猫の多頭飼いと賃貸|何匹までかは契約のどこで決まる

猫の多頭飼いと賃貸|何匹までかは契約のどこで決まる
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「猫 多頭飼い 賃貸」は月に320回検索されています[5]。

編集部がまず驚いたのは、この語の周辺にほとんど質問が無かったことでした。よくある質問検索の結果は1件だけ。「猫の多頭飼い可能な賃貸物件の探し方は?」(相対需要1)です[5]。

一方でサジェストは15件あり、そのうち14件(93.3%)が地域名つきでした。大阪、千葉、東京、福岡、埼玉、京都、愛知、神奈川、札幌、名古屋、沖縄、関東、神戸(集計は当編集部)[5]。

つまりこの語は、ほぼ物件探しの言葉です。

編集部は不動産の仲介はしていないので、物件は紹介できません。代わりに調べたのは、「多頭飼い可かどうかは、そもそもどこに書かれているのか」でした。

くらすけ

くらすけ

募集の紙に「ペット可」って書いてあったら、2匹でもいいと思うでつよね。ダメなら先に書いておいてほしいでつ。

目次

先に結論

質問確認できた答え
国の契約書の雛形に頭数の欄はあるか無い。全31ページ・34,720字に「頭数」「匹」「多頭」はすべて0件(当編集部の実測)[1]
犬猫の飼育は禁止されているか禁止ではない。貸主の書面による承諾」が要る行為として別表第2に挙げられている[1]
全面禁止はどこか別表第1の「猛獣、毒蛇等の明らかに近隣に迷惑をかける動物」。犬猫は入っていない[1]
東京都のモデル規程は欄はある。ただし「犬又は猫については、○頭以内」で数字は空欄[2]
数字を出している例はUR都市機構のペット共生住宅で「1部屋につきいずれか1頭のみ」[3]
公営住宅は犬、猫、鳥などの動物の飼育はお断り(JKK東京・都営住宅)[4]

「多頭飼い可」を定めた公的な仕組みは、確認した範囲では1つも見つかりませんでした。頭数を決めているのは、その物件ごとの契約と細則だけです。

国の契約書の雛形には、頭数を書く欄が無い

国土交通省は「賃貸住宅標準契約書」という契約書のひな形を公開しています。使用は義務ではありませんが、民間の賃貸借契約の骨格として広く使われているものです。

編集部はこの平成30年3月版・連帯保証人型(全31ページ・抽出34,720字)を取得して検索しました[1]。

検索した語件数
頭数0件
0件
多頭0件
ペット11件
飼育6件
1件
1件

⚠️ 「頭」だけなら33件ヒットします。しかし前後を1件ずつ読むと、32件が「頭書」(契約書の冒頭に物件名や賃料を書く欄のこと)、残る1件は「頭に」でした。動物の頭数を指す「頭」は0件です(当編集部の実測)。件数だけを見て「頭数の定めがある」と読まないでください。

つまり、契約書の雛形の側には「何匹まで」という発想が最初から入っていません。

犬猫の飼育は「禁止」ではなく「承諾が要る行為」でした

ここは編集部としても意外でした。

標準契約書は、借主がしてはいけないこと・承諾が要ることを、別表という形で3段階に分けています[1]。

別表第1(第8条第3項関係)= 承諾があってもできないこと

五 猛獣、毒蛇等の明らかに近隣に迷惑をかける動物を飼育すること。[1]

別表第2(第8条第4項関係)= 貸主の書面による承諾があればできること

三 観賞用の小鳥、魚等であって明らかに近隣に迷惑をかけるおそれのない動物以外の犬、猫等の動物(別表第1第五号に掲げる動物を除く。)を飼育すること。[1]

犬と猫は、別表第1(禁止)ではなく別表第2(承諾)に置かれています(読み分けは当編集部)。

読み替えると、こうなります。

  • 「ペット不可」の物件でも、貸主が承諾すれば飼える形になっている
  • 承諾は「書面」で取るものとして書かれている
  • ただし承諾の中身(種類・頭数・大きさ)は、契約書の本文には書かれていない

そして契約書の解説には、特約として定める事項の例がこう挙がっています。

1居室内でのペット飼育を禁止している物件について、ペットの飼育を認める場合、その内容(第8条関係)[1]

「その内容」の中身は空欄です。何匹までかは、ここに書かれる想定になっています。

くらすけ

くらすけ

決める場所はあるのに、何を書くかは決まってないということでつか。じゃあ物件ごとに違って当たり前でつね。

東京都のモデル規程にも、数字は入っていませんでした

東京都は「集合住宅における動物飼養モデル規程」を公開しています。分譲・賃貸を問わず、集合住宅で動物を飼うときのルールづくりの骨格として示されているものです。

この規程には、頭数の条文があります[2]。

第7 居住者が飼うことのできる動物の数(一世帯当たり)は、次のとおりとする。ただし、複数の種類の動物を飼う場合の数は、別に定めるものとする。(頭羽数は、各集合住宅で定める。)

(1)犬又は猫については、○頭以内(頭数は、各集合住宅で定める。)

(2)小鳥については、○羽以内(羽数は、各集合住宅で定める。 )

(3)その他の動物については、○頭羽以内(頭羽数は、各集合住宅で定める。)[2]

数字は「○頭以内」のまま、空欄です。

解説にはこう書かれています。

動物の数についても、第6と同様の考え方により示しています。多頭飼育はトラブルの原因となることが多いため、飼う動物の数が管理能力を超えないよう注意を払うことが望ましいでしょう。[2]

「多いとトラブルになる」とは書いてあっても、何匹からかは示されていません。

同じ規程の第6(動物の種類)も「(1)犬及び猫(大きさ及び種類は、各集合住宅で定める。)」で、やはり空欄です[2]。第8では、飼う前に「あらかじめ許可を受けるとともに、この規程を遵守する旨を誓約すること」が求められています[2]。

ここまでで分かるのは、「頭数は各物件が決める」という一点だけです。

数字を出していたのはURで、それは「1頭」でした

では実際に数字を書いている例はあるのか。UR都市機構のペット共生住宅にありました[3]。

犬および猫については、1部屋につきいずれか1頭のみとさせていただきます。[3]

「いずれか1頭」です。犬1匹と猫1匹の2頭でもなく、猫2匹でもありません。

しかもURは、その理由まで公開しています。

犬または猫の飼育にあたっては、緊急時に飼い主が飼育動物をコントロールできること、共用部分の広さや近隣の環境に対する影響等を考慮して、成犬又は成猫時に抱きかかえられる程度の大きさ(概ね10kg以下)とし、飼育できる頭数を1部屋につきどちらか1頭としました。[3]

猫の側の条件も具体的です。

項目UR ペット共生住宅の規則(抜粋)
頭数1部屋につき犬猫いずれか1頭のみ[3]
大きさ猫は「成猫時の体重が概ね10kg以下」[3]
医療猫は「マイクロチップの注入および避妊または去勢手術を受けていること」[3]
飼育場所「ペットは室内で飼育してください。バルコニー・専用庭や共用廊下などでペットを飼育することはできません」[3]
手入れ「ペットの手入れをしたり、ケージ等飼育用具の清掃を行う場合も、室内で行ってください」[3]
移動部屋の外に出るときは「ペットをケージに入れるか、またはリードで結ぶ等」[3]
手続き「賃貸借契約の締結時に、ペット飼育規則を遵守する旨の確認書をご提出いただきます」[3]

編集部の受け止めとしては、ここが今回いちばん重い事実でした。全国規模でペット共生住宅を持っている事業者が、理由を示したうえで1頭に絞っている。多頭飼いを前提に賃貸を探す場合、この選択肢は最初から外れます。

⚠️ これは「UR全体の方針」であって、他の貸主に適用されるものではありません。同じ条件が民間物件に当てはまるという意味ではないことは、はっきり書いておきます。

公営住宅は、頭数以前に飼育そのものが不可でした

もう1つの母集団として、公営住宅を見ました。

JKK東京(東京都住宅供給公社)が出している都営住宅の注意事項には、こうあります[4]。

動物の飼育の禁止

他の入居者に迷惑となるので、犬、猫、鳥などの動物の飼育はお断りしています。犬や猫などのペットを飼うと、鳴き声、抜け毛、フン尿で隣近所の方にうるさい、きたない、悪臭があるなど迷惑や害を与えるほか、動物によっては皮膚病など人と共通の伝染病が発生する心配もあり、隣り近所とのトラブルや衛生環境の悪化の原因になることも多いためです。[4]

頭数の話ではなく、飼育そのものが対象外です。

4つを並べると、こうなりました

誰が決めているか犬猫の扱い頭数
国(賃貸住宅標準契約書)禁止ではなく書面承諾が要る行為[1]欄が無い(「頭数」「匹」「多頭」0件)
東京都(動物飼養モデル規程)飼える種類として明記[2]欄はあるが空欄(「○頭以内」)[2]
UR都市機構(ペット共生住宅)飼える[3]1部屋につきいずれか1頭[3]
都営住宅(JKK東京)お断り[4]

「多頭飼い可」を定めた公的な仕組みは、確認した範囲では1つも見つかりませんでした(整理は当編集部)。

⚠️ これは「日本中どこにも無い」という意味ではありません。編集部が確認したのはこの4つだけで、民間の各社が独自に定めている規則までは見ていません。

では、物件を見るときに何を確認するか

「多頭飼い可」は募集情報の表示ではなく、契約と細則の側に書かれることが分かりました。そこから逆算すると、確認する場所は次の4つになります(判断は当編集部)。

  1. 募集条件の「ペット可」の中身を、口頭ではなく書面で確認する。標準契約書は承諾を「書面」で取る形になっています[1]
  2. 飼育細則・ペット飼育規則の有無を聞く。URのように別紙の規則と確認書がある場合、頭数はそちらに書かれます[3]
  3. 頭数・大きさ・種類の3つを、それぞれ確認する。東京都のモデル規程は、種類(第6)と数(第7)を別の条文に分けています[2]
  4. 退去時の特約を確認する。標準契約書の解説は、特約項目の例として「居室内でのペット飼育を認める代わりに、壁クロスの張替費用全額を借主の負担とする場合」を挙げています[1]

4つ目の費用の考え方は[賃貸のペット壁紙の修理|退去前に直すか、費用はどう決まるか](https://pet-kurashi.net/2026/09/10/rental-pet-wallpaper-repair/)で詳しく扱っています。床側は[賃貸でできる犬の床滑り対策|退去時に請求されないための床の守り方](https://pet-kurashi.net/2026/08/20/rental-dog-floor/)、壁の爪とぎは[猫の爪とぎの壁対策|キズに強い壁紙の実力と、賃貸での守り方](https://pet-kurashi.net/2026/09/02/cat-scratch-wall-protection/)です

分譲マンションを買う側の話は[中古マンションのペット可と相談可の違い|規約と床の工事](https://pet-kurashi.net/2026/09/07/used-mansion-pet-allowed/)にまとめています

頭数が通ったあと、家の側で要るもの

契約の条件が通っても、部屋の中の準備は別の話です。猫の数が増えると、必要になるのは面積よりも「置き場所の数」でした。当メディアの既存記事から整理します。

必要になるものどう決めるか詳しく
トイレ・水・寝床の数頭数に応じて数を決める[猫の多頭飼いで用意するもの|数の決め方と置き方](https://pet-kurashi.net/2026/09/11/cat-multi-cat-resources/)
部屋を分ける手段間仕切りと逃げ場をつくる[猫の多頭飼いで部屋を分けるには|間仕切りと逃げ場のつくり方](https://pet-kurashi.net/2026/09/09/cat-multi-pet-room-divide/)
何頭から問題が起きるか失敗例から逆算する[猫の多頭飼いの失敗例|何頭から起きるか、家で防げること](https://pet-kurashi.net/2026/09/13/cat-multi-cat-failure-cases/)
トイレの置き場所消臭剤より先に置き場所[猫トイレの臭い対策|消臭剤より先に効く置き場所と大きさ](https://pet-kurashi.net/2026/08/25/cat-litter-box-placement/)
水飲み場数と家の中の候補[猫の水飲み場はどこに置く?数の決め方と家の中の候補](https://pet-kurashi.net/2026/09/11/cat-water-station/)
隠れ家押入れ・階段下を使う[猫の隠れ家は必要?置き場所と押入れ・階段下の使い方](https://pet-kurashi.net/2026/09/10/cat-hiding-place/)

⚠️ 自治体への多頭飼養の届出が必要になる頭数は自治体ごとに違います。こちらは[猫の多頭飼いで部屋を分けるには](https://pet-kurashi.net/2026/09/09/cat-multi-pet-room-divide/)で6自治体を原典で確認していますので、そちらを参照してください。賃貸の契約条件とは別の制度です。

よくある質問

Q. 猫の多頭飼い可能な賃貸物件の探し方は?(実測されたただ1件の質問・相対需要1)[5]

募集情報の「ペット可」だけでは頭数が分かりません。飼育細則またはペット飼育規則の有無を聞き、頭数・大きさ・種類の3つを書面で確認するのが確実です[1][2][3]。

Q. 「ペット可」と書いてあれば2匹飼えますか?

標準契約書の側には頭数の定めがありません(「頭数」「匹」「多頭」0件)[1]。2匹飼えるかどうかは、その物件の承諾の内容によります。書面で確認してください。

Q. 黙って増やしたらどうなりますか?

標準契約書では、犬猫の飼育は「貸主の書面による承諾」が要る行為として位置づけられています[1]。東京都のモデル規程にも、指導にもかかわらず改善されない場合に「管理組合等は、その飼い主に対し、動物を飼うことを禁止することができる」という条文があります(第11)[2]。編集部としては、増やす前に確認することを勧めます。

Q. UR以外に頭数を公開している事業者はありますか?

今回の調査では確認していません。編集部が見たのは国の標準契約書・東京都のモデル規程・UR・都営住宅の4つだけです。

編集部の結論

  • 「猫 多頭飼い 賃貸」は、ほぼ物件探しの言葉だった(サジェスト15件のうち14件=93.3%が地域名つき。よくある質問は1件だけ。集計は当編集部)[5]
  • 🔴 国の賃貸住宅標準契約書には、飼える頭数を書く欄が無い(全31ページ・34,720字に「頭数」「匹」「多頭」すべて0件)[1]
  • 🔴 「頭」は33件ヒットするが、内訳は「頭書」32件と「頭に」1件。件数だけで判断すると逆の結論になる(当編集部の実測)
  • 🔴 犬猫の飼育は禁止ではなく「書面承諾が要る行為」だった。全面禁止は「猛獣、毒蛇等」の側で、犬猫は入っていない[1]
  • 🔴 東京都のモデル規程には頭数の条文があるが、数字は「○頭以内」の空欄[2]
  • 🔴 数字を出していたのはURで、それは「1部屋につきいずれか1頭のみ」だった。理由も公表されている[3]
  • 都営住宅は飼育そのものが不可[4]
  • 編集部としては、募集情報の「ペット可」を頭数の答えとして読まないことを勧めます。頭数は契約と細則の側にしか書かれていません(判断は当編集部)

記事だけでは決められないのは、「いま住んでいる家で増やしていいか」です。承諾の内容は物件ごとに違い、口頭のやり取りだけだと退去時に食い違います。

自宅の場合どうなるか分からない場合は、写真や書面を見ながら確認できます。

[無料で相談する](https://pet-kurashi.net/soudan/)

※本記事は住まいづくりの観点から一般的な情報を提供するものであり、個々の契約の解釈や法律相談に代わるものではありません。実際の可否は契約書・細則の内容と貸主の判断によります。また、猫の体調や行動に気になる変化がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。

参考文献・出典

  1. 国土交通省「賃貸住宅標準契約書」(平成30年3月版・連帯保証人型)

https://www.mlit.go.jp/common/001479827.pdf (確認日 2026-09-14・全31ページ・抽出34,720字・抽出=ok)

  1. 東京都保健医療局「集合住宅における動物飼養モデル規程 モデル規程解説」

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/aigo/yomimono/mhyousi/mkaisetu (確認日 2026-09-14・本文14,480字・読める文字97.2%)

  1. UR都市機構「ペット共生住宅|便利な制度|UR賃貸住宅」

https://www.ur-net.go.jp/chintai/whats/system/pet/ (確認日 2026-09-14・本文8,934字・読める文字99.8%)

  1. JKK東京(東京都住宅供給公社)「注意事項」(都営住宅)

https://www.to-kousya.or.jp/kouei/to/cyuijikou.html (確認日 2026-09-14・本文7,840字・読める文字99.7%)

  1. ラッコキーワード(ライトプラン)サジェストキーワード15件/よくある質問検索1件(2026-09-14 実測・当メディア取得)
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この記事を書いた人

メーカーの仕様書やFAQを複数社ぶん並べて、書いてあることの違いを確かめてから記事にしています。「ペット用」と書いてあっても、中身は各社でけっこう違います。工事が要らないなら要らないと書きますし、間違えたら訂正を出して残します。

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