「猫 脱走防止 ベランダ」で検索されている語を16行取って用途で分けたところ、自分で作る側が、人に頼む側の3.4倍ありました[1]。
| 内訳 | 合計(月間検索数) | |
|---|---|---|
| 自分で作る | diy 140/100均 110/手作り 20 | 270 |
| 人に頼む | 業者 50/リフォーム 30 | 80 |
多くの人が、自分で付けようとしています。
そして同じ16行のうち、建物の種別を名指ししている語が2つありました。マンション170、賃貸90[1]。
ここが、この記事を書いた理由です。集合住宅のベランダは、法律と規約の上では「自分の物」ではありません。付けてから外すことになる前に、見ておく場所が3か所あります。
くらすけ
え、うちのベランダなのに? ぼくのじゃないのは分かるけど、うちのでもないんでつか?
先に、数字だけ
| 調べたこと | 結果 |
|---|---|
| ベランダ(バルコニー)の位置づけ | 共用部分。持っているのは専用使用権だけ[2] |
| 「付けていいか」が書いてある場所 | 標準管理規約ではなく、🔴 物件ごとの使用細則[2] |
| 手を入れるときの経路 | あらかじめ理事長に申請して書面による承認[2] |
| 手すりの高さの法令 | 1.1メートル(110cm)以上[3] |
| 猫の脱走防止ゲート(玄関・廊下用)の高さ | 181〜190cm[6]。110cmはその約6割 |
| ベランダの床にある避難用の開口 | 直径50cm以上の円が内接する大きさ[5] |
| 標準管理規約のなかの「ベランダ」 | 🔴 0件(「バルコニー」は26件)[2] |
| 消防法のなかの「バルコニー」 | 🔴 0件[4] |
| 窓用フェンス公式ページのなかの「ベランダ」 | 🔴 0件(本文3,164字)[6] |
見る場所①:そのベランダは、誰のものか
分譲マンションの管理規約は、多くの場合、国土交通省が公表している「マンション標準管理規約」をもとに作られています。令和7年改正版を全文取得して読みました[2]。
別表第2「共用部分の範囲」に、こう書かれています。
1 エントランスホール、廊下、階段、エレベーターホール、(略)内外壁、界壁、床スラブ、床、天井、柱、基礎部分、バルコニー等専有部分に属さない「建物の部分」
(別表第2 共用部分の範囲[2])
バルコニーは、共用部分の側に並んでいます。
では住んでいる人は何を持っているのか。第14条です[2]。
区分所有者は、別表第4に掲げるバルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、一階に面する庭及び屋上テラス(略)について、同表に掲げるとおり、専用使用権を有することを承認する。
「所有」ではなく「専用使用権」です。そして、そのコメントにこう続きます。
専用使用権は、その対象が敷地又は共用部分等の一部であることから、それぞれの通常の用法に従って使用すべきこと、管理のために必要がある範囲内において、他の者の立入りを受けることがある等の制限を伴うものである。また、工作物設置の禁止、外観変更の禁止等は使用細則で物件ごとに言及するものとする。
(コメント 第14条関係②[2])
🔴 ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
「ベランダに柵を付けていいか」は、標準管理規約には書かれていません。書かれているのは「使用細則で物件ごとに決める」というところまでです。つまり、全国共通の答えはありません。ネットで「大丈夫でした」と書かれていても、それはその建物の話です。
手を入れるときの経路は、規約に書かれている
第21条第1項は、共用部分等の管理を管理組合の責任と負担としたうえで、バルコニー等の保存行為のうち通常の使用に伴うものは専用使用権を持つ人の責任と負担としています。そして第3項[2]。
区分所有者は、第1項ただし書の場合又はあらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けた場合を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。
「聞いてみる」ではなく「申請して書面で承認をもらう」という形が、規約の側に用意されています。
🔺 賃貸の場合は、ここが規約ではなく賃貸借契約と管理会社になります。原状回復の考え方は 賃貸のペット壁紙の修理|退去前に直すか、費用はどう決まるか にまとめています。
見る場所②:手すりの高さは、何のための高さか
次に、実際の寸法です。ベランダには最初から手すりが付いています。その高さは、何を基準に決まっているのか。
建築基準法施行令 第126条です[3]。
屋上広場又は二階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが一・一メートル以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。
1.1メートル=110cmです。そして条文の見出しは「屋上広場等」、目的語は「安全上必要な高さ」。人が落ちないための高さとして定められています。猫を基準に決められた数字ではありません。
比較のために、猫の脱走防止のために売られているゲートの高さを並べます。当メディアが各社の公式ページから取得した値です[6]。
| 製品 | 高さ | 110cm との比 |
|---|---|---|
| のぼれんニャン バリアフリーⅢ/スリム(日本育児・玄関/廊下用) | フェンス部 170〜190cm | 最大で 1.7倍 |
| 木ののぼれんニャン(日本育児・玄関/廊下用) | 約 188cm | 1.7倍 |
| キャットセーフティゲート(リッチェル・玄関/廊下用) | 181cm | 1.6倍 |
| のぼれんニャン 窓用 M(日本育児) | 85〜148cm | 110cmはこの範囲の中 |
| のぼれんニャン 窓用 S(日本育児) | 55〜88cm | 110cmに届かない |
🔴 法令が求めるベランダの手すりの下限110cmは、玄関用ゲートの約6割です(計算は当編集部)。
🔺 これは「手すりが低すぎる」という話ではありません。手すりは人のための基準を満たしています。猫を止める高さとして設計されていない、というだけです。
そして「一・一メートル以上」は下限なので、実際の高さは建物ごとに違います。🔴 まず自分の家の手すりを、床から上端まで測ってください。そこが出発点になります。
⚠️ 高さだけでは決まりません。メーカー自身が、高さの数字のすぐ下に「製品近くに台や棚などを足場になるようなものは置かないでください」と注記しています[6]。エアコンの室外機・収納ボックス・植木鉢は、高さを実質的に下げます。
すき間の数値や開口の測り方は、別の記事で6製品分を並べています(→ 猫の脱走防止|柵の高さと隙間、家の出口の測り方)。
くらすけ
手すりの高さは人の基準。ぼくらの基準は誰も決めてない——ってことでつね。
見る場所③:床と壁に、避難のための設備がある
3か所目は、意外と見落とされます。ベランダは避難経路として使われる場所です。
消防法施行規則 第27条には、避難はしごの基準が書かれています[5]。
固定はしごの降下口の大きさは、直径五十センチメートル以上の円が内接する大きさであること。
(第27条第4号ニ)
(4階以上の階につり下げはしごを設けるとき)安全かつ容易に避難することができる構造のバルコニー等に設け、かつ、取付け具は避難器具用ハッチとすること。
(第27条第5号ニ(ロ)[5])
直径50cm以上の円が入る開口が、ベランダの床にある建物があります。その上に柵の脚を置いたり、ネットを張って開かなくしたりすると、避難のときに使えません。
物を置けない根拠は、消防法の側にあります[4]。
学校、病院、工場、事業場、(略)その他の防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、当該防火対象物の廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設について避難の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管理し(略)なければならない。
(消防法 第8条の2の4)
🔺 条文が名指ししているのは「廊下、階段、避難口」までで、バルコニーという語はこの法律には1度も出てきません(「バルコニー」0件・一部一致の「バル」も0件・当編集部の実測)[4]。バルコニーが「避難上必要な施設」に当たるかどうかの判断は、当編集部ではできません。ただ、避難はしごの取付け具の基準がバルコニーを名指ししている[5]以上、設備の周りをふさぐ選択は取らないほうがよいと編集部は考えます。
ベランダで見るのは、この2つです。
- 床にある四角いふた(避難ハッチ)。その上と、その真上の空間
- 隣の住戸との仕切り板。蹴破って通るためのもので、その前
「ベランダ」という言葉は、どの文書にも出てこない
ここまで3つの文書を引きましたが、どれも「ベランダ」という語を使っていませんでした。
| 文書 | 「ベランダ」 | 「バルコニー」 |
|---|---|---|
| マンション標準管理規約(単棟型)[2] | 🔴 0件 | 26件 |
| 建築基準法施行令[3] | (本記事では未計測) | 26件 |
| 消防法[4] | (本記事では未計測) | 🔴 0件(「バル」も0件) |
月に1,900回検索されている語は「ベランダ」です[1]。けれど、調べに行く先の文書は「バルコニー」で書かれています。
管理規約や使用細則を読むときは「バルコニー」で探してください。「ベランダ」で目次を追うと、見つからないまま「書いていない」と思ってしまいます。
🔴 製品ページも同じでした。日本育児「のぼれんニャン 窓用」の公式ページ(本文3,164字)を取得して数えると、「ベランダ」0件・「バルコニー」0件。使う場所として挙げられているのは「腰高窓」「カウンターキッチン」でした[6]。
🔺 これは「ベランダに使えない」という意味ではありません。当編集部が言えるのは「このページには書かれていない」までです。使えるかどうかはメーカーに確認してください。
ペットを飼うこと自体も、規約で決まっている
もう1つ、同じ標準管理規約に書かれていたことです[2]。
犬、猫等のペットの飼育に関しては、それを認める、認めない等の規定は規約で定めるべき事項である。基本的な事項を規約で定め、手続等の細部の規定を使用細則等に委ねることは可能である。
(コメント 第18条関係②)
容認する場合の条文例には、こうあります[2]。
ペット飼育を希望する区分所有者及び占有者は、使用細則及びペット飼育に関する細則を遵守しなければならない。ただし、他の区分所有者又は占有者からの苦情の申し出があり、改善勧告に従わない場合には、理事会は、飼育禁止を含む措置をとることができる。
ベランダの柵の話は、この枠組みの中にあります。外から見える工作物は、外観の話でもあり、他の居住者の目に入る話でもあります。先に申請するほうが、結果として早いことが多いと編集部は考えます。
付ける前にやることの順番
ここまでを、順番に並べ直します。この順番は当編集部の整理で、出典から導いたものではありません。
| # | やること | どこで分かるか |
|---|---|---|
| 1 | 管理規約と使用細則をもらう(管理会社か理事会) | 「バルコニー」「専用使用」「工作物」で探す[2] |
| 2 | 手すりの高さを床から測る | 法令の下限は110cm。実際は建物ごとに違う[3] |
| 3 | 手すりの近くに足場になる物が無いか見る | 室外機・収納・植木鉢。メーカーの注記[6] |
| 4 | 床のふたと隣との仕切り板の位置を確認する | 避難器具の基準[5]・消防法[4] |
| 5 | 1〜4を持って理事長に申請する | 第21条第3項の書面による承認[2] |
🔺 賃貸の場合は、1と5が「賃貸借契約の確認」と「管理会社への相談」に置き換わります。
そして、1〜4のどれかで引っかかったときは、ベランダに出さない方向に切り替えるほうが早いことがあります。窓の側で止めるという選択です。窓・網戸の対策は別の記事にあります。
費用はいくら?
窓の側で止める場合の製品価格は、公式ページに出ています[6]。
| 製品 | 希望小売価格(税込) |
|---|---|
| のぼれんニャン 窓用 S(高さ55〜88cm) | 9,680円 |
| のぼれんニャン 窓用 M(高さ85〜148cm) | 12,980円 |
🔺 ベランダの開口全体をふさぐ工事の費用は、この記事では出しません。開口の寸法・手すりの形状・避難設備の位置・使用細則の内容で変わり、一例を相場のように見せると外れるためです。
よくある質問
Q. 分譲マンションです。ベランダに突っ張り式のフェンスを付けてもいいですか?
A. 当編集部では判定できません。標準管理規約は「工作物設置の禁止、外観変更の禁止等は使用細則で物件ごとに言及する」としており[2]、答えは建物ごとの使用細則にあります。まず管理会社か理事会に使用細則を求めてください。規約上の経路は「あらかじめ理事長に申請して書面による承認」です(第21条第3項[2])。
Q. ベランダの手すりは110cmあるので足りますか?
A. 110cmは人の落下を防ぐための法令の下限です[3]。猫の脱走防止ゲートとして売られている玄関・廊下用の製品は181〜190cm[6]で、110cmはその約6割にあたります。足りるかどうかを当編集部が判定することはできません。ただし、足場になる物を手すりの近くに置かないことは、メーカー自身が注記しています[6]。
Q. 賃貸でも同じですか?
A. 根拠になる文書が変わります。分譲は管理規約と使用細則、賃貸は賃貸借契約と管理会社の判断です。消防法・建築基準法施行令の側(避難設備・手すりの高さ)は、どちらでも同じように効きます[3][4][5]。
Q. 避難ハッチの上を避ければ、ネットを張ってもいいですか?
A. 避難ハッチは、ふただけでなく「はしごが降りる先の空間」も要ります。規則は降下口の大きさを「直径50cm以上の円が内接する大きさ」と定めています[5]。ふたの真上をふさがなければよい、とは言い切れません。この判断は消防設備の点検業者か管理組合に確認してください。
Q. 一軒家なら自由ですか?
A. 管理規約の話は無くなります。実際、この語で最も多く打ち込まれている質問は「一軒家で猫のベランダ脱走防止策は?」でした(相対需要100・2件中1位)[1]。ただし建築基準法施行令の手すりの高さ[3]は一戸建ての2階以上のバルコニーにも及びます。測るところは同じです。
編集部の結論
調べる前、編集部は「ベランダの脱走防止は、製品選びの記事になる」と思っていました。規約と法令を読んで、そこが変わりました。
- バルコニーは共用部分で、住んでいる人が持っているのは専用使用権だけ[2]
- 付けていいかは標準規約に書かれておらず、物件ごとの使用細則で決まる[2]
- 手すりの110cmは人のための下限で、猫のゲートは181〜190cm[3][6]
- ベランダの床には、直径50cm以上の避難用の開口がある建物がある[5]
- そして、どの文書も「ベランダ」ではなく「バルコニー」と書いている[2][3][4]
製品を選ぶ前に、決まっていることのほうが多い場所でした。
編集部としては、まず使用細則をもらって「バルコニー」で検索し、手すりを測るところからだと考えます。付けてから外すのがいちばん高くつきます。測れるものと、読めば分かるものから片付けるのが確実です。
手すりの高さ・避難設備の位置・使用細則の書きぶりは、建物ごとに違います。「窓の側で止めるほうが早いのか、ベランダに手を入れるべきか」の切り分けから、無料で相談できます。
参考文献・出典
- ラッコキーワード(ライトプラン)サジェストキーワード16行/よくある質問検索2件(2026-09-18 実測・当メディア取得。主軸KW「猫 脱走防止 ベランダ」)
– 用途別の合計は当編集部が規則を決めて機械集計したもの(集計スクリプト: `.tmp/verify_g20.py`)
- 国土交通省「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)及びマンション標準管理規約(単棟型)コメント」
– https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001999013.pdf (確認日 2026-09-18・全108ページ・抽出110,425字を当編集部が取得して確認。「バルコニー」26件・「ベランダ」0件・「専用使用」34件・「工作物」1件・「ペット」12件)
– 別表第2 共用部分の範囲/第14条 バルコニー等の専用使用権/同コメント②/第21条 敷地及び共用部分等の管理/コメント 第18条関係②③
- 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第126条(屋上広場等)
– https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338 (確認日 2026-09-18・本文255,007字を当編集部が取得して確認。「一・一メートル」2件・「バルコニー」26件)
- 消防法(昭和23年法律第186号)第8条の2の4
– https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 (確認日 2026-09-18・本文108,061字を当編集部が取得して確認。「避難上必要な施設」2件・「バルコニー」0件/一部一致の「バル」も0件)
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第27条(避難器具に関する基準の細目)
– https://laws.e-gov.go.jp/law/336M50000008006 (確認日 2026-09-18・当編集部が取得して確認。「避難器具用ハッチ」2件・「バルコニー」8件)
- 猫の脱走防止ゲートの製品仕様(各社公式ページ)
– 日本育児(Petselect)「のぼれんニャン 窓用」 https://petselect.co.jp/product/noborennyan_window (確認日 2026-09-18・本文3,164字・読める文字99.7%。Sサイズ 幅70×厚さ2.5cm×高さ55〜88cm/Mサイズ 幅70×厚さ2.5cm×高さ85〜148cm/希望小売価格 S 9,680円・M 12,980円(税込)/「ベランダ」0件・「バルコニー」0件/記載のある設置場所は「腰高窓」「カウンターキッチン」)
– 日本育児「のぼれんニャン バリアフリーⅢ/バリアフリースリム」 https://petselect.co.jp/product/noborennyan_barrierfree3 (確認日 2026-09-11・当メディアが取得。フェンス高さ170〜190cm/「※製品近くに台や棚などを足場になるようなものは置かないでください。」)
– 日本育児「木ののぼれんニャン」 https://petselect.co.jp/product/noborennyan_wood (確認日 2026-09-11・当メディアが取得。約188cm)
– リッチェル「キャットセーフティゲート」 https://www.richell.co.jp/products/pet/item/?sid=156148 (確認日 2026-09-11・当メディアが取得。181cm)

