後ろ脚が弱ってきて、散歩用に犬の車椅子を考えている。でも、家の中でも使えるのか。ドアや廊下を通れるのか。
編集部でも気になったので、犬用車椅子のメーカー・工房3社が「室内での使用」や使い方について何と書いているかを読み比べ、人の車いすのドア幅の目安と並べてみました。先に結果だけ書きます。
| 見たこと | 結果 |
|---|---|
| 室内で使えるか | 海外の2社は使えると書いている。ただし犬の大きさ・ドアと廊下の幅しだい[1][2] |
| 車椅子の幅の数字 | 確認したページには無かった[1][2][3][4] |
| 人の車いすのドア幅の目安 | 有効開口 750〜800mm以上。同じ資料が例に挙げた片開きドアは 740.5mm[5] |
| 乗せておける時間 | 3社とも見守りと休憩を前提に書いている[1][2][3] |
くらすけ
「車椅子があれば、家の中でもずっと走り回れると思ってまちた。」——メーカーは、通れる幅と、降りて休む時間の話を先にしてまつ。
先に結論
- 犬の車椅子は室内でも使えると、確認した海外メーカー2社が書いています。ただし条件は、犬の大きさと、ドアと廊下の幅です[1][2]
- 車輪は脚と体より外に張り出します[2]。通れるかどうかは、犬の幅ではなく車輪の外側どうしの幅で決まります
- その幅の数字は、メーカーのページには書かれていませんでした。自分で測って、ドアの有効開口(実際に通れる幅)と比べることになります
- 車椅子は、乗せたままにしておく道具ではありません。3社とも、見守ることや、降ろして休ませることを書いています[1][2][3]。家の側には「降りて休む場所」を用意します
1. 犬の車椅子は、家の中で使える?
使える、というのが海外メーカー2社の答えでした。ただし、条件付きです。(国内のはな工房のご利用ガイドには、室内での使用についての記載はありませんでした[3])
アメリカの犬用車椅子メーカー Walkin’ Pets は、よくある質問でこう答えています[1]。
「Yes a dog wheelchair can be used inside the house. Although the size of the dog, width of the doorways and hallways are determining factors.」[1]
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(家の中でも使えます。ただし、犬の大きさと、ドアや廊下の幅によって決まります。/訳は当編集部)
同じくアメリカの K9 Carts は、もう一歩踏み込んでいます[2]。
「Please remember that the wheels of the cart extend out beyond the legs and body, so in confined areas indoors; large carts are not normally recommended.」[2]
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(車輪は脚や体より外に張り出すことを覚えておいてください。室内の狭い場所では、大きな車椅子は通常おすすめしません。/訳は当編集部)
つまり、家の中で使えるかどうかは、車椅子ではなく家の幅で決まる、というのが2社の書き方です。
2. ドアや廊下を通れるかは、何で決まる?
車輪の外側どうしの幅と、ドアの「有効開口」です。
困ったのは、その幅の数字がどこにも書かれていなかったことです。国内の犬用車椅子の工房「はな工房」のご利用ガイドで「幅」が出てくるのは2か所で、どちらも注文時の採寸項目でした[3]。
「胴の幅(一番広い部分)」[3]
犬の車椅子は犬の体に合わせて作るものが多く、幅は犬ごとに変わるためだと考えられます(当編集部の推測)。Walkin’ Pets の「家の中で使えるか」だけを扱った回答ページも、書かれていたのは「indoors and outside」で使えるという1文だけでした[4]。
一方、人の車いすには、ドアの目安の数字があります。建材メーカーの DAIKEN は、室内ドアについてこう答えています[5]。
「車イスのサイズは一般的に550~700mmです。」[5]
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「人が乗った際の肘の張り出し等を考慮すると750~800mm以上の有効開口幅がお勧めです。」[5]
同じ回答には、ドアの種類ごとの有効開口寸法も載っています[5]。
| ドアの種類(DAIKEN の例) | 枠外幅 | 有効開口寸法 |
|---|---|---|
| 片開きドア | 850mm | 740.5mm |
| 折戸ドア | 930mm | 753mm |
| 引き戸・吊戸片引き | 1,645mm | 787.5mm |
| 引き戸・吊戸片引き | 1,745mm | 837.5mm |
※DAIKEN の回答から当編集部が表にした
⚠️ ここで分かったこと: DAIKEN が例に挙げた片開きドア(枠外幅850mm)の有効開口は 740.5mm で、同じ回答が人の車いすに勧める 750〜800mm に届いていません[5](比較は当編集部)。表の4例とも、ドアの「枠の幅」と「実際に通れる幅」は10cm以上違います(引き算は当編集部)。
犬の車椅子は人の車いすより小さいことが多いはずですが、数字が無い以上、自分で測って比べるしかありません。
3. 家で測るのはどこ?
車椅子の側で1か所、家の側で2か所です(当編集部の整理)。
| 測るところ | 測り方 |
|---|---|
| 車椅子のいちばん広いところ | 左右の車輪の外側どうし。K9 Carts が書くとおり、車輪は体より外に出ます[2] |
| ドアの有効開口 | 扉を開けた状態で、枠や扉の厚みを除いて実際に通れる幅。DAIKEN の片開きドアの例では枠外幅より約110mm狭い[5] |
| 廊下の幅と曲がり角 | 廊下の幅に加えて、曲がり角で車椅子の向きを変えられるか |
車椅子の幅がドアの有効開口ぎりぎりの場合、壁や枠に車輪が当たります。
くらすけ
「ドアの枠の幅じゃなくて、開けたときに通れる幅なんでつね。」——車椅子も、体じゃなくて車輪の外側で測るんでつ。
段差やスロープについては犬用スロープの選び方|安全な勾配と、玄関・ソファの段差の直し方で、人の車いすの勾配基準との違いを扱っています。
4. 車椅子に、どのくらい乗せておける?
3社とも、乗せたままにしておく道具としては書いていませんでした。
Walkin’ Pets は、乗せておける時間は犬によって違うので獣医師に相談するよう書いたうえで、こう続けています[1]。
「your dog should always be supervised while in their wheelchair」[1]
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(車椅子に乗っている間は、常に見守ってください。/訳は当編集部)
慣れるまでは「10 to 15 minute increments」(10〜15分ずつ)を1日に何回か、とも書いています[1]。
国内のはな工房も同じです[3]。
「車椅子のご利用は、目の届く範囲でご使用をお願い致します。」[3]
K9 Carts は、休ませ方について書いています[2]。
「Larger breeds use the carts just for exercise, and do need to be taken out to rest.」[2]
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(大きな犬は運動のためだけに車椅子を使い、休ませるときは降ろす必要があります。/訳は当編集部)
Walkin’ Pets も、車椅子は「upright and standing position」(立った姿勢)を支えるためのものだと書いています[1]。
乗せておける時間や、その子に合った使い方は、かかりつけの獣医師に相談してください。
5. 家の側で用意するものは?
車椅子を使う場所の近くに、降りて休める場所です。
見守りながら短い時間で使い、終わったら降ろして休ませる。メーカーの書き方をそのまま家に当てはめると、車椅子で動く場所のすぐそばに、寝床を置いておくことになります(当てはめは当編集部)。
K9 Carts は、胴の短い犬について、前側を乗せて休める厚めのベッドを用意するよう書いています[2]。
「We do recommend a thick bed be made available to your dog」[2]
車椅子から降りている時間の床も大切です。Walkin’ Pets は、滑りやすいフローリングやタイルについて、室内用の滑り止めの靴下やブーツを挙げています[6]。
「Slippery hardwood and tile flooring can be tricky for senior or handicapped pets to navigate.」[6]
床の滑りやすさの見分け方は老犬のフローリング対策|滑る床の見分け方と、今日できること、寝床と動線の考え方は老犬の介護の部屋作り|寝床・トイレ・動線で負担を減らすにまとめています。
よくある質問
Q. 犬の車椅子の幅は、どこで分かりますか?
A. 今回確認したメーカーのページには、車椅子そのものの幅の数字は書かれていませんでした[1][2][3][4]。注文や試乗のときに、左右の車輪の外側どうしの幅をメーカーに確認するか、届いたあとに測ってください。
Q. 家のドアは、どのくらいの幅があれば通れますか?
A. 犬の車椅子の目安は見つかりませんでした。人の車いすでは、DAIKEN が750〜800mm以上の有効開口を勧めています[5]。犬の車椅子の幅を測って、ドアの有効開口と比べてください。
Q. 車椅子に乗せたまま留守番させてもいいですか?
A. Walkin’ Pets は「常に見守って」、はな工房は「目の届く範囲で」と書いています[1][3]。
編集部の結論
調べる前は、車椅子を選べば家の中の移動も解決すると思っていました。実際には、メーカーは「使えるかどうかは家の幅しだい」と書き、その幅の数字は書いていませんでした。
- 通れるかは、車輪の外側の幅とドアの有効開口で決まる[1][2][5]
- DAIKEN が例に挙げた片開きドアでは、有効開口は枠外幅より約110mm狭い[5]
- 車椅子は見守って短く使い、降りて休む場所を近くに置く[1][2][3]
測る場所は、家の側にあります。ドアや廊下が車椅子の幅に足りるか、足りなければ引き戸に替えるなどの工事が必要かは、家ごとに変わります。写真や寸法を見ながら確認できますので、迷ったら相談窓口をお使いください。
わが家の場合はどうなるか相談する
工事が必要かどうかの切り分けから相談できます。相談は無料です。お見積りは施工会社が現地を見たうえで作成します。
参考文献・出典
(すべて2026年9月25日確認)
- Walkin’ Pets「Dog Wheelchair FAQ」(Can a dog wheelchair be used indoors? /How long can a dog be left in a wheelchair? /Can my dog lie down while using a wheelchair?) https://walkinpets.com/blogs/blog/frequently-asked-questions-about-dog-wheelchairs
- K9 Carts「FAQs」(Is my pet able to use the cart indoors? /Can my pet lie down while in the wheelchair?) https://k9carts.com/pages/faqs
- はな工房「ご利用ガイド」(採寸/車椅子の使用について) https://hana-kobo.jp/guide/
- Walkin’ Pets Support「Can my dog use their Walkin’ Wheels inside the house?」 https://walkinpets.onsitesupport.io/knowledge-base/article/can-my-dog-use-their-walkin-wheels-inside-the-house
- DAIKEN お客様サポート「一般住宅の室内ドアで、車椅子が通るのにどれぐらいの有効開口寸法が必要ですか?」(No:117・更新日時 2026/07/07) https://faq.daiken.jp/faq/show/117?site_domain=user
- Walkin’ Pets「Indoor Mobility Solutions for Handicapped Pets」 https://walkinpets.com/blogs/blog/indoor-pet-mobility-solutions
※本記事は住まいづくりの観点から一般的な情報を提供するものであり、個々のペットの診断・治療に代わるものではありません。歩き方や行動に気になる変化がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。

