夜だけ猫をケージに入れている家で、冬が近づくと気になるのが「暖房を切った部屋で、ケージの中は寒くないのか」です。ラッコキーワードの「よくある質問検索」で「猫 ケージ 夜」を調べると、相対需要のいちばん高い質問は「猫を冬暖房なしで夜にケージに入れるとどうなりますか?」でした[6]。
ケージに入っている猫は、寒くても部屋の暖かい場所へ移れません。そこで編集部は、ケージの中に敷くペット用ヒーターは「どのくらいの大きさ」を選べばよいのかを、ヒーターのメーカー資料とケージの寸法から確かめました。
| 見たこと | 結果 |
|---|---|
| ヒーターの大きさの目安 | GEX は「ケージの底面積の約1/3」[1](小動物向けのページ) |
| そう書く理由 | 全面を覆うと「暑くなった時に生き物が避難する場所がなくなって」しまう[1] |
| 猫ケージの床と、ヒーター4製品を突き合わせると | 28通りのうち12通りが床の4割超。角型LLは入る6機種中4機種で7割以上(計算は当編集部)[3][4][5] |
| 床に敷くヒーターは部屋を暖めるか | 「空気を暖めたり離れた場所を暖めたりする機能はありません」[1] |
くらすけ
「ヒーターは大きいほうが、たくさん暖まって安心だと思ってまちた。」——大きすぎると、暑いときに逃げる場所がなくなるんでつね。
先に結論
- ケージに敷くヒーターは、1段目の床を全部覆わない大きさにする。ヒーターのメーカー(GEX)は、底面積の約1/3を目安にしています[1]
- よくある猫ケージ(1段目の床が約615×475mm)なら、アイリスの角型M(375×265mm)でおよそ3分の1、角型LL(530×400mm)だと7割を超えます(計算は当編集部)[3][4]
- 床に敷くヒーターは、触れている面を暖めるもので、ケージの中の空気や部屋は暖めません[1]。部屋の寒さそのものは、置き場所と窓の側で考えます
- 獣医師の記事では、猫が快適と感じる室温は20〜28℃、子猫と高齢猫はやや高めとされています[2]
- ヒーターは低温やけどにも注意が要るとされています[2]。同じ場所に当たり続けない形にしておくことが、ここでも「逃げ場を残す」につながります
1. ケージに入っている猫は、寒くても移動できない
獣医師が書いた、どうぶつ病院京都 四条堀川の記事は、冬の部屋について次のように書いています[2]。
「猫は自分にとって居心地の良い場所を移動して過ごす傾向がありますので、部屋は自由に行き来できるようにしておくと良いでしょう。」[2]
夜にケージへ入れると、猫が動ける範囲はケージの中だけになります。部屋の中なら、寒ければ毛布や人のそばへ、暑ければ涼しい床へ自分で移れますが、ケージの中ではそれができません。(当てはめは当編集部)
同じ記事は、猫が快適と感じる室温をこう書いています[2]。
「猫が快適と感じる室温は20~28℃です。」[2]
「子猫(6ヶ月未満)は、体温調節機能が未発達なため、高齢猫(7歳以上)は筋肉量の低下で寒さに弱くなるため、やや高めの設定がおすすめです。」[2]
また、この病院では「12月から2月にかけて当院を受診する猫の約40%が、膀胱炎や尿石症などの泌尿器疾患」だったとし、寒いと水を飲む量が減ることを理由の一つに挙げています[2](1つの病院の受診データで、猫全体の割合ではありません)。
暖房を切った部屋で夜にケージを使うなら、「部屋が何℃になるか」と「ケージの中に暖かい場所と、そうでない場所があるか」の2つを見ることになります。
部屋の温度は、人の高さと床の近くで違うことがあります。床に近いほど冷える家があることは、冬、犬が寝ている場所は何℃?で国の調査をもとに整理しました。ケージの1段目は、床にいちばん近い段です。
2. ヒーターの大きさは「底面積の約1/3」
ペット用ヒーターを作っている GEX(ジェックス)は、ヒーターの選び方の記事で、サイズについて次のように書いています[1]。
「サイズ選びのポイントはケージの底面積の約1/3を選ぶこと。」[1]
>
「全面をカバーするサイズにしてしまうと、暑くなった時に生き物が避難する場所がなくなってしまいます。」[1]
⚠️ この記事はハムスターやうさぎなど小動物のケージについて書かれたものです。猫のケージについて同じ目安を書いた資料は、今回は見つけられませんでした。それでも「暖かい場所と、離れられる場所を両方つくる」という考え方は、動ける範囲がケージの中に限られる点で猫も同じだと、編集部は考えます。(読み替えは当編集部)
同じ記事には、もう1つ大事なことが書かれていました[1]。
「どちらのヒーターも触れている面は暖かくなりますが、空気を暖めたり離れた場所を暖めたりする機能はありませんので生き物の近くに設置してあげることが大切です。」[1]
床に敷くタイプのヒーターは、乗ったところが暖かくなるものです。ケージの中の空気や部屋の温度を上げるものではありません。「ヒーターを入れたから部屋は寒くても大丈夫」とは言えない、ということです。
くらすけ
「ヒーターは『座布団がぽかぽか』で、『部屋がぽかぽか』じゃないんでつね。」
3. 猫ケージの床に、市販のヒーターを置いてみると
では、実際の猫ケージに、市販のヒーターはどのくらいの割合を占めるのか。編集部は、アイリスオーヤマの猫ケージ9ページ[3]から1段目の内寸を拾い、ペット用ヒーター4製品[4][5]の大きさと突き合わせました。
使ったヒーターの寸法は次のとおりです。
| ヒーター | 大きさ(幅×奥行) | メーカーの対象の書き方 |
|---|---|---|
| アイリスオーヤマ ペット用ホットカーペット角型M PHK-M | 375×265mm | 「トイプードル、チワワ、ミニチュアダックス、猫等」[4] |
| 同 角型L PHK-L | 430×310mm | 「ミニチュアダックス、シー・ズ―、トイプードル、猫等」[4] |
| 同 角型LL PHK-LL | 530×400mm | 「コーギー、シー・ズー、柴犬、ミ…」(猫の記載なし)[4] |
| マルカン 遠赤外線やわらかホッとヒーター適温設定M DA-412 | 約348×245mm | 「超小型犬~小型犬・猫全般」[5] |
アイリスの角型は、MとLの対象に「猫等」とあり、LLには猫の記載がありませんでした[4]。
これを、ケージ1段目の床と重ねた結果です(ヒーターが床の何%を覆うか・計算は当編集部)。
| ケージ(1段目の内寸) | 角型M | 角型L | 角型LL | マルカンM |
|---|---|---|---|---|
| キャットランドケージ スリム PCLC-703/ミニ PMCC-115/ルーフ RFC-704(615×475mm) | 34.0% | 45.6% | 72.6% | 29.2% |
| コンパクトキャットケージ(616×471mm) | 34.3% | 45.9% | 73.1% | 29.4% |
| スリムキャットケージ(675×400mm) | 36.8% | 49.4% | 78.5% | 31.6% |
| ファニチャースタイルケージ(550×475mm) | 38.0% | 51.0% | 81.1% | 32.6% |
| 広々スリムキャットケージ 1台(585×390mm) | 43.6% | 58.4% | 入らない | 37.4% |
| キャットランドケージ ワイド PCLC-903(835×540mm) | 22.0% | 29.6% | 47.0% | 18.9% |
| ペットケージ/ウッディキャットケージ(820×520mm) | 23.3% | 31.3% | 49.7% | 20.0% |
※内寸はアイリスオーヤマの各商品ページの「内寸サイズ(約)」[3]。ヒーターの寸法は各商品ページの商品サイズ[4][5]。割合は「ヒーターの幅×奥行 ÷ 1段目の内寸の幅×奥行」で、当編集部が計算した値です。
分かったことは3つあります。
- よくある幅60cm前後の猫ケージでは、角型Mかマルカンの M がおよそ3分の1。GEX の目安に近いのはこのあたりでした
- 角型LLは、入る6機種のうち4機種で床の7割以上を覆います。猫が暑くなったときに降りられる床がほとんど残りません
- 28通りのうち、床の4割を超えるのは12通り。「猫用として売っているから大丈夫」ではなく、ケージの床の大きさとの組み合わせで決まります
棚板に置くと、ほぼ全面になる
「1段目は寒いから、上の段に置けばいい」と考えることもあると思います。キャットランドケージ スリムの棚板は「267×465mm」です[3]。
ここに角型M(375×265mm)を縦に置くと、幅のすき間は2mm、棚の80.0%を覆います(マルカンのMなら68.7%)。角型L・LL は棚に入りません(計算は当編集部)。
棚板にヒーターを置くと、その段はほぼ全面が暖かい場所になります。その場合は、ほかの段か1段目の床を「暖かくない場所」として残しておくことになります。棚の奥行と置けるものの関係は、猫のケージのレイアウトで詳しく扱っています。
くらすけ
「同じ『猫用M』でも、どのケージに入れるかで『3分の1』にも『8割』にもなるんでつね。買う前にケージの床を測りまつ。」
4. ヒーターを入れるときに見ておくこと
温度の書き方は製品で違う
マルカンの DA-412 は、設定できる温度を次のように書いています[5]。
「設定温度範囲:30~45℃(室温18℃時)」[5]
括弧の中の「室温18℃時」が条件です。部屋がもっと冷えれば、表面の温度も変わりうると読めます(読み方は当編集部)。アイリスの角型の商品ページには、表面温度の記載はありませんでした(今回取得したページの本文で「温度」「℃」とも0件)[4]。
低温やけどと、同じ場所に当たり続けること
獣医師の記事は、エアコン以外の暖房器具について次のように書いています[2]。
「ストーブやヒーター、こたつなどエアコン以外の暖房器具を使用する際は注意が必要です。低温やけどや毛やひげのこげ、脱水などが起こる可能性があるからです。」[2]
ヒーターの上から降りられる床を残しておくことは、暑すぎるときの逃げ場であると同時に、同じ場所に当たり続けないための逃げ場にもなります。床暖房の上に敷くマットと低温やけどの考え方は、床暖房とペットで扱いました。
水飲み場は窓から離す
同じ記事は、冬の水飲み場について「窓際に水飲み場があると冷気で冷えてしまいます」と書いています[2]。ケージごと窓際に置いている場合、ケージの中の水入れも窓に近くなります。ケージの置き場所は猫のケージの置き場所、ケージに付ける水入れは猫のケージの水飲みで整理しています。
5. 結局、どうすればいい?
| あなたの家の状況 | 考え方 |
|---|---|
| 夜、ケージを置く部屋の暖房を切る | ケージの1段目の床を測り、床の3分の1前後のヒーターを片側に寄せて敷く[1] |
| ケージの幅が60cm前後 | 角型Mかマルカン M でおよそ3分の1。LL は7割を超える(当編集部の計算) |
| 上の段にヒーターを置きたい | その段はほぼ全面が暖かくなる。別の段か1段目を暖かくない場所として残す |
| 子猫・高齢猫 | 獣医師の記事では、室温はやや高めが勧められている[2]。ヒーターだけで補えるかは、部屋の温度を測って判断する |
| 部屋自体がかなり冷える | ヒーターは部屋を暖めない[1]。ケージを窓から離す・部屋の寒さを減らすほうを先に考える |
「夜だけケージに入れる生活を、いつまで続けるか」は猫のケージはいつまで?、ケージにかける布については猫のケージカバーで扱っています。
よくある質問
Q. 猫を冬、暖房なしで夜にケージに入れても大丈夫ですか?
A. 家の寒さによります。獣医師の記事では猫の快適な室温は20〜28℃とされています[2]。夜の間、ケージを置く部屋が何℃まで下がるかを、ケージの1段目の高さで一度測ってみてください。ヒーターを入れる場合は、床を全部覆わない大きさにします[1]。
Q. ヒーターは大きいほうが暖かくていいのでは?
A. ヒーターのメーカー GEX は、全面を覆うと「暑くなった時に生き物が避難する場所がなくなって」しまうとして、底面積の約1/3を目安にしています[1](小動物向けの記事)。
Q. ケージにヒーターを入れれば、部屋は寒くてもいい?
A. 床に敷くヒーターについて GEX は「空気を暖めたり離れた場所を暖めたりする機能はありません」と書いています[1]。乗ったところが暖かくなるもので、部屋の代わりにはなりません。
Q. 夜にケージの中で鳴くのはなぜですか?
A. 理由はいくつも考えられ、この記事の資料からは判断できません。ケージに慣れていない場合の置き場所や中身の見直しは猫がケージに入らないで扱っています。いつもと違う鳴き方が続くときは、かかりつけの獣医師に相談してください。
編集部の結論
「ヒーターは猫用と書いてあれば大丈夫」ではありませんでした。同じ製品でも、ケージの床の大きさによって、床の3分の1にも、7割以上にもなります。
夜のケージで編集部が大事だと考えるのは、ケージの中に「暖かい場所」と「そこから降りられる場所」を両方つくることです。そして、床に敷くヒーターは部屋を暖めないので、部屋の寒さそのもの(窓の近さ・床の冷え)は別に考える必要があります。
ケージを置く部屋が冷えやすい、窓の近くしか置き場所がない、といった間取りの事情は、住まいの側で変えられることがあります。
自分の家の場合はどうなるか、確かめる
ケージを置ける場所が窓際しかない、夜になると部屋がかなり冷える——こうした条件は、窓の断熱や置き場所の変更で変えられる場合があります。ただ、どこまで工事が要るかは家ごとに違います。
「ペットのくらし」の相談窓口では、工事が必要かどうかの切り分けから無料で相談できます。見積もりは、施工会社が現地を見て作ります。
→ 無料で相談する
※本記事は住まいづくりの観点から一般的な情報を提供するものであり、個々のペットの診断・治療に代わるものではありません。歩き方や行動に気になる変化がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
参考文献・出典
- 株式会社ジェックス(GEX)「ヒーターって必要?小動物用ヒーターの種類と使い方」 https://www.gex-fp.co.jp/animal/blog/product/saheater/ (確認日: 2026年9月25日)
- どうぶつ病院京都 四条堀川「猫の冬の室内環境管理のポイントを獣医師が解説」(2025年10月7日) https://animal-shijo.com/blog/%E7%8C%AB%E3%81%AE%E5%86%AC%E3%81%AE%E5%AE%A4%E5%86%85%E7%92%B0%E5%A2%83%E7%AE%A1%E7%90%86%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%92%E7%8D%A3%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E3%81%8C%E8%A7%A3%E8%AA%AC/ (確認日: 2026年9月25日)
- アイリスオーヤマ株式会社「猫ケージ」各商品ページ(キャットランドケージ、コンパクトキャットケージ、ミニキャットケージ、スリムキャットケージ、広々スリムキャットケージ、ルーフキャットケージ、ファニチャースタイルケージ、ペットケージ、ウッディキャットケージ) https://www.irisohyama.co.jp/products/pet-supplies-pet-food/pet-supplies/cat-cage (確認日: 2026年9月25日)
- アイリスオーヤマ株式会社「ペット用ホットカーペット 角型タイプ」 https://www.irisohyama.co.jp/products/pet-supplies-pet-food/pet-supplies/hot-carpets-for-pet/hot-carpets-for-pet-square-type (確認日: 2026年9月25日)
- 株式会社マルカン「遠赤外線やわらかホッとヒーター適温設定 M」DA-412 https://page.mkgr.jp/product/16355/ (確認日: 2026年9月25日)
- ラッコキーワード「よくある質問検索」(キーワード「猫 ケージ 夜」・26件・2026年9月25日取得)

