猫の引っ越し|当日の運び方と、慣れるまでの部屋づくり

猫の引っ越し|当日の運び方と、慣れるまでの部屋づくり
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猫の引っ越しは、荷造りより先に「猫を何で運ぶか」と「新居のどの部屋に入れるか」を決めるのが順番です。

編集部で引越運送の約款を読むと、「動植物」は引受けを拒絶することがある荷物に挙げられていました[1]。さらに海外の猫の団体3つの手順を並べると、「3週間」「4週間」という数字は、外に出す猫を家に留める期間でした[6][7]。室内で暮らす猫が「何日で慣れるか」を書いた団体は、3つともありませんでした[6][7][8]。

くらすけ

くらすけ

ぼくはトラックの荷物じゃないんだね。じゃあ、どうやって運ばれるの?

目次

先に、数字だけ

手段確認できたこと
引越業者のトラック標準約款では、動植物は引受けを拒絶することがある荷物[1]
電車(JR東海・東日本・九州)動物専用ケースで3辺合計120cm以内、ケース込み10kg以内、1個290円[2][3][4]
自家用車動物の輸送全般の基準として、「なるべく短い時間」で、必要に応じて休憩を取る[5]

飛行機と、ほかの鉄道会社は今回確認していません。利用する場合は、その会社の条件を確かめてください。

猫は何で運ぶ?

引越業者に頼めるとは限らない

国土交通省の標準引越運送約款は、引受けを拒絶することがある荷物として、次のものを挙げています。

動植物、ピアノ、美術品、骨董品等運送に当たって特殊な管理を要するため、他の荷物と同時に運送することに適さないもの[1]

「拒絶することがある」なので、一律に禁止ではありません。ただ、これは標準の約款で、実際の扱いは事業者ごとの約款と見積もりで決まります。見積もりの時点で「猫がいる」と伝え、荷台に乗せる前提で計画しないのが安全です(この読みは編集部のものです)。

電車なら、ケースの大きさと重さを先に測る

JR東海の案内では、次の条件になっています[2]。JR東日本、JR九州の案内も同じ数字でした[3][4]。

  • タテ・ヨコ・高さの合計が120センチ以内の動物専用のケース
  • ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内
  • 手回り品料金は1個につき290円

JR東海は、次の点も書いています。

ペットは全身が入るケースに入れてください。抱いたままやバッグに入れた状態ではご利用いただけません。[2]

10キロはケース込みの重さです。家にあるキャリーに猫を入れて、体重計で量っておくと確実です。

車なら、短い時間で、車内に残さない

環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」は、輸送について次のように書いています。

家庭動物等の疲労及び苦痛をできるだけ小さくするため、なるべく短い時間による輸送方法を選択するとともに、輸送時においては必要に応じ適切な休憩時間を確保すること。[5]

輸送に用いる容器等は、動物の安全の確保及び動物の逸走を防止するために必要な規模及び構造のものを選定すること。[5]

オーストラリアの Cat Protection は、車内に猫だけを残さないよう強く注意しています[7]。荷物の搬出や鍵の受け渡しで車を離れる場面が出ないよう、当日の動きを先に決めておくのがよさそうです。

3つの団体を並べて分かったこと

編集部で、英国の Cats Protection、オーストラリアの Cat Protection、RSPCA オーストラリアの3つの資料を並べました。Cats Protection と Cat Protection は名前が似ていますが、別の団体です。

Cats Protection(英国)[6]Cat Protection(豪州)[7]RSPCA(豪州)[8]
新居で1部屋に留める期間数日(a few days)最初の数日(first few days)2日ほど(a couple of days)
部屋を広げるとき猫が出たがるのを見て荷解きが終わってから続く数日で少しずつ
キャリーに入れるとき出発の準備ができたら出発の少なくとも30分前記載なし
外に出すまで少なくとも3週間少なくとも4週間(囲いが無い場合)週数の記載なし(敷地内にとどめることを推奨)

「まず1部屋」は3団体とも同じでした。一方で、キャリーに入れる時刻は「出発のとき」と「30分前」で分かれていて、どちらが良いかを決める資料は今回見つかりませんでした。

編集部がいちばん気をつけたいと思ったのは、下の行です。3週間・4週間は、外に出す猫をいつ外へ出すかの話です。環境省の基準は猫の屋内飼養に努めることを求めていて[5]、室内で暮らす猫にそのまま当てはまる数字ではない、というのが編集部の読みです。Cats Protection はこの期間を、新しい家が安全だと覚え、自分のにおいをつける時間と説明しています[6]。Cat Protection は室内外を分けず、移動後4〜6週間は猫の負担を減らす対応が要ることがあるとも書いています[7]。ただ、どちらも「何週間で慣れる」とは書いていません。

くらすけ

くらすけ

「3週間」は、お外に出す猫をおうちに留める期間の話なんだね。

引っ越しの2週間前から前日まで

Cats Protection の手順を、室内飼いの家に合わせて並べると次のようになります[6]。

  1. 2週間前: 今の家と新居で、静かな部屋を1つずつ決める
  2. 1週間前: 今の家のその部屋に、ベッド、トイレ、キャリー、フードの器を置き、そこで食事をあげ始める
  3. 前日の夜: 爪とぎ、おもちゃ、水の器も移し、窓を閉めて猫をその部屋に入れる

Cat Protection は、キャリーを数日前から扉を開けて部屋に置いておくことも勧めています[7]。

預ける方法もあります。Cats Protection は選択肢として、ペットホテル、知人の家、一緒に過ごす、の3つを挙げ、その猫にとっていちばんストレスの少ないものを選ぶと書いています[6]。家の新築やリフォームの工期が延びて預け先や仮住まいを探す場合は、リフォームの仮住まいでペット可を探すも参考になります。

当日は、荷物が出るあいだ1部屋に入れておく

当日のいちばんの注意は、玄関が開いたままになる時間です。Cats Protection は当日も猫をその部屋に入れておく手順にしています[6]。

  • 荷物の搬出が始まる前に、猫を部屋に入れて窓とドアを閉める
  • 作業員と家族に、猫のいる部屋を伝える
  • ドアに張り紙をする(Cats Protection は新居で勧めています[6]が、今の家でも同じです。この読みは編集部のものです)

環境省の基準は、逸走の防止と、逸走したときに所有者が分かるようにする所有明示(マイクロチップの装着等)も求めています[5]。マイクロチップの登録情報の変更は引っ越し後に手続きが要るので、マイクロチップの登録変更|引っ越しの期限と犬の鑑札を確かめてください。

新居に着いたら、まず1部屋

Cats Protection は、新居に着いたら猫をそのまま用意した部屋へ連れて行くと書いています[6]。部屋に置くものは次のとおりです。

  • ベッド
  • トイレ
  • フードと水
  • 爪とぎ
  • おもちゃ
  • 飼い主のにおいがついた洗っていない衣類
  • 段ボール箱のような隠れられるもの[6]

隠れられる箱は、英国と豪州の2団体がそろって挙げていました[6][7]。Cat Protection は、移動後の数日は隠れるかもしれないと書いています[7]。猫の隠れ場所の考え方は猫の隠れ家は必要?で扱っています。

トイレの場所について、Cat Protection は、最初は猫から見つけやすい場所に置き、使えるようになってから少しずつ移すと書いています[7]。

部屋を広げる前に、窓と玄関を見る

Cats Protection は、部屋から出すときは、外に通じるドアと窓がすべて閉まっていることを確かめるよう書いています[6]。RSPCA も、ドアと窓を閉め、ほかの逃げ道もふさぐよう書いています[8]。

新居の網戸やベランダの状態は、猫を部屋から出す前に見ておきたいところです。窓は猫の窓・ベランダからの脱走と転落を防ぐ、玄関は猫の脱走防止|柵の高さと隙間、家の出口の測り方で扱っています。

部屋を広げたあとも、Cats Protection は、猫がいつでも最初の部屋へ戻れるようにしておくことを勧めています[6]。

順番のまとめ

  1. 何で運ぶかを決める。業者に頼む前提にしない[1]
  2. 電車ならケース込みの重さを量る[2]
  3. 今の家と新居で、静かな部屋を決める[6]
  4. 前日の夜から猫をその部屋に入れる[6]
  5. 当日は猫のいる部屋を全員に伝える[6]
  6. 新居ではまず1部屋。隠れられる箱を置く[6][7]
  7. 窓とドアを確かめてから部屋を広げる[6][8]
  8. マイクロチップを登録している猫は、変更を届け出る[5]

よくある質問

Q. 猫は何日で新しい家に慣れますか?

A. 今回確認した3団体の資料に、何日で慣れると書いたものはありませんでした。週数で書かれているのは「外に出すまで」と、Cat Protection の「移動後4〜6週間は負担を減らす対応が要ることがある」です[6][7]。1部屋に留める期間は数日単位です[6][7][8]。Cats Protection は、部屋を出る準備ができたかは猫の性格によると書いています[6]。

Q. 引っ越してから隠れたまま出てきません。

A. Cat Protection は、移動後の数日は隠れたがるかもしれないと書いています[7]。Cats Protection は、隠れることを引っ越しで見られる行動の変化の1つに挙げ、心配なら獣医師に相談するよう書いています[6]。様子が気になるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。

Q. 引っ越してから鳴き続けるのは、なぜですか?

A. 今回確認した資料からは、理由は判断できませんでした。気になる場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。

Q. 高齢の猫でも引っ越しはできますか?

A. Cats Protection は、高齢の猫は大きな変化がより負担になることがあるとして、引っ越しの数週間前に動物病院へ行き、その猫に合った助言を受けることを挙げています[6]。

Q. 新居はペット可なら、すぐ入居して大丈夫ですか?

A. 環境省のガイドラインは、飼える動物の種類、大きさ、頭数などが規約で定められていることがほとんどだと書いています[9]。入居の前に、猫の頭数まで含めて規約を確かめてください。

編集部の結論

猫の引っ越しは、「運び方」と「最初の1部屋」を先に決めると、当日の動きが決まります。

  • 標準の約款では、動植物は引受けを拒絶することがある荷物でした[1]
  • 電車はケース込み10kg、3辺合計120cm以内、1個290円でした[2][3][4]
  • 「まず1部屋」は3団体で共通でした[6][7][8]
  • 3週間・4週間は外に出す猫を家に留める期間で、慣れる日数として書かれたものではありません[6][7]

今回確認したのは国内の約款と鉄道会社の案内、環境省の資料、海外の猫の団体の資料までです。国内の公的資料で引っ越しの手順そのものを書いたものは今回見つかっておらず、手順は海外の資料をもとにしています。

自分の家の場合はどうなるか

新居の窓に網戸の補強が要るか、玄関に柵を付けられるか、賃貸で穴を開けずにできるか——こうした条件は間取りと契約で変わります。

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この記事は、公的機関・メーカー等が公表している資料(出典と確認日は本文に記載)を整理したもので、獣医師による診断・治療・投薬などの助言ではありません。ペットの体調や行動で気になることがある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。

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参考文献・出典

  1. 国土交通省「標準引越運送約款」(平成二年運輸省告示第五百七十七号・最終改正 令和七年国土交通省告示第百九十三号)第4条第2項 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001881518.pdf (確認日: 2026年11月5日)
  2. JR東海「手回り品」 https://railway.jr-central.co.jp/ticket-rule/rule47.html (確認日: 2026年11月5日)
  3. JR東日本「新幹線や電車に犬や猫を持ち込むには「手回り品きっぷ」が必要!利用ルールも解説」(JREメディア・2026年9月9日更新) https://media.jreast.co.jp/articles/408 (確認日: 2026年11月5日)
  4. JR九州「手回り品」 https://www.jrkyushu.co.jp/railway/ticket/rule/07/ (確認日: 2026年11月5日)
  5. 環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号・最終改正 令和4年環境省告示第54号)第3の5・7・10、第5の2 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_r02_21_1.pdf (確認日: 2026年11月5日)
  6. Cats Protection(英国)”Moving house with a cat: Advice for every stage of the move” https://www.cats.org.uk/help-and-advice/home-and-environment/moving-home-with-your-cat (確認日: 2026年11月5日)
  7. Cat Protection(オーストラリア)Factsheet “Moving house with your cat”(2024年12月) https://catprotection.org.au/wp-content/uploads/2024/12/Factsheet_Moving_house_with_your_cat_December_2024.pdf (確認日: 2026年11月5日)
  8. RSPCA Australia Knowledgebase “How can I help my cat adjust to a new home?”(2024年5月30日更新) https://kb.rspca.org.au/knowledge-base/how-can-i-help-my-cat-adjust-to-a-new-home (確認日: 2026年11月5日)
  9. 環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(平成22年2月) https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2202.pdf (確認日: 2026年11月5日)
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この記事を書いた人

メーカーの仕様書やFAQを複数社ぶん並べて、書いてあることの違いを確かめてから記事にしています。「ペット用」と書いてあっても、中身は各社でけっこう違います。工事が要らないなら要らないと書きますし、間違えたら訂正を出して残します。

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