッコキーワード実測(2026-09-07・当セッション実施・計6クレジット)
– 主軸KW『犬 多頭飼い 部屋 レイアウト』月間210/CPC $1.7/競合性61。サジェスト1件・よくある質問1件しか返らず、実質的に測れなかった
– 1語短い『犬 多頭飼い』(月間2,900/難易度38)で測り直し:サジェスト303件(ケージ590/ケージ どうしてる390/ケージ 置き方320/トイレ170/ケージ 2段110/賃貸90)、よくある質問138件(1位「犬を多頭飼いするときのケージのレイアウトは?」相対需要100)
– 見出し抽出371本・平均見出し数21.79・平均文字数7,707
– `docs/research-notes/2026-09-07-rakko-keyword-F-10.md`

