「犬 しつけ 順番」で実際に打ち込まれている質問7件のうち、いちばん多いのは「教える順番は?」(相対需要100)でした[8]。
| 質問 | 相対需要 |
|---|---|
| 犬のしつけを教える順番は? | 100 |
| 犬のしつけの順番は? | 34 |
| 成犬のしつけの順番は? | 23 |
| 子犬のしつけの順番は? | 17 |
| 子犬のしつけコマンドの順番は? | 9 |
| 子犬のしつけのコマンドの順番は? | 4 |
| 犬のしつけでコマンドを習う順番は? | 1 |
そこで編集部は、公的な資料が「順番」をどう書いているかを確かめました。結論から書くと、国の基準の本文7,568字に「順」という字は1つもなく、自治体が「手順」と呼んでいたのも教える種目の順番ではありませんでした[1][2]。
くらすけ
「おすわり」からでいいんでつよね? みんなそう言ってる気がするでつ。
先に、数字だけ
- 🔴 環境省告示第37号(本文7,568字)に「順」0件・「最初」0件・「基本」0件[1]
- 🔴 書かれているのは「適当な時期に」まで。順番は書いていない[1]
- 🔴 八尾市の「基本的な手順」は1回の練習の流れ(アイコンタクト→かけ声→よい動作→褒めておやつ)[2]
- 🔴 徳島県はオスワリを「アイコンタクトと同じくらい重要」と書き、順位を付けていない[3]
- 🔴 それでも「ふせ」の説明には「おすわりをさせた状態で」と前提が入っていた[2]
- 🔴 名古屋市が推奨しているのは、種目ではなく「自宅の一定の場所で排せつさせるしつけ」[4]
- したがって編集部の判断は、「種目の順番を探すより、家の側で3つの場所を先に決める」です
国の基準には、「順」という字が無かった
犬のしつけについて、いちばん上位にある公的な文書は、環境省告示第37号「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」です。
この本文(全5ページ・7,568字)を走査したところ、「順」が0件でした。「最初」も0件、「基本」も0件です(「基」の字は15件ありましたが、前後を全件読むと「基づき」6件・「基準」9件で、すべて別の語でした)[1]。
犬のしつけについて書かれているのは、第4の4のこの一文です。
犬の所有者等は、適当な時期に、飼養目的等に応じ、人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのないよう、適正な方法でしつけを行うとともに、特に所有者等の制止に従うよう訓練に努めること。[1]
「適当な時期に」とは書いてありますが、「何から順に」とは書いていません。
もう1か所、第1の一般原則にはこうあります。
家庭動物等の訓練、しつけ等は、その種類、生態、習性及び生理を考慮した適切な方法で行うこととし、みだりに、殴打、酷使すること等は、虐待となるおそれがあることを十分認識すること。[1]
方法については書いていますが、やはり順番ではありません。
⚠️ 「国が順番を決めていない」ことは、順番が無意味だという意味ではありません。書かれていないことを確かめただけです。何をしてはいけないかについては犬のしつけでやってはいけないこと|家の側の準備で、「いつから」については犬のしつけはいつから?教室に通える時期と家の準備で扱っています。
自治体の「手順」は、種目の順番ではなかった
では自治体はどうか。大阪府八尾市のページには、はっきり「基本的な手順」という見出しがあります。中身はこれです[2]。
アイコンタクト→かけ声(コマンド)→よい動作→褒めておやつ[2]
ここで編集部は一度、読み違えました。これは「アイコンタクトを教えてから、次にコマンドを教える」という意味ではありません。
読み直すと、これは1回の練習の中の流れです。犬の注意を引く → 声をかける → できたら → ほめておやつ。どの種目を練習するときも同じこの4ステップで行う、という意味の「手順」でした。
同じページで、八尾市は種目の例を5つ挙げています[2]。
| 順 | 種目 | 説明に書かれていた前提 |
|---|---|---|
| 1 | アイコンタクト | — |
| 2 | おすわり | — |
| 3 | ふせ | 「おすわりをさせた状態で」 |
| 4 | まて | 「犬がじっとできているとき」 |
| 5 | ハウス | 4段階に分けて書かれている(後述) |
ただし八尾市自身が、これを「一例を示します」と書いています[2]。順番として示されたものではありません。
資料の側が、順位を付けるのを避けていた
徳島県動物愛護管理センターのページは、もっとはっきりしています。
アイコンタクトについては、こう書かれています。
犬の名前を呼んだときに、犬が飼い主に注目することをアイコンタクトと言い、あらゆるしつけの基本となります。[3]
「あらゆるしつけの基本」なので、これが1番目に見えます。ところが、次のオスワリの説明はこうです。
オスワリは、アイコンタクトと同じくらい重要です。[3]
「同じくらい」です。1位と2位ではなく、並べています。
このページ(本文2,174字)を「順」で走査すると0件、「まず」も「最初」も0件でした[3]。
調べる前、編集部は「公的な資料のどこかに推奨する順番が書いてあるはずだ」と思っていました。実際は、順位を付けないように書かれていたというのが、今回いちばん意外だった点です。
くらすけ
じゃあ、どれから始めてもいいってことでつか?
それでも、順番は説明文の中に埋まっていた
「どれからでもいい」とまでは言えません。宣言はされていませんが、説明文の中に前提が入っているからです。
八尾市の「ふせ」の説明を、もう一度読みます。
ふせ 犬の目線の先の地面におやつを置く。おすわりをさせた状態で、犬の前足の先におやつを移動させることも効果的。[2]
「おすわりをさせた状態で」。つまり、ふせの手順の中に、おすわりができていることが含まれています。
「まて」も同じで、「犬がじっとできているときにまてと声をかけてそのまま動かずキープ。」と書かれています[2]。じっとできている状態が先にあります。
そして、5つの種目のうち、段階まで書かれていたのは「ハウス」だけでした。
ハウス クレート等におやつを入れる。初めは手前側に、慣れてきたら徐々に奥におやつを置く。奥まで入れるようになったら、扉を閉め、徐々に扉を閉める時間を延ばす。[2]
手前におやつ → 奥におやつ → 奥まで入る → 扉を閉める → 閉める時間を延ばす。他の4種目にこの書き方はありません。
⚠️ これは編集部の読み取りです。八尾市が「ハウスだけ段階が必要」と書いているわけではありません。書かれている文の形が、5つのうち1つだけ違ったという実測です。
ハウス(クレート)そのものの意味と置き場所は、犬のしつけの「ハウス」とは?意味と置き場所の決め方で扱っています。
名古屋市が推していたのは、種目ではなく家の中の場所だった
3つ目の自治体として、名古屋市動物愛護センターの「犬のしつけ方教室」のページを見ました。
このページ(本文4,611字)には、「順」0件・「アイコンタクト」0件・「おすわり」0件・「オスワリ」0件です[4]。種目の話が出てきません。
代わりに書かれていたのは、これでした。
また、名古屋市では、「散歩中には排せつさせず、自宅の一定の場所(トイレ)で排せつさせるしつけ」を推奨しています。[4]
自治体が名指しで推奨していたのは、コマンドではなく「家の中に場所を決めること」です。
住まいの側から見ると、これは分かりやすい話です。排せつの場所を家の中に決めるには、その場所が家に無ければ始まりません。トイレをどこに置くかは犬のトイレの場所|ごはん・寝床との距離と必要な広さで、しつけの進め方は犬のトイレのしつけ|成犬からの進め方と家の見直しで扱っています。
家の側で先に決める3つの場所
ここからは、4つの資料に書かれていたことを、住まいの側から並べ直したものです(並べ替えは編集部の判断で、資料にこの順番が書かれているわけではありません)。
1. 練習する場所
八尾市は、種目を並べる前にこう書いています。
しつけは静かで犬が集中できる環境のもと、犬が楽しいと感じられるように短時間で行いましょう。[2]
「静かで集中できる環境」が条件として先に置かれています。テレビの前、玄関が見える位置、窓際で外の人が見える場所は、この条件から外れやすい場所です。
2. 排せつの場所
名古屋市が推奨しているのが、この「自宅の一定の場所」です[4]。一定の場所と書かれている以上、動かさないで済む場所が要ります。
3. ハウス(クレート)を置く場所
八尾市の説明は、扉を閉める時間を延ばすところまで続きます[2]。扉を閉めた状態で落ち着ける場所である必要があるということです。
⚠️ この3つが同じ部屋に収まるかどうかは、間取りと家具の配置で変わります。編集部は実際の家で試していません。
「コマンドの順番」を知りたい場合
よくある質問7件のうち3件(相対需要14=7.4%)は、コマンドの順番を聞いていました[8]。
コマンドを何語にするか、いくつ教えるか、家族で言葉をどう揃えるかは、犬のしつけ一覧|コマンドの数と家族で決める言葉[6]で4つの資料を突き合わせています。そちらでは、「基本」とされるコマンドの数が資料によって違い、4資料に共通していたのは4つだけでした。
「共通していたのが4つだけ」ということは、それ以外は資料ごとに違うということです。順番を1つに決めた資料が見つからないのも、同じ理由だと考えられます(これは編集部の推測です)。
よくある質問
Q. 犬のしつけを教える順番は?
A. 今回確認した公的資料4本の中に、種目の順番を示したものはありませんでした[1][2][3][4]。ただし八尾市の説明文には「ふせ」の前提として「おすわりをさせた状態で」と書かれており[2]、手順の中に依存関係は入っています。
Q. 最初はアイコンタクトからでいいですか?
A. 徳島県動物愛護管理センターは、アイコンタクトを「あらゆるしつけの基本となります。」と書いています[3]。ただし同じページでオスワリを「アイコンタクトと同じくらい重要です。」とも書いており[3]、どちらが先とは書かれていません。
Q. 成犬と子犬で順番は違いますか?
A. 今回確認した資料に、成犬と子犬で順番を分けた記述はありませんでした。時期については環境省告示が「適当な時期に」とだけ書いています[1]。年齢と時期の話は犬のしつけはいつから?教室に通える時期と家の準備[7]で扱っています。
Q. 練習は1回どれくらい?
A. 八尾市は「短時間で行いましょう」と書いています[2]。具体的な分数の記載はありませんでした。徳島県はオスワリについて「ほとんどの子犬はほんの10分程度で理解できるくらい簡単なトレーニングです」と書いています[3]が、これは1回の練習時間ではなく習得までの目安として書かれたものです。
Q. 言葉は長くていいですか?
A. 八尾市は「かけ声(コマンド)は、短く分かりやすい言葉を使いましょう。」、さらに「犬は「□□したらダメ」などという文章の意味が理解できません。」と書いています[2]。
編集部の結論
- 国の基準(本文7,568字)に「順」は0件[1]
- 自治体の「基本的な手順」は、1回の練習の流れであって種目の順番ではない[2]
- 資料の側が「同じくらい重要」と書いて、順位を避けている[3]
- ただし「ふせ」の説明には「おすわりをさせた状態で」と前提が入っている[2]
- 自治体が名指しで推奨していたのは、家の中に排せつの場所を決めること[4]
編集部としては、種目の順番を探すより、①練習する場所 ②排せつの場所 ③ハウスを置く場所 の3つを先に決めることをすすめます(この判断は編集部のものです)。資料が順番を決めていない以上、決まっているのは家の側の条件のほうだからです。
⚠️ 今回確認したのは、環境省の告示1本と自治体3本の公表ページだけです。しつけの現場を取材したり、トレーナーに聞いたりはしていません。個々の犬に合う順番を判定するものではありません。
⚠️ 取りに行って読めなかった資料が1本あります。環境省のパンフレットPDF(全20ページ)は、文字を抽出すると読める文字が3.9%しかなく、出典として使えませんでした[5]。読めない資料を「書かれていない」の根拠には使っていません。
⚠️ 月間検索数は2026年9月20日時点の実測値です。
※本記事は住まいづくりの観点から一般的な情報を提供するものであり、個々のペットの診断・治療に代わるものではありません。行動に気になる変化がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
家ごとに違う部分は、写真を見ながら相談できます
資料が決めていないのは順番のほうで、決まっているのは「静かで集中できる場所」「一定の排せつ場所」「扉を閉めて落ち着けるハウスの場所」という条件のほうでした[2][4]。
この3つが家のどこに取れるかは、間取り・生活動線・床の状態によって変わります。ドアを1枚足せば静かな場所が作れる家もあれば、床の吸水性を先に直したほうがいい家もあります。ここは現在の家の状態によって変わるため、記事では判定できません。
工事が必要かどうかの切り分けだけでも、無料の相談窓口でご相談いただけます。見積は施工会社が現地を見て作るものなので、この場では出せません。
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次に読む
- 犬のしつけ一覧|コマンドの数と家族で決める言葉
- 犬のしつけはいつから?教室に通える時期と家の準備
- 犬のしつけでやってはいけないこと|家の側の準備
- 犬のしつけの「ハウス」とは?意味と置き場所の決め方
- 犬のトイレのしつけ|成犬からの進め方と家の見直し
- 犬のトイレの場所|ごはん・寝床との距離と必要な広さ
参考文献・出典
- 環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号・最終改正 令和4年環境省告示第54号。全5ページ・本文7,568字・抽出ok。走査語「順」0件/「最初」0件/「基本」0件) https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_r02_21_1.pdf (確認日: 2026年9月20日)
- 大阪府八尾市 健康福祉部 保健衛生課「犬の習性を知り、適正なしつけをしましょう」(本文5,053字・読める文字99.8%。走査語「順」1件=「手順」のみ) https://www.city.yao.osaka.jp/kurashi_tetsuzuki/sumai_kurashi_seikatsu/1012763/1003039/1003054.html (確認日: 2026年9月20日)
- 徳島県動物愛護管理センター「「アイコンタクト」&「オスワリ」を教えよう♪♪♪」(本文2,174字・読める文字98.9%。走査語「順」0件/「まず」0件/「最初」0件) https://douai-tokushima.com/question/archives/24 (確認日: 2026年9月20日)
- 名古屋市動物愛護センター「犬のしつけ方教室」(ページ更新日 2026年3月19日・本文4,611字・読める文字100.0%。走査語「順」0件/「アイコンタクト」0件/「おすわり」0件/「オスワリ」0件) https://www.city.nagoya.jp/kurashi/pet/1015473/1015495/1035065/1017798.html (確認日: 2026年9月20日)
- 環境省 パンフレット(全20ページ)(出典として使用していない: 文字抽出は7,549字取れたものの読める文字が3.9%で、フォントにToUnicodeが無く判読できなかった。「書かれていない」の根拠には使っていない) https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2303b/pdf/12.pdf (確認日: 2026年9月20日)
- 犬のしつけ一覧|コマンドの数と家族で決める言葉(当メディア・4資料に共通するコマンドの実測) https://pet-kurashi.net/2026/09/15/dog-training-command-list/
- 犬のしつけはいつから?教室に通える時期と家の準備(当メディア・社会化期と自治体3件の条件の実測) https://pet-kurashi.net/2026/09/15/dog-training-when-to-start/
- ラッコキーワード(サジェスト6件・よくある質問7件。編集部実測・2026年9月20日)

