ケージに入れると、猫が鳴きやまない。無視したほうがいいのか、出してあげたほうがいいのか。ラッコキーワードでは「猫 ケージ 鳴く」が月170回、「猫 ケージ 鳴く 無視」が月90回検索されています[4]。
編集部は、米国の動物愛護団体 ASPCA の「鳴く・大声で鳴く」の解説、獣医師向けの Merck 獣医マニュアル、環境省の飼い方ガイドラインの3つを読みました。すると、3つとも「ケージで鳴く」を直接書いた箇所はありませんでした。ただ、ASPCA が「無視しないで」と書く理由の中身は、そのままケージの中で確かめられることの一覧になっていました。
| 見たこと | 結果 |
|---|---|
| 無視していい? | ASPCA は原則として無視しない。例外は1つだけ[1] |
| 無視しない理由 | トイレに行けない・水が空・閉じ込められている、を疑う[1] |
| 鳴くのは何のサイン? | Merck は恐怖のサインの1つに「鳴く」を挙げる[2] |
| 高齢の猫では | Merck は、報告がいちばん多い変化が「鳴くことが増える」[2] |
くらすけ
「鳴いてるのに知らんぷりって、なんだか落ち着かないでつ…」
先に結論
- ASPCA は、鳴いても無視しないことを原則にしています。例外は「要求で鳴いていると確実に分かるとき」だけです[1]
- 無視する前に、ケージの中でトイレに入れるか、水が空になっていないかを見ます。ASPCA が「何かがおかしいと考えたほうが安全」と書く中身がこれです[1]
- 要求で鳴いていると分かったら、ASPCA は静かになった一瞬に応える方法を書いています[1]
- 急に鳴くようになった・よく鳴くなら、ASPCA も Merck も獣医師の診察を先に置いています[1][2]
- 集合住宅では、環境省のガイドラインが鳴き声を近隣への配慮事項に挙げています[3]
1. 無視していい? ASPCA の答え
ASPCA の解説には「やってはいけないこと」の節があり、その1つ目が「無視」でした。
「Do not ignore your cat when she meows. The one exception is if you know for certain that she’s meowing to get you to do something she wants.」[1]
(鳴いたときに無視しない。例外は1つだけ、してほしいことがあって鳴いていると確実に分かっているとき)
では、確実に分からないときはどう考えるか。ASPCA は続けてこう書いています。
「In every other instance, it’s safest to assume that something’s wrong—she may not have access to her litter box, or her water bowl may be empty, or she may be locked in a closet.」[1]
(それ以外のときは、何かがおかしいと考えたほうが安全。トイレに行けない、水入れが空、押し入れに閉じ込められている、など)
ケージに置き換えると
ASPCA の文はケージの話ではありません。ただ、挙げられている3つは、ケージの中で実際に起こりうることです(当編集部の読み方)。
| ASPCA が挙げたこと[1] | ケージで見るところ |
|---|---|
| トイレに行けない | トイレが入っている段に下りられるか。トイレが汚れていないか |
| 水入れが空 | 水が残っているか。器がひっくり返っていないか |
| 閉じ込められている | ケージに入れたこと自体が、この状態に当たる |
3つ目は、ケージを使う以上は避けられません。だからこそ、1つ目と2つ目は先に消しておく、という順番になります。
ケージの中のトイレの寸法は猫ケージのトイレ付きのデメリット、水の置き方は猫のケージの水飲みで扱っています。
くらすけ
「まずは、お水とトイレを見るんでつね。」
2. 要求で鳴いているときは
中を確かめても問題がなく、「出してほしい」「かまってほしい」で鳴いていると分かったとき。ASPCA は、叱るのでも出すのでもない方法を書いています。
「If your cat is meowing for attention, teach her that you’ll only pay attention to her when she’s quiet.」[1]
「Instead, be patient and wait for a brief moment of silence. Immediately give her the attention she craves.」[1]
(静かなときにだけ応える、と教える。鳴きやんだ一瞬を待って、すぐに応える)
叱ることについては、はっきり「しない」と書いています。
「Do not scold or hit your cat for meowing too much.」[1]
ASPCA は、叱ると一時的に逃げても鳴くことは変わりにくく、飼い主を怖がるようになるかもしれない、と続けています[1]。
⚠️ 「無視」と「静かになるのを待つ」は、似ていますが別のものです。ASPCA が書いているのは、中を確かめたうえで、鳴きやんだ瞬間に応えることです[1]。
3. 鳴くのは、何のサイン?
3つの資料が挙げる「鳴く理由」を並べました。
| 理由 | 資料 |
|---|---|
| かまってほしい・ごはん・外に出たい/入りたい | ASPCA[1] |
| 怖がっている | Merck[2] |
| 年をとって、認知機能が落ちている | Merck[2]・環境省[3] |
| 発情期 | ASPCA[1]・環境省[3] |
| 飼い主がいないと鳴く(かわいがりすぎ) | 環境省[3] |
怖がっているとき
Merck は、恐怖が表れる行動の1つに「鳴く」を挙げています。
「Fear might be evidenced as avoidance; withdrawal and hiding; low, crouched or tucked body posture; lowered ears; vocalization; and possibly spraying.」[2]
(恐怖は、避ける・引きこもって隠れる・低くうずくまる姿勢・耳を伏せる・鳴く・場合によってはスプレー、として表れることがある)
鳴いていると同時に、奥で低くうずくまっている、耳を伏せている——という様子なら、要求とは別の読み方になります。隠れ場所を置くと何が変わるかは猫のケージのストレスでまとめています。
年をとってから鳴くようになった
Merck は、高齢の猫の認知機能の変化の中で、報告がいちばん多いのは鳴くことが増えることだと書いています。
「In multiple studies, the most frequently reported behavioral sign in aging cats is increased vocalization.」[2]
環境省のガイドラインも、いわゆる認知症の症状の例に「飼い主の姿が見えなくなると鳴く」を挙げています[3]。
「飼い主の姿が見えなくなると鳴く」[3]
ASPCA も、高齢の猫が急に鳴くようになったら、病気・感覚の衰え・認知機能を獣医師に診てもらうよう書いています[1]。Merck も、行動の問題と診断するのは、医学的な原因をすべて除いてからだとしています[2]。
「If all possible medical causes have been excluded, a thorough history is necessary to diagnose a behavior problem」[2]
ケージの中の工夫より先に、診察です。
発情期
ASPCA は、避妊していないメス猫の発情は4〜10日続くと書いています[1]。
「This lasts four to ten days.」[1]
オス猫も、発情したメスの声や匂いに気づいて鳴き続けることがある、としています[1]。
「he may be hearing or smelling a female cat in heat.」[1]
窓際に置いたケージは、外の音や匂いが届きやすい場所です。置き場所の高さと窓の関係は猫のケージの置き場所で扱っています。
くらすけ
「同じ『鳴く』でも、理由がこんなにあるんでつね。」
4. 「閉じ込める」を、獣医師向けの資料はどう書いているか
Merck は、ほかの猫や来客を怖がる猫について、刺激から離すことを第一歩に挙げています。
「confinement away from those stimuli is an essential first step to ensure safety and to prevent aggravation of the problem.」[2]
ただ、そのすぐあとに書かれている場所は、ケージではなく部屋でした。
「In general, the cat should be housed in its own room with litter, toys, bedding, and food.」[2]
(一般に、トイレ・おもちゃ・寝床・食事のある、その猫専用の部屋で過ごさせる)
ケージに入れると鳴く猫なら、部屋ひとつをその猫の場所にする、という選択肢もある——というのが、この一文からの編集部の読み方です。ケージをやめる目安と部屋の準備は猫のケージはいつまで?で扱っています。
5. 集合住宅なら、音の行き先も
環境省のガイドラインは、集合住宅での注意事項として鳴き声を挙げています。
「犬や猫の鳴き声、室内での走り回りなどの騒音に注意し、近隣に迷惑をかけないようにしましょう。」[3]
また、高齢の犬や猫の夜鳴きが近所とのトラブルになっていることにも触れています[3]。
「最近では高齢の犬や猫の遠吠え、夜鳴きなどで、周辺に迷惑をかけることも問題となってきています。」[3]
ケージの置き場所を決めるときは、隣の住戸と接している壁の前を避けられるかも見ておくと、鳴いたときの行き先が変わります(当編集部の読み方)。床に伝わる音の減らし方は猫の足音の防音で扱っています。
よくある質問
Q. 鳴いたらすぐ出してあげたほうがいい?
A. 今回読んだ資料には、ケージから出すかどうかを書いたものはありませんでした。ASPCA は、まず何かがおかしくないか(トイレ・水など)を確かめ、要求で鳴いているなら静かになった一瞬に応える、と書いています[1]。
Q. 夜だけ鳴くのは?
A. ASPCA は、朝ごはんを求めて飼い主を起こそうと鳴く猫の例を挙げ、決まった時刻に開く自動給餌器を使う方法を書いています[1]。高齢の猫なら、Merck と環境省が挙げる年齢による変化も考えられます[2][3]。
Q. いつ鳴くのか分からない
A. ASPCA は、鳴く時間や状況を記録して、パターンを探すことを勧めています[1]。
「It may help to keep a log book so you can look for any patterns in when she becomes especially vocal.」[1]
Q. カバーをかけると静かになる?
A. 今回読んだ3つの資料には、カバーと鳴き声の関係は書かれていませんでした。カバーの素材とかける前の確認は猫のケージカバーでまとめています。
編集部の結論
「猫がケージで鳴く」を直接書いた箇所は、今回読んだ3つの資料にはありませんでした。それでも、ASPCA の「無視しない。例外は1つだけ」という書き方は、そのままケージの中を見る順番になります。トイレに入れるか、水があるか——それを確かめてから、要求なら静かになった一瞬に応える。
急に鳴くようになった、年をとってから鳴くようになった、怖がっている様子がある、という場合は、ケージの工夫より先に獣医師へ——というのが、3つの資料から編集部が読んだ順番です。
自分の家の場合はどうなるか、確かめる
ケージを窓から離せるか、隣の住戸と接する壁を避けられるか、猫専用にできる部屋があるか——こうした条件は、実際の間取りを見ないと判断できないことがあります。
「ペットのくらし」の相談窓口では、工事が必要かどうかの切り分けから無料で相談できます。見積もりは、施工会社が現地を見て作ります。
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参考文献・出典
- ASPCA「Meowing and Yowling」 https://www.aspca.org/pet-care/cat-care/common-cat-behavior-issues/meowing-and-yowling (確認日: 2026年9月27日)
- Kim SA(Peer reviewed by Siracusa C)「Behavior Problems of Cats」*Merck Veterinary Manual*(Professional Version・Full Review: Jul 2025) https://www.merckvetmanual.com/behavior/behavior-of-cats/behavior-problems-of-cats (確認日: 2026年9月27日)
- 環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(平成22年2月) https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2202.pdf (確認日: 2026年9月27日)
- ラッコキーワード(「猫 ケージ 鳴く」「猫 ケージ 鳴く 無視」月間検索数。queue.md と既存の実測ファイルの値)
※本記事は住まいづくりの観点から一般的な情報を提供するものであり、個々のペットの診断・治療に代わるものではありません。歩き方や行動に気になる変化がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。

