「犬 留守番 共働き」は月に590回検索されています[4]。
この語で実際にどんな質問がされているのかを9件取り出して並べたとき、編集部が引っかかったのは出てくる数字が1つしかないことでした。
12時間です。「共働きで犬を12時間留守番にするのはどうですか?」(24)、「共働きで犬の留守番時間が12時間の場合はどうしたらいいですか?」(5)、「共働きで犬が12時間留守番をさせるには?」(1)。6時間・8時間・10時間は1件も出てきません(集計は当編集部)[4]。
当メディアが以前「犬 留守番 時間」で同じ調査をしたときは、6・8・10・12時間の4つが並んでいました[5]。「共働き」の1語が付いた途端、想定される不在が12時間に寄っています。
くらすけ
12時間って、朝7時に出て夜7時に帰るってことでつね。……それ、本当にそんなに長いんでつか?
くらすけの疑問がそのまま今回の出発点です。共働きの家は、実際に何時間家を空けているのか。編集部は、犬の資料ではなく人の生活時間の統計を見に行きました。
先に、数字だけ
(2021年・平日・有業者。総務省「令和3年社会生活基本調査」より。合計は当編集部の計算)[1]
| 仕事 | 通勤・通学 | 仕事+通勤 | |
|---|---|---|---|
| 総数(在宅勤務をしていない人) | 8時間24分 | 1時間7分 | 9時間31分 |
| うち25〜34歳 | 9時間6分 | 1時間15分 | 10時間21分 |
| うち35〜44歳 | 8時間50分 | 1時間8分 | 9時間58分 |
| うち45〜54歳 | 8時間43分 | 1時間8分 | 9時間51分 |
検索されている「12時間」より、2時間から2時間半ほど短いのが統計上の姿でした。
ただしこれは平均です。残業の長い日、飲み会のある日、帰りに買い物をする日は、ここに乗ります。12時間という数字は、平均から外れた日を指しているとも読めます。
「在宅勤務にすれば一緒にいられる」は、半分しか当たらなかった
この統計で、いちばん意外だったのはここでした。
同じ表には、テレワーク(在宅勤務)をしていた人としていない人の生活時間が並んでいます[1]。
| 仕事 | 通勤・通学 | |
|---|---|---|
| テレワーク(在宅勤務) | 8時間37分 | 4分 |
| テレワーク以外 | 8時間24分 | 1時間7分 |
減っていたのは通勤のほうでした。1時間7分から4分へ、差は1時間3分。仕事の時間は減っていません。
年齢階級別でも同じでした[1]。
| テレワークの仕事時間 | テレワーク以外の仕事時間 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 25〜34歳 | 8時間59分 | 9時間6分 | −7分 |
| 35〜44歳 | 8時間50分 | 8時間50分 | ±0 |
| 45〜54歳 | 8時間42分 | 8時間43分 | −1分 |
(差の計算は当編集部)
🔺 総数では在宅勤務のほうが13分長く出ていますが、3つの年齢階級ではいずれも長くなっていません。総数と階級別で向きが違うので、「在宅のほうが働いている」とは書けません(読み取りは当編集部)。確実に言えるのは、どの見方でも仕事時間が1時間も減っていないことです。
つまり在宅勤務で空くのは、通勤の約1時間ぶんです。家にいることと、手が空いていることは別でした。
そして、その在宅勤務をしていた人は多くありません。平日に仕事があった有業者52,867千人のうち、その日にテレワークをしていたのは3,542千人=6.7%(2021年)[1]。年齢階級別の最大でも25〜34歳の9.9%です。
くらすけ
「在宅だから見てられる」じゃなくて、「在宅だと通勤の1時間ぶん早く帰ってこられる」って話だったでつね。
何時間までかは、この記事では決めません
「では何時間までならいいのか」という問いには、当メディアは別記事で答えを出そうとして、出せませんでした。
家庭向けの国の告示、業者向けの省令、ドイツの犬の飼い方の規則の3つを読み比べても、「ひとりにしてよい時間の上限」を定めた規定は見当たりませんでした[5]。出てきた数字はすべて「一緒にいる時間の下限」か「途中で中断する区切り」です。
詳しくは犬の留守番の時間|何時間までかは家の条件で決まるにまとめています。本記事はその続きとして、「では共働きの家は何時間空けることになるのか」を人の側の統計で出すところに限定しました。
共働きで効いてくるのは、1日の長さより「毎日」のほう
編集部が資料を読み比べていて気づいたのは、国の基準が「毎日」と書いている場所です。
散歩、遊具を用いた活動等を通じて、犬又は猫との触れ合いを毎日行うこと。[2]
犬又は猫を飼養又は保管する場合には、清潔な給水を常時確保すること。[2]
これは事業者向けの飼養管理基準省令で、家庭の飼い主に適用されるものではありません。ただ書き方の向きは参考になります。長さではなく、頻度と常時性で書かれています。
家庭向けの告示も同じ向きでした。
所有者等は、次の事項に留意し、家庭動物等の種類、生態、習性及び生理に応じた必要な運動、休息及び睡眠を確保し、並びにその健全な成長及び本来の習性の発現を図るように努めること。(第3 共通基準 1)[3]
共働きの家で起きるのは、「たまたま長い日」ではなく「9〜10時間の不在が週5日続くこと」です。1日単位で見ると平均9時間31分でも、それが毎日である以上、週末にまとめて埋める形にはならない——というのが編集部の読み取りです(判断は当編集部)。
週5日を前提に、家の側で数えられること
工事の前に、今日数えられるものから並べます(判断は当編集部)。
- 出る時刻と帰る時刻の差を、往復の通勤を入れて実際に測る。統計の平均は9時間31分、25〜34歳では10時間21分でした[1]。「たぶん8時間くらい」と実測はずれます
- 水は「平均+残業のばらつき」で足りるか。器を1つ増やすのがいちばん早く、省令の言葉も「常時確保」です[2]
- 排泄の面を、帰宅までもつ数にする。トレーのサイズは犬のトイレトレーのサイズ、設備で解く選択肢は犬のトイレは自動にできる?にあります
- 室温は「出かけた後」で見る。出る時点ではなく、日が回ったあとの室温で判断します(夏/冬)
- 閉じ込める範囲を部屋単位で区切れるか。ケージの中だけで10時間にしない(犬のケージの置き場所/犬のトイレの場所)
- 朝の側に時間を作れるか。在宅勤務にしても仕事時間は減りません[1]。空くのは通勤の約1時間で、それを朝に置くか夜に置くかは家の都合で選べます
- 出かける前の安全確認を、毎日の手順にする。見る場所は犬の留守番|出かける前に家で見る5か所にまとめています
1・2・6・7は今日からできます。3・4・5は、家の側を変えないと解けないことがあります。
よくある質問
Q. 共働きで犬を飼っているが、留守番させるにはどうすればいいですか?(実測された質問の1位・相対需要100=全体の43.7%)[4]
時間を先に決めるのではなく、上の7項目を自分の家で数えることを勧めます(判断は当編集部)。国の基準が求めているのは「必要な運動、休息及び睡眠の確保」[3]、「清潔な給水を常時確保」「触れ合いを毎日」[2]という状態の側で、時間の上限は書かれていません[5]。
Q. 共働きで犬を飼っている場合、留守番できる時間は?(2位・73)[4]
上限を定めた公的な規定は、当メディアが確認した3つの資料の範囲では見当たりませんでした[5]。代わりに数えられるのは人の側で、平日に出勤している人の仕事+通勤は平均9時間31分(25〜34歳は10時間21分)でした[1]。
Q. 12時間の留守番はどうですか?(3件・合計30=13.1%)[4]
12時間を危険と判定した公的な基準は、今回は見つかりませんでした。統計上の平均(9時間31分)より2時間半ほど長い想定です[1]。同じ12時間でも、水・排泄・室温・動ける範囲がどうなっているかで中身が変わります。気になる変化がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
Q. 在宅勤務に切り替えれば解決しますか?
通勤ぶんの約1時間は空きますが、仕事の時間は減っていませんでした[1]。テレワークをしていた人の平日の仕事時間は8時間37分、していない人は8時間24分で、年齢階級別に見ても−7分〜±0分です[1]。家にいることと、相手ができることは別です。
Q. 共働きに向いている犬種はありますか?
この語で犬種を聞く質問は2件・相対需要2(全体の0.9%)しかありませんでした[4]。当メディアは住まいの側を扱っており、犬種の適性は扱いません。迎える前の相談は、かかりつけの獣医師やブリーダー・譲渡元へどうぞ。
Q. ケージに入れておけば長時間でも大丈夫ですか?
省令が事業者に求めているのは逆向きで、「運動スペース分離型飼養等を行う場合、犬又は猫を1日3時間以上運動スペース内で自由に運動できる状態に置くこと」です[2]。閉じ込める時間を延ばす根拠にはなりません。なお「共働き 犬 留守番 ケージ」は月50回の検索ですが、競合性は95と、この語群の中で突出して高い数字でした[4]。
編集部の結論
- 🔴 「共働き」が付くと、聞かれる時間数が12時間だけになる。9件・需要229のうち時間を名指ししたのは12時間の3件・30(13.1%)で、6・8・10時間は0件(集計は当編集部)[4][5]
- 🔴 統計上の不在は、平日で仕事8時間24分+通勤1時間7分=9時間31分(計算は当編集部)[1]
- 🔴 25〜34歳だけ10時間21分と、他の階級より20〜30分長い(計算は当編集部)[1]
- 🔴 在宅勤務で減っていたのは通勤(1時間7分→4分)で、仕事時間は減っていない(年齢階級別で−7分〜±0分)[1]
- 🔴 その在宅勤務をしていたのは、平日に仕事があった有業者の6.7%[1]
- 🔴 国の基準が「毎日」「常時」と書いているのは触れ合いと給水の側で、留守の長さではない[2][3]
- 編集部としては、時間の上限を決めるより、9〜10時間が週5日続く前提で家の側を数えることを勧めます(判断は当編集部)
記事だけでは決められないのは、「いまの間取りで、10時間ぶんの水と排泄の場所を増やせるか」です。置ける場所は、既存の給排水・段差・ドアの開き方で変わります。
自宅の場合どうなるか分からない場合は、写真や間取りを見ながら確認できます。
※本記事は住まいづくりの観点から一般的な情報を提供するものであり、個々のペットの診断・治療に代わるものではありません。留守番中の行動や体調に気になる変化がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
次に読む
- 犬の留守番の時間|何時間までかは家の条件で決まる — 時間の上限を定めた規定があるか
- 犬の留守番|出かける前に家で見る5か所 — 出発前の手順
- 犬が留守番でうんちを食べる|理由と家でできること — 留守中に起きることの一例
- 犬のケージの置き場所|リビング・寝室・和室の選び方 — 閉じ込める範囲の決め方
- 犬のしつけの「ハウス」とは?意味と置き場所の決め方 — 居場所として使う場合
参考文献・出典
- 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の要約」(令和4年8月31日)
– 表3 年齢階級別テレワークをした人口(2021年)-平日、有業者/表4 年齢階級、テレワークの実施の有無別生活時間(2021年)-平日、有業者
– https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/youyakua.pdf (確認日 2026-09-15・全8ページ・抽出9,567字・抽出=ok)
- 環境省「第3次答申(動物愛護管理法の飼養管理基準に関する省令)の概要」(令和3年6月1日施行)
– 触れ合いを毎日行うこと/清潔な給水を常時確保すること/運動スペース分離型飼養等における1日3時間以上の運動
– https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_r030601_1.pdf (確認日 2026-09-15・全8ページ・抽出5,754字・抽出=ok)
- 環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号/最終改正 令和4年環境省告示第54号)
– 第3 共通基準1
– https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_r02_21_1.pdf (確認日 2026-09-15・全5ページ・抽出7,568字・抽出=ok)
- ラッコキーワード(ライトプラン)サジェストキーワード10件/よくある質問検索9件(2026-09-15 実測・当メディア取得)
- ペットのくらし編集部「犬の留守番の時間|何時間までかは家の条件で決まる」
– https://pet-kurashi.net/2026/09/14/dog-home-alone-hours/ (2026-09-14公開。家庭向け告示・業者向け省令・ドイツ Tierschutz-Hundeverordnung の読み比べ)

