犬の部屋の臭い対策|掃除で落ちる範囲と、工事が要る範囲

犬の部屋の臭い対策|掃除で落ちる範囲と、工事が要る範囲
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拭いた。洗った。スプレーもした。それでも玄関を開けた瞬間に、まだにおう。

「犬 部屋 臭い 対策」で調べると、出てくるのはほとんどが掃除とグッズの話です。消臭スプレーをこまめにかける、布製品を月に1回洗う、体をこまめに拭く。どれも間違ってはいません。

ただ、編集部が気になったのはここでした。それを全部やっても消えないとき、次は何を見ればいいのか。

調べていて、いちばん引っかかったのがこの一文です。

消臭剤、殺虫剤などの化学薬品にも注意して、犬や猫の近くで使用することは控えましょう。また、スプレーなどをまくと下に溜まりますので、換気を良くするようにしましょう。[1]

環境省のガイドラインです。犬の鼻の高さは、床のすぐ上にあります。

くらすけ

くらすけ

シュッてやると、あれ、ぜんぶ下に落ちてくるんでつね。ぼくの顔の高さでつ。

目次

先に結論:臭いの出どころを4つに分ける

同じ「部屋が犬くさい」でも、出どころによって効く手が変わります。

#出どころ主な手当て掃除で落ちるか
1体・被毛から出るにおいシャンプー・拭き取り・寝床の洗濯落ちる
2排泄物(とくに便)のにおいトイレの場所・処理までの時間・空気の出口落ちる。ただし置き場所で残り方が変わる
3布・カーペット・ソファに染みたにおい洗う/張り替える半分。素材の中に入ると落ちにくい
4建材(床・壁・下地)に入り込んだにおい表面の張り替え、場合によっては下地まで落ちない

多くの記事が扱っているのは1と2です。4は工事の話になるので、消臭グッズの記事には出てきません。

編集部の判断としては、順番に見ていくのが確実です。1と2で消えるなら工事は要りません。3と4が疑わしいときだけ、次の話になります。

まず、消臭スプレーの前に読んでほしいこと

環境省が2010年(平成22年)2月に出した「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」に、室内飼いの注意としてこう書かれています。

消臭剤、殺虫剤などの化学薬品にも注意して、犬や猫の近くで使用することは控えましょう。また、スプレーなどをまくと下に溜まりますので、換気を良くするようにしましょう。犬や猫は壁紙の接着剤など、いわゆるシックハウス症候群の原因物質になるようなものに対しても敏感です。これらの化学物質は、嗅覚の鋭い犬や猫には想像以上のストレスとなる可能性があります[1]

「使ってはいけない」とは書かれていません。書かれているのは、犬や猫の近くでの使用は控えることと、まいたあとは換気することの2点です。

編集部としては、これを「消臭剤をやめよう」という話とは読みません。読み取れるのは、まく場所と、まいたあとの空気の扱いが抜けやすい、ということです。スプレーは上から下に落ちます。落ちた先が、犬が寝ている高さです。

⚠️ なお、犬にとって特定の製品が安全かどうかは、この資料からは判断できません。製品ごとの成分と使用方法は、メーカーの表示に従ってください。

うんちのにおいが部屋に残るのは、どこの問題か

検索の需要でいうと、実は「犬のうんち 臭い対策 部屋」のほうが、「犬 部屋 臭い 対策」よりも多く調べられています(月間90 対 20・2026年9月5日実測)。だから、ここは独立して書きます。

排泄物のにおいは「時間」と「置き場所」で決まる

環境省の告示「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号・最終改正 令和4年環境省告示第54号)は、飼い主に対してこう定めています。

家庭動物等のふん尿その他の汚物、毛、羽毛等の適正な処理を行うとともに、飼養施設を常に清潔にして悪臭、衛生動物の発生の防止を図り、周辺の生活環境の保全に努めること[2]

同じ告示は、飼養施設について「適切な日照、通風等の確保を図り」とも書いています[2]。

「通風」が条文に入っている点は、見落とされやすいところです。掃除の頻度と同じ列に、空気の流れが並んでいます。

トイレの位置は、家の空気の流れの中で決まる

家の中の空気には、向きがあります。給気口から入り、居室を通り、廊下を抜けて、トイレや浴室の排気ファンから出ていく。これが今の住宅の基本の流れです(次章)。

この流れの「上流」にペットのトイレを置くと、においを含んだ空気が家じゅうを通ってから出ていくことになります。逆に、排気ファンに近い側に置ければ、通る距離が短くなります。

猫のトイレの置き場所については[猫トイレの臭い対策の記事](https://pet-kurashi.net/2026/08/25/cat-litter-box-placement/)で、置き場所と大きさの考え方を整理しています。犬の場合も、空気の流れの中でどこに置くかという考え方は同じです。

換気は「量」より「経路」の話

ここが、掃除の記事にはほとんど出てこない部分です。

2003年から義務になっている換気設備は、においのためではない

いまの住宅には、24時間動かし続ける換気設備が付いています。これは2003年7月1日に施行された改正建築基準法で義務化されたものです[3]。

目的はシックハウス対策でした。規制の中身は3つです[3]。

  • クロルピリホスを添加した建材の使用禁止
  • ホルムアルデヒドを発散するおそれのある建材の使用制限
  • 24時間(常時)換気が可能な換気設備の設置義務化

つまり、あの換気扇は「化学物質を薄めるため」に付いています。においの量を基準に決められたものではありません。

「0.5回/h」が意味していること

義務づけられている換気量は、次のとおりです。

原則として、住宅等の居室では、0.5回/h以上、その他の居室では0.3回/h以上の換気回数を確保できる有効換気量を有する機械換気設備の設置が義務付けられている[3]

換気回数の意味も併記されています。

換気回数:0.5回/h → 1時間に部屋の半分の空気が入れ替わる[3]

1時間で半分です。言い換えると、部屋の空気がひととおり入れ替わるのに2時間前後かかる計算になります。においが出続けている場所があれば、その速度で薄めているだけ、ということです。

編集部の見方としては、ここが「換気しているのに臭う」の正体のひとつです。動いていないのではなく、設計されている速度が、においを消すためのものではないわけです。

ドアの下の1cmが、経路を作っている

もうひとつ、意外だったのがこれです。

通常は対象外と判断される廊下・トイレ・浴室等は、換気計画上、居室と一体的に換気を行う場合に居室とみなされます。

例:ドアに高さ1cm程度のアンダーカットがある場合等、通風が確保される建具を使用する場合(有効開口面積で100〜150cm²程度)[3]

ドアの下のわずかな隙間が、家全体の換気計画の一部として数えられています。

だから、次のようなことをすると、設計された経路が切れます。

  • ペットのいる部屋のドアを、隙間なく閉めきる
  • ドアの下にすきま風防止テープや厚手のマットを敷く
  • 給気口を家具でふさぐ/うるさいので閉じている
  • 換気扇のスイッチを切っている

「換気しているのに臭う」の前に、「その換気が通る道が残っているか」を見たほうが早いことがあります。

くらすけ

くらすけ

出口だけあっても、入り口がふさがってたら流れないってことでつね。ドアの下、マットで埋まってないでつか?

掃除で落ちる範囲と、工事が要る範囲

ここからが、この記事の本題です。

落ちるもの:表面に付いたにおい

床の表面、家具の表面、洗える布。ここは掃除と洗濯の領域です。時間が経っていても、表面にとどまっている限りは落ちます。

落ちにくいもの:素材の中に入ったにおい

問題は、液体が素材の中に入ったあとです。

  • カーペット・畳:繊維や芯材の内部に入る
  • クッションフロア・フロアタイル:継ぎ目や端部から下地へ入ることがある
  • 壁紙:表面は拭けても、下地のボードまで届いていると拭き取りでは戻らない

床材の耐水性と、床全体の防水性は別の話です。表面は水に強く拭き取りやすい素材でも、継ぎ目や端部から水分が入り込む可能性はあります。

壁にしみた尿のにおいについては、[猫のおしっこ臭が壁から消えないときの対処法](https://pet-kurashi.net/2026/08/19/cat-urine-smell-wall/)で、掃除の限界とリフォームの判断基準を整理しています。犬の場合も、壁の中で起きていることは同じです。

見分けるための、順番

編集部としては、次の順で確かめるのが現実的だと考えます。

  1. その部屋を数時間しっかり換気して、においが下がるか。下がるなら、空気中に漂っているにおい=1・2の領域
  2. 特定の場所に近づくと強くなるか。強くなるなら、その場所の素材にしみている
  3. 拭いた直後は消え、乾くと戻るか。戻るなら、表面より下にある
  4. 床や壁の一部だけ変色・浮き・目地の黒ずみがあるか。あるなら、下地まで届いている可能性がある

3と4に当てはまるときが、工事の相談をする段階です。

⚠️ この4つは、公表された判定基準ではありません。編集部が資料をもとに組み立てた見立てです。確定させるには現地を見る必要があります。

場所別に、どこを点検するか

犬が過ごす時間がいちばん長い面です。継ぎ目・巾木のきわ・ドアの下が、液体の入り口になります。張り替えを検討する場合の床材の選び方は、[ペット対応床材7種の比較](https://pet-kurashi.net/2026/08/26/cat-flooring/)にまとめています

犬の場合、腰から下に集中します。表面の拭き取りで戻るかどうかが分かれ目です。

布・家具

ソファ、クッション、ベッド、カーテン。洗えるものと洗えないものを分けるのが先です。洗えないものが原因なら、掃除を増やしても変わりません。

空気の出口

換気扇のフィルター、給気口のフィルター。ここが目詰まりしていると、設計された0.5回/hが出ません。[3]

費用はいくら?

今回、犬の臭い対策としての内装工事の費用について、一次情報として引ける出典を確認できませんでした。そのため、この記事では金額を書きません。

工事費用の考え方は、[ペットリフォームの費用相場](https://pet-kurashi.net/2026/08/19/pet-reform-cost/)にまとめています。臭い対策の工事で金額を左右するのは、面積・下地まで交換するか・部屋数・既存の撤去です。

⚠️ とくに「下地まで替えるかどうか」で金額が変わります。表面の張り替えだけで済むのか、下地まで届いているのかは、剥がしてみるまで確定しません。見積の段階で「下地の交換が必要になった場合はどうなるか」を確認しておくと、あとで揉めません。

よくある質問

Q. 犬の臭いがする部屋の対策は?

A. まず出どころを4つに分けます(体・排泄物・布・建材)。1〜3が原因なら掃除と洗濯、洗えないものの入れ替えで下がります。乾くとにおいが戻る/特定の場所で強くなる場合は、建材側の可能性があります。

Q. 消臭スプレーは使ってもいいですか?

A. 環境省のガイドラインは「犬や猫の近くで使用することは控えましょう」「スプレーなどをまくと下に溜まりますので、換気を良くするように」と書いています[1]。使用そのものを禁じてはいません。まく場所と、まいたあとの換気に注意する、という趣旨です。

Q. 24時間換気をつけているのに臭います。

A. 住宅等の居室で義務づけられているのは0.5回/h以上=1時間に部屋の半分が入れ替わる速度です[3]。においを消すための速度ではありません。あわせて、給気口がふさがっていないか、ドア下の隙間が埋まっていないかを確認してください[3]。

Q. 空気清浄機を増やせば解決しますか?

A. 今回確認した資料では、空気清浄機の効果を判断できる情報は得られませんでした。ただし、においの出どころが建材の中にある場合、空気中を処理しても出続けることになります。まず出どころの切り分けをおすすめします。

Q. 賃貸でもできることはありますか?

A. 洗える布の入れ替え、給気口とフィルターの掃除、トイレの置き場所の見直しは、工事なしでできます。床や壁を触る場合は原状回復の問題になるので、[賃貸でもできる犬の床対策](https://pet-kurashi.net/2026/08/21/rental-dog-floor/)を参考にしてください

編集部の結論

  • 消臭グッズを増やす前に、出どころを4つに分ける。1〜3なら工事は要りません
  • 消臭剤は「犬や猫の近くでの使用は控える」「まいたら換気する」と環境省が書いています[1]。まく高さは、犬の鼻の高さです
  • 排泄物のにおいは、処理の速さだけでなく、家の空気の流れの中でどこに置くかで変わる
  • 24時間換気は、においのために設計されていない。義務は住宅等の居室で0.5回/h以上=1時間に半分[3]
  • 経路が生きているかを見る。ドア下1cmのアンダーカット(有効開口面積100〜150cm²程度)は、換気計画の一部として数えられています[3]
  • 乾くとにおいが戻る/一部だけ変色しているときは、建材側の話。ここから先は工事の相談になります
くらすけ

くらすけ

「もっと掃除する」の前に、「どこから出てるか」を決めるほうが先なんでつね。ぜんぶやると疲れちゃうでつ。

床や壁のどこまでにおいが入っているかは、表面を見ただけでは分かりません。剥がしてみて初めて分かることもあります。

掃除で足りるのか、張り替えが要るのか、下地まで届いているのか。

ご自宅の場合どうなるかは、写真を見ながら確認できます。

→ [住まいの相談をする](https://pet-kurashi.net/soudan/)(相談は無料です。工事が必要かどうかの切り分けから相談できます)

参考文献・出典

(すべて2026-09-05確認)

  1. 環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(平成22年2月)Ⅳ-3 室内飼いの際に注意しなければならないこと https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2202.pdf
  2. 環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号/最終改正 令和4年環境省告示第54号)第3 共通基準 1(3)・2(2) https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_r02_21_1.pdf
  3. 三菱電機「改正建築基準法|換気扇・送風機の基礎知識」(2003年7月1日施行のシックハウス対策の内容/住宅等の居室で0.5回/h以上/換気回数の定義/ドアのアンダーカットと有効開口面積) https://www.mitsubishielectric.co.jp/ldm/ventilationfan/knowledge/detail_03.html
  4. 環境省環境管理局大気生活環境室「臭気対策行政ガイドブック」(平成14年4月)※悪臭防止法における臭気強度・臭気指数の考え方を確認するために参照 https://www.env.go.jp/content/900397294.pdf
  5. ラッコキーワード実測(2026-09-05・b-pet-kurashi 実施)『犬のうんち 臭い対策 部屋』月間90/『犬 部屋 臭い 対策』月間20 — `docs/research-notes/2026-09-05-rakko-keyword-B-4.md`
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この記事を書いた人

メーカーの仕様書やFAQを複数社ぶん並べて、書いてあることの違いを確かめてから記事にしています。「ペット用」と書いてあっても、中身は各社でけっこう違います。工事が要らないなら要らないと書きますし、間違えたら訂正を出して残します。

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